コンクラーベ

斉藤一人さんです

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斉藤一人さん 金メッキが金無垢に変わるよ

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生きてる間、その金メッキをちょっとずつ、ちょっとずつ厚くしてくと楽しくて、そういう生き方が素敵なんだ。

 

 

そのままでいいんだよ

あの光の少年はその後、見目麗しい青年に成長し、いっぱしの実業家となって自分が育ったあの街にオフィスを構えました。

少年の頃に思い描いた通り、いいえ、それ以上に何十億と稼ぐ商人になっていましたが、彼には「知恵と人間の魅力で勝負する」というポリシーがあります。

だから、あえて住宅が立ち並ぶ中にある小さなオフィスを借り、お客さんが幸せになる商品に愛の波動のっけて全国に発送しています。

また、彼は昔と変わらず、いつも笑顔で明るく、みんなを楽しい気持ちにさせていて、町の人からも、会社の従業員さんからも、

「一人さーん」

と気軽に声をかけられ、慕われています。

一方のみっちゃんは、この時高校生。

光のことはすっかり忘れてしまったけれど、昔と変わらず一人さんが大好きです。

けれど、あることがきっかけで、近頃ますます一人さんの大大大ファンになってしまいました。

そのきっかけとは、1ヶ月前に起きた、ちょっとした騒動でした。


騒動が起きる少し前から、みっちゃんは学校がとてもつまんなくなってしまったのです。

友達と喧嘩したわけでもないし、意地悪されたわけではないし、他にやりたいことがあったわけでもありません。

自分でも、なんで学校がつまんなくなったのか、理由が全然はっきりしなくて、ただなんとなく、つまんなくなっちゃったのです。

そして、1ヶ月前の朝、みっちゃんはついポロリと「学校、やめたいな」と言ってしまったのでした。

さぁ、大変!!

