もし行ってみてダメだったら、帰って来ればいいだけのことなんだよ。
そんなことより、ここで一歩踏み出すことが勇気だよ。
不安でもとりあえずやってみる!!
独立を諦めた私は、やがて、一人さんと一緒に仕事をしたいと考えるようになりました。
一人さんみたいに、人から好かれる幸せなお金持ちになるにはどうしたらいいだろうかと考えているうちに、「それなら、ずっと一人さんのそばにいるのが一番いいじゃないか」と思うようになったからです。
その頃には、一人さんが、銀座まるかんという会社の創設者で、どんな商売をしているのかも分かってきていましたから、純粋にまるかんの仕事そのものに興味を持っていました。
ただ、一人さんのそばにいたいと思うものの、なかなか気持ちを打ち明けることができません。
そんなある日、幕末の武士である河井継之介のお墓参りに連れて行ってもらうことになり、やっと一人さんにお願いすることができました。
「これで断られたら、もう後が無い」と不安に思っていましたが、二つ返事でひとりさんに受け入れてもらうことができ、安堵しました。
当時、まるかんでは通信販売で商品を販売しながら、全国に販売代理店の拠点を作っているところでした。
通信販売なら、どこかの本部さえ置いておけば、全国各地に店舗を置く必要など無いと思われるかもしれません。
だけど、一人さんの考えはそうではありませんでした。
たとえ通信販売をしていても、代理店が近くにあれば、何かあった時にお客様も便利だし、私たちもお客様の声を直接聞くことができる。
その声は、次のビジネスに活かせる、そういうことを大事にするのが一人さんの方針なのです。
そういう状況でしたので、私がまるかんに仲間入りすることが決まって、まず一人さんから聞かれたのは、「じゅんちゃんは、どこの県で代理店を開きたいのかい?」ということでした。
考えた結果、私は岐阜県を希望しました。
まるかん三部作で『新史太閤記』を読み、豊臣秀吉に憧れていたので、行くなら秀吉に縁のある地と決めていたからです。
本当は、秀吉の生まれ公共であるあいちけんが良かったのですが、愛知は既に別の社長さんが代理店を開いていましたので、秀吉が織田信長とともに7年暮らした岐阜は選んだわけです。
さて、準備も整い、後は出発の日を決めるだけ。
ところが、この段階になって、私の中で急に不安が膨らんできました。
それまでずっと東京で両親と暮らしてきた私にとって、一人暮らしを始めることですが勇気のいることなのに、誰一人知り合いもいない岐阜に行って、本当にやっていけるのか、という不安です。
何より、今までみたいに、一人さんとも頻繁に会えなくなります。
それどころか、もし失敗でもしようものなら、これから一人さんと付き合うことすらできなくなるんじゃないか。
そう思うと、腹をくくったつもりだったのに、足がガクガク震えてきて、なかなか出発の日を決められずにいました。
そんな私の気持ちを見抜いたのか、一人さんはいつまでもぐずぐずし続ける私に、こう言ってくれたのです。
「じゅんちゃん、不安は分かるけど、もし行ってみてダメだったら、帰って来ればいいだけのことなんだよ。
そんなことより、ここで一歩踏み出すことが勇気だよ」
「えっ、ダメなら帰ってきてもいいんですか!?」
「嫌だったら戻ってきていいんだよ。
いいかい、成功するまで帰れないとか、故郷に錦を飾るとか、そんな大げさなことを考える必要はないの。
だって、行ってみなきゃ始まらないんだから、まずはいくことが大事なんだよ」
一人さんのその一言で、私の不安はすっかり吹き飛んでいました。
やる前から心配したって、しょうがないんです。
もしうまくいかなかったら、その時にまたらどうしたらいいか考えたらいいだけのこと。
私はすぐに、岐阜へ旅立ちました。
困難は魂を磨くチャンス!!
