商人はお金を儲けなきゃいけないの。
そうやって儲けたお金を社会で回して、税金を払うことも仕事なんです。
- 資本主義ではお金を回すのが仕事なんです
- 仕事にあった「正義の道」を淡々とやるんです
- やっていることが馬鹿だって分かったら止めなきゃ駄目なんです
- 自分から率先してやればなんだって楽しいんだよ
- 自分の得意な土俵で勝負すれば成功しやすい
- 追伸 「戦車を作っていた人が鍋や釜をつくる」と消費も変わるんだよ
資本主義ではお金を回すのが仕事なんです
昔の貴族は、「貴族」という立場そのものが仕事だったんです。
その家に生まれると、だいだい伯爵だとか子爵になって、それ自体が職業になってたんです。
彼らはものすごく広大な土地を持っていて、その土地を貸すことで莫大なお金が入ってくるから、それだけで贅沢三昧な暮らしができたんです。
そういう人は、元々の生活が稼ぐよりも使うことが前提になっているから、安いはワインなんか飲んでたんじゃ、持っているお金を消費しきれないんだよね。
そういうのが、イギリスでもどこでもいたんです。
同じように、日本にも、お公家さんと呼ばれる人たちがいた時代があるんです。
それは、公家という地位が仕事みたいなもので、働かなくてもお金に困らなかったんです。
だって、十二単なんて、一人で着物1枚しか着ないんじゃお金を使いきれないから、12枚も着たんです。
そういうふうにね、お金を徹底的に使う人がいないと、逆にお金って言うの中に回らなくなっちゃう側面があるんです。
一方、商人っていうのも、世の中にお金を回すのが仕事なんです。
だから、商人はお金を儲けなきゃいけないの。
そうやって儲けたお金を社会で回して、税金を払うことも仕事なんです。
だから、欲のない商人がいたら、それは欲張りなお坊さんや政治家と同じくらい、いけないことなんだよね。
仕事にあった「正義の道」を淡々とやるんです
お坊さんとか、政治家がよく張るのは駄目だけど、商人は欲張りじゃなきゃいけない。
政治家は、この国が良くなることを考える。
お坊さんは、心の平安を皆に教える。
学校の先生は、生徒が一人でも不良にならずに社会へ出ていくことを考える。
必ず、その道の正義というものがある。
そして、商人っていうのは、欲をもってお金儲けする職業なんです。
そしてね、それぞれ自分の職業に誇りを持って、やるべきことをやっている人は、毎日楽しくなるんです。
人間っていうのはね、悪人は日陰しか歩けないようになってるんです。
だから、楽しい人生にするには、正義の道を行くしかないんだよね。
失敗する人っていうのは、間違ったことを正しいと思ってるんです。
例えば、銀行からお金を借りるのもが当たり前に見えたりね。
あのね、同じ商売でも、銀行からお金を借りなきゃいけない仕事ってあるんです。
自社ビルが必要な仕事もあるの。
だけど、お金を借りなくてもできる仕事なのに、お金を借りるっておかしいんです。
ビルがないと困るわけじゃないのに、見栄でビルが建てたがあるから失敗しちゃう。
だけど、世間から見たら、ビルを持っているほうが正しく見えちゃうんです。
そういう世間の目は確かにあるんだけど、間違ったことをしてれば、絶対に上手くいかなくなるんです。
もちろん、銀行からお金を借りなきゃいけない仕事なのに、かたくなに借金しないって言うのもおかしいよね。
ビルがあった方がうまくいく商売なのに、持ってないのもおかしい。
そういうことが分かってないと苦労するんです。
ただ、正しいことって、時代によっても違ってくるんです。
例えば、松下電器(現在のパナソニック)を創業した松下幸之助さんが現役の頃は、どんどん会社を大きくして、社員を増やさなきゃいけなかった。
物のない時代だったから、世の中を便利なものでいっぱいにすることが正しかったんです。
ところが、今は物があふれていて、こころの時代に変わってきたんです。
だから、サービスっていうのは、お客さんの心に訴えることじゃなきゃいけないんだよね。