驚いたのは、みっちゃんのお母さん、お父さんです。

二人とも口には出さないけれど、みっちゃんのことを親の言いつけに従ういい子だと思っていましたから。

「何で辞めたいんだ」

「どうしたの、学校で何かあったの?」

お父さん、お母さんは、みっちゃんを質問攻めにしました。

でも、みっちゃんは「全然何もないよ」「ただ、なんとなく」しか言えません。

だって、本当に実際そうなのだから。

とはいえ、そんな返事に、お母さんもお父さんも納得するわけがありません。

「本当は何かあったんでしょ」「学校辞めてどうするんだ」と、しつこく聞いてきます。

二人の相手をするのが面倒くさくなって、ついにみっちゃんは、その場からダッシュで表へ逃げ出してしまいました。

普段はのんびり屋のみっちゃんも、逃げると心に決めたとたん、面白いぐらい、すごい速さで駆けていくから不思議です。

あとおお父さんの足が止まっても、みっちゃんのスピードはまったく衰えません。

追っ手の音がしないのに気づいたみっちゃん。

振り返って逃げおおせたのを確認すると、予約スピードを落としました。

ふぅ、やっと自由になれた。

けどなぁ、これからどうしよう。

何もすることがない。

退屈でいいやんなっちゃうな。

みっちゃんは俯き加減であたりをうろうろ歩いていました。

すると、

「みっちゃん!!」

その声にみっちゃんの心はパッと明るくなり、と同時に顔を上げ、声のした方を見やりました。


そこには、白くてピカピカの洒落た車。

そして、ボンネットに浅く腰掛け、「よっと!」と手をあげた青年がいます。


「あ、一人さん!!」


急いで駆け寄ってきたみっちゃんに、一人さんはニコッと笑って言いました。


「がんばってるな、みっちゃん」

思いがけず、一人さんに「がんばってる」と言われて面食らったみっちゃん。

「あの、その、実はその、全然がんばってなくて、えっと・・・・・」

「知ってるよ」

一人さんの声は優しく、その黒い瞳は透き通るように綺麗です。

みっちゃんは下を向いて、一人さんに言いました。

「うちのお姉ちゃんも友達も、みんな、毎日、勉強とか、部活とか、がんばってる。

でも私だけ、何にもがんばれない。

本当にダメなんだ、私」

「いや、違う」

みっちゃんは驚いて、ひとりさんを見上げました。


ダメな人間なんて、この世に一人もいない。

人間は、神の愛と光でできてる。

誰でも自分の中に無限の力を持った神がいるんだよ。

そして、今、君の心は自分がどこに向かえばいいか、一生懸命探してる。

がんばってんだよ。


幼い頃に見たあの光の情景が、ほんの一瞬、みっちゃんの脳裏をよぎり、すぐにまた消えてしまいました。


「私は私のままでいいのかな・・・・・・」

みっちゃんの声は小さく低く、実に自信がなさそうです。

「みっちゃんは、みっちゃんはみっちゃんのままでいい」

そして、一人さんは笑顔で「心配するな」と言うと、みっちゃんの背中をポンポン叩きました。

するとどうでしょう。

さっきまで曇っていたみっちゃんの顔は、明るい笑顔に変わってしまいました。

「そうだ、その顔だ」


何があっても大丈夫


一人さんはボンネットからヒュッと降りると、まだ言いました。

「やっぱり、みっちゃんは笑顔が最高だよ。
そうやって笑って生きてなよ。

そしたら、何にも困ったことは起きないよ」

「うん!! 一人さん、ありがとう。なんだか、元気が出てきた」

「どういたしまして」

一人さんはにっこり微笑み、軽くお辞儀をしました。

そして次の瞬間、「じゃあ、またな」。

くるりと背を向け、車のドアの方へ歩き出す一人さん。

「もう、行っちゃうの」

みっちゃんが声をかけると、ひとりさんを振り返ってこう言いました。

何があっても大丈夫だよ。

どこまでも、俺は君を信じてる。


そんなことを一人さんが言ったの、この先にいっちゃんの行く手には、あることをガツンと教え込まられる試練が待ち構えているのを、なぜか、一人さんは知っていたからです。

でも、当の本人のみっちゃんは、そんな試練に会うことはもちろん知る由もなく、一人さんの真心に思いをはせるなんてことはありません。

みっちゃんはただ、生まれて初めて人に「信じてる」と言ってもらえたことが言葉にできないぐらい嬉しくて、一人さんの車が見えなくなるまで、ずっと手を振り続けたのでした。