岐阜に到着すると、さすが県庁所在地だけあって街は活気にあふれていました。
そんな岐阜で最初に私が向かったのは、市内を見下ろす、標高300Mほどの金華山です。
金華山には、美濃の戦国大名・斎藤道三氏の居城だった岐阜城があるのですが、ここは秀吉が最初に手柄を立てた場所。
「よし、俺も秀吉みたいに、この岐阜から天下を取るぞ!!」
岐阜城から市内を望みながら、私は誓いを新たにしました。
その甲斐あって、開店の準備は着々と進み・・・なんて、現実はドラマのように甘くありません。
いきなり、難題にぶつかりました。
実は、私が東京から持参したのは、借金を返済しながらやっとの思いで貯めた200万円だけでした。
そのお金でお店を借りたり、スクエア棚といった必要なオフィス家具などを揃えたりしなければなりません。
一人さんからは、東京出る前に「お店は10坪以下、家賃は10万円以内で物件を探すといいよ」とアドバイスをもらっていましたから、それを基準に不動産屋を回り始めました。
ところが、いくら地方だからといって、10万円以内で理想的な物件を見つけるのは至難の技。
できるだけ、市内中心地である岐阜駅の近くでお店を構えたかったのですが、だんだんと離れていきます。
もちろん、ひとりさんが簡単にお金だけを援助してくれることはありません。
それ以上に大事な愛と、お金に換えられる知恵を惜しみなく与えてくれました。
ですが、借金をしてでも、立地条件の良い物件を借りようかと思うほど、物件探しは思うようにいきませんでした。
だけど、一人さんには、絶対に借金だけはいけないよと言われていたんですよね。
「じゅんちゃん、200万円で成功させられない人間は、1000万円あっても成功できないんだよ。
少しくらい古い物件でも、不便な場所でもいいの。
最初はお金をかけないで初めて、儲けが出たら、少しずつ商売を広げていけばいいんだからね。
そうすれば、もし商売がうまくいかなかったとしても、借金は1円も残らないから、逆に安心なんだよ。
早く借金を返さなきゃなんて思わず、安心して商売ができるから、仕事も楽しくなるよ」
そんな一人さんの言葉に押され、私は岐阜駅から車で15分もかかる、ビルの一室を借りることにしました。
とはいえ、借りた部屋は古くて汚くて、人通りもない寂しい場所。
なんだか、泣きたくなってしまいました・・・・・・。
私はまた一人さんの言葉を思い出しました。
「人っていうのはね。魂が成長するために生まれてきたんだよ。
だから、成長しないと困難が出てくるの。
無理矢理にでも学ばなきゃいけない状態を作るために、神様があえて問題を出して、私たちの魂を成長させてくれるんだよね。
そういう意味では、どんな問題も、困難じゃないの。
逆に、神様が心配しないように自分からちゃんとせえ魂を成長させてる人には、問題が起きないんだよ。
常に『魂を成長させるにはどうしたらいいだろう』って考えながら生きている人に困難を出しても、すぐに解決できちゃうから意味がないの。
わかるかい?」
そうだ、まだ自分は魂が成長していないから、こんな風に困難が与えられているんだな。
これからうんと魂を向上させたらいいんだよね。
そう思い、やっと人生の再スタートを切ることができたような気がしました。
お客様が喜んでくれることを提供するのが仕事
実は岐阜に入る前、私はすでにまるかんの販売代理店を始めていた舛岡はなえさんや、みっちゃん先生というのは、元々一人さんの幼馴染で、早くからまるかんのお仕事を一緒にされているお弟子さんの一人です。
修業では、商品に関する詳しい情報を始め、その説明方法、電話対応のやり方、チラシの配り方、お客さんの対応方法、商品の陳列方法、お客さんが入りやすくなるようなお店作り・・・・・・・といった、一通りの事を教えてもらっていました。
その時衝撃的だったのが、一人さんをはじめ、みっちゃん先生もはなゑさんも、皆が口を揃えて言うんです。
「ここでやることが全部真似できたら、じゅんちゃんは岐阜へ行っても絶対大丈夫だからね」
普通なら、個性が大事にして、それぞれの良いところを出しながら勝負するものだと思いますよね。
ところが、むしろ「個性は出さなくていいから」って教えられたんです。
その証拠に、自分で考えなさいとか、そういうことは一度も言われた事がありません。
私は、その理由を一人さんに尋ねてみました。
「学校では個性を大事にしなさいと教えられたかもしれないけど、個性は趣味や服装とかに出すもので、商売に出すものじゃないの。
例えば、魚を釣る時には、ミミズやゴカイを餌にするよね?
