その人の脳の中に、
『病気であることは大変なことだけど、時に都合のいい場合もある!』
という思いが、知らず知らずのうちに出来ちゃうんだよ。
そうすると、その思いがちゃんと体に伝わって、病気がなかなか治りづらくなることがあるの。
病気を理由にして、行きたくない用事を妻に押し付けていた私
一人さんに、色々なことを教えていただくようになってからというもの、一人さんとお会いする時間が、私の大きな楽しみになりました。
体調が悪くても、一人さんにお会いすると、私の具合の悪さはどこかへ行ってしまうような気がするのです。
一人さんに会いに行く時の私の足取りは、「うつの患者」患者とは思えないほど軽がるとしたもので、スキップでも踏みたい気持ちでした。
ところが、これが「町内の集まり」だったり、「親戚の集まり」になると、私の足取りは途端に重くなります。
私の住んでいるところは小さな町で、「今、『うつ』で療養中なんです・・・・・・」と言うだけで、街中の人達の噂を立てられるような気がしていたのです。
それは私の被害妄想なのですが、そういう集いにはどうしても気が進まず、「今俺は病気だから・・・・・・」ということを理由に、妻に全部押し付けていました。
すると、ある日、一人さんから、こんなことを言われたのです。
「しばちゃんは、病気を都合よく使っていないかい?
病気を都合よく使っていると、なかなか治らないよ」
「・・・・・・」
病気を都合よく使うって、一体、どういうことでしょう。
こんなに早く治りたいと思って、日々、一人さんの教えを実践しているのに・・・・・・。
なぜ、一人さんはそんなこと言うんだろう?
私は無言で、考え続けました。
すると、一人さんがこんな話を切り出しました。
「しばちゃんね、俺が言っている『病気を都合よく使う』とは、こういうことなんだよ。
人間というのは、病気で多少、体調が悪い時でも、自分の行きたい所に行ったり、
やりたいことをやったりするのは、すんなりとできるものなんだよね。
でもね。
その人が『行きたくないな・・・・・・』と思う場所ってあるよね。
例えば、『町内会の集まり』だったり・・・・・・。
『親戚の集まり』だったり・・・・・・。
『子供の学校のPTAの集まり』だったり・・・・・・。
『就職の面接』だったり・・・・・・。
『体育の授業』だったり・・・・・・。
『会社』だったり・・・・・・。
そういう場所に行くのが嫌で、「私は病気だから、出席できないんです・・・・・・」
という理由で断るとするよね。
そうすると、その人の脳の中に、
『病気であることは大変なことだけど、時に都合のいい場合もある!』
という思いが、知らず知らずのうちに出来ちゃうんだよ。
そうすると、その思いがちゃんと体に伝わって、病気がなかなか治りづらくなることがあるの。
自分自身の思いが、病気が治ることを止めていることがあるんだよ」
「病気でいると、かまってもらえる」
その思いが、身体にちゃんと伝わっている!
一人さんは話を続けました。
「あと、こういう場合もあるよね。
『私は人付き合いが、苦手だなあ・・・・・・』って言う人っているだろう。
『実は私、病気になったの』と人に話すと、『そうなの、大丈夫!?』とか、
『それは、大変ね・・・・・・』とか、いろんな人がかまってくれたり、優しくしてくれたりするんだよね。
そうすると、その人の心の中に、
『病気でいると、たくさんの人がかまってくれたり、優しくしてくれる!』という思いができちゃうの。
その思いがちゃんと体に伝わって、病気が治りにくくなっていることもあるんだよ。
しばちゃんも、そういうところはないかい?
『行きたくないところ』から、病気を理由にして逃げていないかい?
自分が病気であることを公言していると、人に構ってもらえたり、優しくしてもらえると思っていないかい?
そういうふうに病気を都合よく利用していると、病気ってなかなか治らないこともあるんだよ」
「・・・・・・」
一人さんは、何もかもお見通しだったのです。
私が病気を理由にして、私が病気を理由にして妻に嫌な用事を押し付けていることを・・・・・・。
私は、ゆっくりと口を開きました。
「一人さん! 私、嫌な用事から逃げていました。
病気を言い訳にして、妻に全部押し付けてきました。
病気を都合よく使ってきたんですね。
だから、私の『うつ』は、なかなか治らなかったんです・・・・・・。
そのことに、今日、やっと気がつきました」
すると、一人さんはいたずらっぽく笑いながら、こう言いました。
「そうだね。しばちゃん、よく気が付いたね。
そのことに、自分で気が付いて欲しかったんだよ。
今日から、何があっても、病気を言い訳にしたらダメだよ。
『病気だから、働けない・・・・・・』
『病気だから、外に出られない・・・・・・』
『病気だから、人に会えない・・・・・・』
『病気だから、八つ当たりしてもしょうがない・・・・・・』
『病気だから、お肉はなかなか食べられない・・・・・・』
『病気だから、泣いてもしょうがない・・・・・・』
・・・・・・そんなふうに言っているうちは、病気を都合よく使っていることだからな。
病気を言い訳にしなくなった時、しばちゃんの病気が劇的に良くなるよ。
このことを覚えておいてくれるよな」
その日から、私は自分が病気であることを言い訳にすることは一切やめました。
多少、具合が悪くても、それを理由にして逃げることは、絶対にしないと決めたのです。
「ありのままで人に接して、日々、一生懸命、魂を磨いていく方法!」
心に強く決意しました。
その気持ちに応えるように、私の体調がぐんぐん良くなっていきました。
この一人さんの教えは、今病気の人にとって、ちょっと耳の痛い話でしょう。
でも、本当によくなりたいのなら、もう一度、自分の心の中を見直してほしいのです。
「自分の病気を都合よく使っていたな。
もう今日から、そういう思いは一切手放そう!