神様との約束不履行はだめ

そんなことがあってからこっち、みっちゃんは一人さんの大ファン。

学校の帰りにわずか5坪の家小さな喫茶店に立ち寄り、一人さんの姿を探すのが日課になっています。

その小さくて狭い喫茶店は、一人さんがご贔屓にしている店なのです。

そこに一人さんがいる時は、彼の話を心待ちにしている大人たちが近くの席に陣取ってしまっているので、大抵、みっちゃんは端っこの席です。

でも、みっちゃんはずっとニコニコ。

端っこで十分満足です。

なぜかと言うと、みっちゃんの目的は一人さんと会うことだけだったからです。

そんなある日のこと。

その日は土曜日で学校は午前中だけだったので、みっちゃんは昼間から一人さんご贔屓の例の喫茶店で過ごしていました。

一人さんはコーヒーを飲みながらお客さん達と楽しげに、政治や経済、哲学的な話などをしています。

でも、高校生のみっちゃんにはあまり興味がない話で、耳に全然入ってきません。

みっちゃんはいつもそう。

いつだってニコニコうっとり、一人さんを見ているだけなのです。


この日も、真っ白のシャツを着た一人さんが、それをたくし上げて白く綺麗な手首をちらっと覗かせたのを見て、みっちゃんは「あぁ、素敵」と、うっとり。

コーヒーカップを口元に運ぶひとりさんの手がはたと止まり、「今の経済はこういうことなんだよ、いいかい」、そう言って熱く語っているのを見ても、またうっとり。

ジョークで人を笑わせながら、一人さんがちょっとクールにふっと笑っても、またまたうっとり。
そんな、みっちゃんの耳に、突然、一人さんの言葉が飛び込んできたのです。


人はあの世にいるとき、自分は素敵になります、魅力的な人間になって帰ってきますって、神様と約束をしてこっちに生まれてくるんだ。

約束不履行はだめだよ。


えっ・・・・・。

私、全然、素敵じゃないや。

どうしよう。

約束を守れないと、どうなるんだろう。

みっちゃんは不安でいっぱい。

そのことが頭の中をぐるぐる、ぐるぐる、駆け巡っています。

「おーい、みっちゃん」

誰かの呼ぶ声で、「はっ」としたみっちゃん。

「もうお開きだよ、みっちゃん。みんな、帰るよ」

お客さんがそう教えてくれました。

みっちゃんが時計を見ると、まだ3時前。

いつもなら夕方まで、一人さんの話は続くはずなのに。

「一人さん、用事を思い出したんだってさ」

「そうなんだ。

じゃあ、私も帰らなきゃ。

皆さん、さようなら」

みっちゃんはそう言うと、学生鞄を持って席を立ちました。

一人さんは座ったまま、テーブルの上で頬杖をつき、優しい目でみっちゃんを見守っています。

あっ、一人さんと目が合っちゃった。

みっちゃんの胸の鼓動がドキンとなりました。

素敵なプレゼント

やおら一人さんは立ち上がると、みっちゃんのそばに来て学生鞄をさっととって、「待たせて悪かったな」と言いました。

一人さんがなぜそんなことを言うのか、みっちゃんにはさっぱり分かりません。

その場でポカンとしたまま、突っ立ったままです。

一人さんは先にスタスタ歩き、表に出る一歩手前で振り返っていました。

「おいで、みっちゃん。ドライブだ」


さっきまでの、みっちゃんの不安は一瞬のうちにどっかへ飛んでった。

「うん!」

ぴょんぴょんと飛び跳ね、一人さんの後について行きました。


店の裏にある駐車場にたどり着くと、そこには白くてピカピカの洒落た車が1台停まっています。

一人さんは洒落た車のドアを開けて「どうぞ」と、さりげなくエスコートしました。

みっちゃん、それはそれはもう夢見心地です。

みっちゃんが腰を落ち着けたのを確認してから一人さんはドアを閉め、それから、運転席に座るとシートベルトをつけてエンジンキーを回しました。


エンジン音を轟かせながら車が駐車場を出ると、みっちゃんのワクワク感は最高潮に達しました。

一人さんに行き先を告げられていなかったので、自分はまるで探検家にでもなったかのよう。

そんな気分を人にプレゼントするのが、一人さんは昔から大好きなのでした。

 

二人を乗せた車は住宅街を抜けて大通りをスイスイ進み、高速道路をひた走りました。

そして、とある料金所に着いたときのことです。

一人さんはウインドウおろし、係りの人に「ご苦労様。いつも、ありがとうねと言って料金を渡します.

係員さんは一人さんの顔を見ると、嬉しそうな声で「やあ、どうもどうも。ありがとうございます」と言い、そして、領収書をで渡してこう言いました。

「今日は可愛らしい妹さんと一緒にお出かけですか。お気をつけて」


この様子をそばで見ていたみっちゃんは思いました。

一人さん、あちこちの料金所に知り合いがいるんだなって。

というのは、みっちゃんはそれまで何度かひとりさんにドライブに連れて行ってもらっているのですが、ひとりさんはいつも決まって料金所で「ご苦労様」「いつも、ありがとうね」というし、係員さん達も一人さんと会えたのがすごく嬉しそうだからです。

でも、お互い知り合いというのは、みっちゃんの早合点だったみたい。


料金所を通過すると、一人さんはちょっと不思議そうな顔をして言いました。

「あの係員の人、何で俺のこと知ってたんだろう」

「一人さんの知り合いじゃなかったの?」

「じゃあ、どうして一人さんは、知り合いでもない人に挨拶するの?」

一人さんは笑って、「どうしてって、言われてもな。

俺の癖みたいなもんなんだからな。何て言ったらいいのか」。

「でも、そのくせ、素敵だね。

一人さんぐらいじゃないかな、挨拶するの。

よくわかんないけど」
どう説明したら、みっちゃんにわかってもらえるだろうか?