それなのに、ミミズやゴカイは趣味じゃないからって梅干しを餌にしたって、魚は釣れないよね。
そういう風に、商売のやり方も勝手に変えちゃいけない事ってあるの。
商人は、お客さんが喜んでくれることを提供するのが仕事で、こちらの趣味や個性は関係ないんだよね。
特に、日本みたいに国土の小さい国だと、地域差もそれほどないから、はなゑちゃんえみちゃん先生がやってきて成功してることは、他のどの地域でも必ず通用するはずなの。
ファミリーレストランやファーストフードのお店を見てごらん。
地域ごとに個性があると言うと、そんなことはない。
どのお店でも大体同じようにやって、それがお客さんに喜ばれているよね」
そう言われて、なんだかとても安心しました。
一生懸命、はなゑさんやみっちゃん先生の真似をしよう。
そうすれば、私だって成功できるんだと、勇気が湧いてきました。
不便な場所でも知恵と工夫で一等地に
そんな前提がありましたので、不安は随分解消されていたのですが、さすがに岐阜市内の中心部から車で15分も離れた物件となると、「本当にこんな場所でお店をやって、お客さんは来てくれるのかな」と心配にもなります。
通信販売だけならお店の場所は関係ありませんが、まるかんは店舗での商品販売もあります。
どれだけ完璧に研修を受けてきたとしても、お客さんが来てくれなければどうしようもありません。
だけど、ここでもやっぱり、一人さんの考えは違いました。
「じゅんちゃん、場所は関係ないんだよ。
むしろ最初は、不便な場所から始めた方が有利なくらいなの。
繁華街のラーメン屋さんと、路地裏のラーメン屋さんとでは、繁華街のお店の方がお客さんは入りやすいよね。
だけど、何とかして路地裏まで来てもらおうと思って、味を良くしたり、お店の雰囲気は明るくしたり、サービスしたり企業努力をすると、どうだろう。
お客さんは喜んでくれるよね。
また来たいなと思ってくれる。
同じように、遠いところまでお運びいただいて、ありがとうございますって、お茶の一杯でも出してごらん。
普通のお店はそんなことしてくれないから、それだけでお客さんは感動してくれるんじゃないかな。
そうすれば、ちょっとぐらい遠くても、またこのお店で買いたいと思ってくれるよね。
そういう知恵を出せば、不便な場所でも、一等地に負けないくらい繁盛するから、大丈夫だよ。
それでお金が入ってきたら、その時にもう少しいい場所へ移ればいいの。
条件の悪い場所で成功したんだから、そのやり方で一等地へ移れば、うんと成功するよね。
最初から一等地で商売すると、そういう知恵を出さないから、頭打ちも早いの。
だけど、立地の悪い所からスタートした商売は、長い目で見たら結局は得なんだよ」
追伸 質問 魂の磨き方
魂を磨く簡単な方法を、教えてください。また、 魂を磨くと、どんなことが起きますか?
斎藤一人さん
普通の人は、人の悪口を止めることです。 自分の口ですね。愚痴、悪口をやめることです。
これを止めるだけで、人生は、どんどん、良くなってくるんです。 起きる現象が、違います。
行ってみると良いですよ。 魂を磨けば、良いことがいっぱい起きます。 つい悪口を言ったり、会社の悪口を言ったり、 人生あなたに起きてることが、そういうことなんです。
それをやめれば、起きることが違います。木霊だって、 「あ」というのと、「う」というのは、 返ってくる言葉が違います。
斎藤一人さんの話を纏めました。
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