何が何でも元気になってやろう!」
そう思った瞬間から、あなたの病状は飛躍的に回復に向かうと私は信じています。
そのことに、どうか気づいてくださいね。
「自分を許します」と何度も自分に言うこと
鬱の人は、とにかく時間さえあれば、自分のことを責めたり、過去のことを思い出して後悔しています。
「俺って、なんでこんなにダメな人間になってしまったんだろう・・・・・・」
「あの時、こうしていればよかった・・・・・・」
多分私と同じようにつまずいたり、失敗しても、
「ま、いいか」
と笑って流せる人もたくさんいるでしょう。
でも、鬱の人は、そのように開き直るということができません。
心がガチガチに固まってしまって、緩めることができない。
緩めたくても、その方法がわからないのです。
そんな苦しい気持ちの最中、一人さんから、こんなことを言われました。
「しばちゃんは、自分の事が許せないだろ」
「・・・・・・」
私は黙りこみました。
だって、一人さんの言うとおり、自分のことが何より嫌いで、許せなかったのです。
一人さんはこう言いました。
「しばちゃん、自分を許しますって飯言いな。
この言葉が、しばちゃんの病気を良くして、幸せの方向に導いてくれるよ」
「自分を許します」
あなたは、この言葉が、何の抵抗もなく言えますか?
私は、どうしても言えませんでした。
だって、心の中は、自分の事が許せない気持ちでいっぱいなのです。
鬱になって、働けなくなって、妻にも子供にも、職場の人にも、迷惑ばかりかけています。
夫が1円も稼いでいない状態なのに、妻は一生懸命一人で働いて、仕事から疲れて帰ってきても、毎日温かい食事を作って、私の部屋に運んでくれる。
そんな妻に申し訳ない気持ちでいっぱいなのに、素直に「ありがとう、感謝してるよ」とも言えない。
むっつり黙っって、もそもそ食事して、「俺は病気で大変なんだ」っていう顔をして。
それでいて、毎晩布団の中で、泣いている自分。
そんな自分を、許せるのでしょうか?
そんな事を考えながら、私がずっと黙りこくっていると、一人さんはこんな話をしてくれました。
「しばちゃんはずっと、自分の事が許せなかったんだよね。
だから、ずっと心が苦しかっただろ。
でもね、自分が許せないと思っていると、体の中の交感神経が刺激されて、心も体もこるんだよ。
そのうち、心がガチガチに固まっちゃって、どうにもこうにも、緩まなくなっちゃうの。
許すという言葉の語源は、ゆるますなんだよ。
だから許しますっていう言葉は、心のコリを解消してくれる言葉なの。
今のしばちゃんにとっては、一番難しい言葉かもしれないね。
でも、この言葉を何度も言って、自分を許してあげようよ。
ダメな自分も、今は働けない自分も、すぐに布団に引きこもっちゃう自分も、全部許そうね。
そしたら、心も体もゆるんで、楽になるよ。
どうしても自分を許しますって言えない時は、こういいな。
自分を許せない自分を、許します。
今の自分をそのまま受け止めて、許してあげるんだよ。
いいかい、しばちゃん、分かったね」
一人さんの話を聞いていて、「なるほど」と思いました。
「自分を許せない自分を、許します」なら、なんとか言えそうです。
私は、まず、「自分を許せない自分を、許します」という言葉を、1日、何度も自分に向かって言いました。
すると、どうでしょう。
驚いたのは、何年もガチガチだった肩や腰の凝りが、ぐんと楽になったことです。
寝返りを打つのも大変なほど、私の体は凝りに凝っていたのですが、それが日に日に楽になって、体が軽くなっていきました。
そして不思議なことに、妻がしてくれることに対して、「ありがとう」「いつも、すまないね」という感謝の言葉がすんなりと言えるようになったのです。
長年、自分の心の中にあった重石が、「許します」という言葉で取れたような気がしました。
私がお礼を言うようになったことで、妻にも笑顔が増えました。
「パパ、最近優しくなったのね」と言ってもらえると、こちらも嬉しいもので、ますますお礼が言いたくなります。
そのうちに私は「自分を許します」という言葉が、抵抗なく、何度でも言えるようになっていました。
鬱の人にとって、「自分を許します」は、一番難しい言葉かもしれません。
その気持ちは、私が誰よりもわかっているつもりです。
でも、あなたを幸せに導いてくれるために、これほど効果的で即効性のある言葉は他にないと思います。
「自分を許します」
どうぞ、1日に何度も、自分に言ってあげてくださいね。
追伸 自分を許します
斉藤一人さんのお話を纏めました。
皆様、いつもご精読ありがとう御座います。
www.youtube.com https://youtu.be/XB6NgOdb_jI
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