一人さんが言葉を選んでいるうちに、車は一般道に入りました。

「みっちゃんさ。

料金所の係の人って期間にじゃないんだから、同じ人間として挨拶するのが当たり前で、黙ってお金だけ渡す方がおかしいと思わないかい?

その人たちに『ご苦労様』とか、『ありがとね』とか言うの、俺からしたら当たり前。

それで、何か意図があってやるんじゃないんだよ。

けどさ・・・・・・」

ひとりさんは白い歯をこぼして、こう言いました。

そんなことをやり続けてると、さっきみたいな素敵なことが起きる。

素敵なこと?

そんなの、あったっけ。

みっちゃんは料金所でのやり取りを一生懸命思い起こしてみたけれど、ピンとくるものが浮かびません。

みっちゃんは不思議そうな面持ちで、ハンドルを握る一人さんの横顔を眺めます。

一人さんはちらっとみっちゃんを見て、そして、言いました。

「さっきの何が素敵かって言うとな。

高速道路の料金所って、1日何千台、何万台と車が通過するだろ。

で、俺は本当にたまにしか、あそこの料金所を通らない。

車を合わすのは数十秒だよ。

なのに、あそこの係りの人は俺のこと覚えてくれてて、

『お気をつけて』って言葉をかけてくれてさ。

それ、俺にとっちゃ素敵なプレゼントなんだよね」

「それが素敵なプレゼント歌・・・・・・。

ほんとだね、とっても素敵なプレゼント」

みっちゃんはしみじみそう言うと、突然、

「そうだ、分かった」

そして、ちょっと興奮気味にこう言ったのです。

「それ、きっと、あの係員さん、前にひとりさんからありがとうって言われたのが嬉しかったんだよ。

絶対そう。私には分かる」

 

普段、滅多に自分の意見を言わないみっちゃんが、私にはわかると力強く言い切ったのには理由があります。

みっちゃんは、捨て猫を見かけると放っておけないような優しい女の子。

ですが、猫をかまっていて、お母さんに頼まれてたお使いは忘れてしまったりとか、いつもドジしてばかりなのです。

それから、みっちゃんは、自分が感じたことをやっていることお友達や先生に伝えるのも苦手だし、もちろん、学校の勉強も大の苦手です。

対して、みっちゃんのお姉ちゃんは近所で評判のしっかり者で、ハキハキ理路整然と自分の意見を言えるし、学校の成績も常にトップクラスの優等生。

みっちゃんは、物心つく頃から常にお姉ちゃんと比べられていて、お父さんやお母さんからも、褒められたことが一度もありません。

ただ、なぜか一人さんだけは、幼い頃からドジっ娘みっちゃんに対して「いい子だね」と褒めたり、「ありがとね」と言ったりするのです。

全然大したことしてないのに。

それが小さなみっちゃんにはとても嬉しく、今になっても忘れられないのでした。

「だから、あの料金所の係員さんも、一人さんのこと、覚えてて」

一人さんはなるほどという顔をして、頷いています。

「確かにみっちゃんの言う通りだね 。

ほとんどの人は料金所を通過するとき、真顔で無言でお金払ってるもんな」

「そうだよ、あの係員さんの素敵なプレゼントは、ひとりさんの素敵なクセへのお返しで」

 

だから、素敵なことしたら、素敵な人生なんだよな


「あのさ、みっちゃん」

「はい」

「君は自分のこと素敵じゃないと思ってるけど、違うよ。

まだまだ素敵になれるんだよ。

素敵になるって、みんな難しいことのように思うけど、本当に難しくないんだよ。

なんでかって言うとな・・・・・・・」

一人さんが何か言いかけた、その時です。

前方の信号機のない交差点に、スーツを着たサラリーマンの一団がいるのに気づいた一人さん。

ブレーキを踏み、手のひらを上に「お先にどうぞ」という仕草をして交差点を終わらせました。

サラリーマンの一段は全員脇目も振らず前進、前進。

そうやって渡りきると、一人さんがポツリと言いました。

「惜しいな」


「惜しいって、何が?」

みっちゃんの質問に一人さんは答えて言いました。

「さっきのサラリーマンの人たちさ」

そして、今度は一人さんからみっちゃんに質問。

「今みたいに車が道を譲ってくれた時、君ならどうする?」

「さっきの人たちみたいにしてるよ」

すると、一人さんはニコニコ笑って言いました。

「それが普通だよ」

よかった、普通で。

みっちゃんは一安心です。


ところがまた、一人さんが訪ねます。

「普通なことをしている人を見て、あの人は素敵だなって、君は思うかい?」

「えっと・・・・・・」

みっちゃんは考えに考えて、そして、答えました。

「いや。ただ普通の人と思う」

「そうだろ。

普通のことしてたら、普通の人だってみんな思うんだよ」

「うん。はい」

続けて、一人さんはこう言いました。


人から素敵と思われるには、素敵な行いというのがいる。

「素敵な行いをするから素敵な人、か」

一人さんは頷くと、こう言いました。

「だけど、素敵な行いって、本当にちょっとしたこと」

「ちょっとした事って?」

「例えば、さっきみたいに車が「お先にどうぞ」と行ってくれたら、ちょっと会釈して渡るとか。

車同士で道を譲り会う時だって、ありがとうの代わりにクラクションを鳴らしたり、ちょっと片手をあげたりしたら、素敵だと思わないか」

「うん、そうだね」

みっちゃんはそう言うと、「あ」と声を出しました。
何か思い出したことでもあったのでしょうか。

「一人さん、さっき交差点でサラリーマンさん達に、手でどうぞって行ったでしょ」

「よく見てるな、みっちゃん。

そんなことしたか、俺。

無意識のうちにやってんだな、覚えてないよ」

「あの時の一人さんの仕草、素敵だった」

「そうかい、ありがとな」

みっちゃんは話を続けます。

「それでね、私がこの前、道を渡ろうとしてたら車が止まってくれたんだけど、運転してた人の手が、犬やなんかをしっしって追い払うみたいな感じで。

私、あんまりいい気持ちしなかったんだよね」

おや、みっちゃんの優しい顔が酸っぱい顔に変わっちゃった。

一人さんはと言うと、みっちゃんのすっぱい思いもかき消してしまうほど、朗らかです。

「そのしっしってていう手、惜しいね。

向きを変えてどうぞって」

「それをやれば素敵なのにね」

一人さんは頷くと、こう言いました。

「道を譲ってもらって、会釈しないでそのまま渡るのだっておしいよ。

だって、会釈ってさ、誰だってできるじゃん。

だけど、意外とやる人が少ないから、それをやればすぐ素敵な人になっちゃう。

だから、素敵か、素敵じゃないかって、本当にちっちゃいこと。

ちっちゃい素敵を一個一個積んでいけば、どんどん、さらに素敵になるんだ」

素敵になるチャンスは山ほどあったのに、自分がそのチャンスを逃してきたことに気づいたみっちゃん。

何て、もったいない。

今度から絶対に逃さないにしよう。

そんなことを考えていると・・・・・・。

「みっちゃん」

一人さんの声がみっちゃんの心にそっと、優しく入ってきました。

普段口元をちょっと上げて、微笑んでるような顔にしてごらん。

そしたら、もっと素敵だよ。

そうやって、普段は微笑んでて、人と会ったら歯を見せてニコッと笑う。

そうしたら、みんなは、みっちゃんのこと、なんて素敵な人なんだろう、って。

またみっちゃんに会いたい、と思ってくれるよ。

 

 

「また会いたい、ですか・・・・・・」

みっちゃんは人からそんなことを言われたことが一度もないので、全然ピンと来ません。

一人さんの言葉をオウム返しににするのがやっとです。

すると、一人さんが言いました。

「みっちゃんや例の喫茶店のお客さん、街の人たちも、『また一人さんに会いたい』って言ってくれるだろ。

俺としては、それが最高に嬉しいんだよな。

またあなたに会いたい。

人にそう言ってもらえるの、本当に幸せだよ」

「ふーん、幸せってそういうことなんだ」

すると、一人さんがそう言いました。

素敵な人生とは、愛される人生。

「また会いたい」と言われるのは、愛されてるからだよ。


信号が赤に変わりました。

一人さんはブレーキを踏むと、優しい目でみっちゃんを見つめています。
「今の話は、別にわかんなくてもいいの。

理屈を覚えるより、いつも口元をあげて笑ってる顔してることの方が大事だよ」

みっちゃんは頷くと、「一人さん、あのさ・・・・」

言いかけて、途中で口をつぐんでしまったみっちゃん。


「大丈夫だよ、言ってごらん」

一人さんに促され、みっちゃんはまた「あのね、私」と少し口を開きかけたのですが、その後はまた黙ってしまいました。

一人さんに何をどう話せばいいのか、みっちゃんは困ってしまったのです。

「慌てなくていい。

家に戻るまで、俺の時間は全部みっちゃんのもんだ」

信号が青に変わり、ピカピカの洒落た車が走り出しました。


「何て言ったらいいのか・・・・・・。

私、何をやっても要領が悪いし、いろんなことできないし。
本当にいろんなことに自信がなくて。

こんな私でも本当に素敵になれるのかな。

また会いたいと言われるような人になれますか?」

一人さんはニコニコ、落ち着き払った声で答えます。

「自信がないって、みっちゃんは自分の素材のことを気にしてるけど、人間の素材なんて、どうでもいいんだよ」

すると、みっちゃんが口を尖らせて、「そんな、どうでもいいだなんて言わないでよ・・・・・・」

一人さんは「しまったー」という顔をしたかと思ったら、すぐさま、

「ごめん。俺の言い方がまずかったね」と、みっちゃんの心に爽やかな風を送りました。

そしてまた、一人さんはこう言ったのです。

 


「自分はもっと素敵になる」と思ったと同時に、素敵な人生が始まる


「思ったと同時に素敵な人生・・・・・・」

「自分が素敵になろうという気持ちがなきゃ、どんな人も素敵になれないよ。

どんなに良い素材を持ってても、素敵になれない。

だから、自分の素材が、鉄だろうが、銅だろうが、鉛だろうが、そんなの気にすることなんかないの」

「どうでもいいって、そういうことだったんだ」

一人さんは頷くと、こう言いました。

「そんでな、みっちゃん。

いつも笑顔で、会う人会う人に愛のある言葉を話す。

最初は見せかけでいいんだよ」

「そんな、見せかけはよくないよ。
偽物だもの」

「最初はそれでちっとも構わない。

見せかけでも笑顔と愛のある言葉をやり続けてると、

ちょっとずつ自分に金メッキができるんだよ。

生きてる間、その金メッキをちょっとずつ、ちょっとずつ厚くしてくと楽しくて、そういう生き方が素敵なんだ。

そんな風に素敵な人生を生きて、いつか魂が肉体から離れて神様の元へ戻った時、神様はその人お金100%の金無垢として認めてくれる。

だから、とりあえず、いつも笑顔でいてごらん。

そしたら、みっちゃんも金無垢になれるよ」

 

一人さんの思いはみっちゃんの心に伝わりました。

みっちゃんは、理屈はさておき、一人さんを信じて、いつも口元を上げて笑顔でいようと思ったのです。

 

素敵なドライブからこっち、みっちゃんは普段の生活の中で、自分の家族や友達、近所の人にも、いつも笑顔見せていいよとがんばろうとしました。

ところが、みっちゃんが笑顔を作ろうとすると必ずそれを邪魔する、とんでもない奴らがいたのです。


そいつらは、例えば、星占いでみっちゃんの今日の運勢が十二星座中どんじりだとすると、今日は最高にツイてないことが起きるに違いないと言って、みっちゃんをビクつかせます。

またある時奴らは、学校のテストで赤点とったみっちゃんに、お姉ちゃんは今回もまた学年で成績トップだったのにと嫌味を言ったり、挙句の果てに、みっちゃんは何もできないし、やったとしてもドジばかりで、ひとつもいいところがないとか。

そうやって、みっちゃんのなけなしの自己重要感を一滴たりとも残さず搾り取って、顔を曇らせます。

金メッキを厚くするどころか、奴らに「邪魔しないでください下さい」とお願いすることすら、みっちゃんはできません。

それはみっちゃんが気の弱い女の子だから。

そう思った方がいるかもしれませんが、本当の一番の理由はそうじゃないのです。

やつらの姿形はなく、奴らの声はみっちゃんの頭の中ですか、それも、ほんの一瞬しか聞こえません。

よほど注意しないと、声が聞こえたと本人が自覚することすらないのです。


奴らは一体何者かと言うと、そう、自分の心にある恐れです。


心の中で恐れの勢いが強いと、人は自分の目の前にある物事や出来事を否定的に捉えてしまって、怒ったり、不必要なまでの不安や心配を感じたり、取り越し苦労をしたりあるいはまた自分の人生を嘆き悲しんだりします。

みっちゃんの頭の中で聞こえた声は、みっちゃんの心の中にある恐れが生み出した否定的な考えだったのです。

その中でも、最も手強い相手は、「自分はダメなんだ」「何もできない弱い人間なんだ」という考えなのでした。

 

追伸 未来はだんだんよくなるよ

 

老後の自分が心配、地震が来るのが恐ろしい、将来が見通せない・・・・・・。

そんな風に、まだ来ていない未来に不安を抱いて生きるのは、間違いです。

今現在、あなたに嫌なことが続いているように感じても、歴史も人生も、だんだん良くなってきているんです。


未来はだんだんよくなるよ


こう言うと、

「いや、昔はのどかでよかった」

「今の時代はだめだ」とか、

「江戸時代の殿様は、気楽で優雅に暮らしていたじゃないか」と文句をいう人がいる。

でも、その時代にクーラーを使うことはできなかったよね。

シャワーだってない、テレビや携帯電話もない、手軽に食べられるスナック菓子だってなかった。

そんな生活をいい生活だと思うかい?

今やみんな、お殿様より、いい生活をしてるんです。

例えば、地震があっても、江戸時代ならばレスキュー隊が助けに来てはくれないでしょう?

テレビ局がSOSを見つけてくれることもない。

情報や技術が発展して、今は昔よりはるかに助かる確率も高くなっているんです。

一見すると、悪い時代に思える時でも、実は人の歴史は右肩上がりなんだ。

起きてもいない未来をむやみに恐れたり、不安がらないことが大切なんです。

そんな時でも神様が世界のバランスを整えて、今以上の世の中にしてくれているのです。

「老後は今以上にお金が入らなくなる、どうしよう」と思い込んでしまったら、想像した通りの未来が現実になってしまうよ。

「これからいっぱい稼いで、老後はお金に困らないだけの生活ができる」と思えば、その通りに未来は開けていくんです。


どんどん良くなると信じて、明るく行動すること。


未来はだんだん良くなるよ


を口癖にしていれば、必ずその通りになるからね。

 

 

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斎藤一人さんの話を纏めました。

 

皆様、いつもご精読ありがとうございます。

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