安物の商品は世の中に溢れているから、価値のある商品に、さらに付加価値をつけて、お客さんの心を動かすサービスが必要ないんです。
そういうことをよくわかっている人は、やっぱり成功するんだよね。
やっていることが馬鹿だって分かったら止めなきゃ駄目なんです
じゅんちゃんは、私のお弟子さんになってから、一本50万円もするような超高級ワインを飲んでいたこともあったんだよね。
だけど、50万円のワインが駄目っていうわけじゃないの。
ただ、見栄で飲むのは恥ずかしいことなんだよって言いたいんです。
足も経たないくらい酔っ払っているのに、勢いだけでそんなワインを頼むのは、ただの見栄なの。
それは、お金を粗末にしているのと同じだよね。
そんなに酔っ払っていて、味なんてわかるわけないでしょ。
商人っていうのはね、お金儲けのプロなんです。
だけど、ただもうければいいってものじゃないんです。
お金っていうのはね、儲けることにも頭を使うけど、儲けたらそれを維持しなきゃいけないんです。
だけど、せっかく儲けたお金を維持できない人っているでしょ。
そういう人を見てると、みんながそういうわけじゃないんだけど、あまりにも必要ないものにお金を使いすぎてる人がいるんです。
その一つが、酔っぱらってて味もわからないのに、高級ワインを飲むことだと思うんです。
それって、誰が考えてもおかしいよね。
よく、お金がなくなったら、今までチヤホヤしてくれた人がいなくなったり、仲間がいなくなったりするって言うけど、そうじゃないの。
さも、いなくなった人の方が悪いみたいな言い方をするけど、本当はお金がなくなったその人がいけないの。
わかるかい?
もし、じゅんちゃんが持ってるお金を全てなくして、周りの人が皆いなくなったとするよね。
それは、商人なのに、お金がなくなったじゅんちゃんがいけないんです。
商人は、お金がなくなっちゃいけないの。
それなのにお金がなくなるって事は、何か間違ったことをしたからなんです。
もしも、お金がなくなるような無駄遣いをしてたんだとしたら、それは間違ってるよね。
だからって、全く「馬鹿」をやるなって事を言ってるんじゃないの。
人間って、元々そんなに利口じゃないから、何回かは見栄を張って、高級ワインを飲んでもいいんです。
で、飲んだ結果、「俺はワインの味なんて分からないんだ」ってことが分かったら、その時点で飲むのはやめたらいい。
ちょっとぐらい馬鹿なことをした人の方が、話だって面白いのだから、少しくらいだったらハメを外したっていいの。
私だって、昔は高いワインも飲んだことがあるんです。
でもね、味の良さがよっぽど分からないんです。
だから、「もうや~めた」ってなった。
そういう風にね、人間ってバカもやってみないと分からない事ってあるんです。
ただ、やっていることが馬鹿だって分かったら、その時点でやめなきゃダメなんです。
自分から率先してやればなんだって楽しいんだよ
昔はね、神の愛を勘違いしてるの。
神は、私達に楽をさせてくれると思ってるけど、そうじゃないんです。
重いものを持つと、筋肉がつくんです。
一生懸命勉強すれば、利口になるんです。
人間っていうのは、休むために生まれてきてるんじゃないの。
じゃあ苦労するために生まれてきてるんですかって、それも違うんです。
人間は、頭を使った方が楽しいようにできてるんです。
それを嫌々やらされるから、苦しんだよね。
本来、人間って勉強も好きだし、新しいことを学ぶのが大好きなんです。
猿だってなんだって、こんなに学ばないよ。
人間だけが学ぶんです。
ただ、仕事でも勉強でも、人から強制されると、それがどんなに面白いことでも地獄になるんです。
親にあれこれ言われると、それだけで嫌なんだよね。
わかるかい?
例えば、大金持ちの親が、息子のじゅんちゃんを大学に行かせようとするよね。
そうすると、じゅんちゃんは「大学を出ることは大して重要じゃない」とか言い出すんです。
ところが、親に大学にやるお金がないと、途端に「勉強したい」って言い出すものなんです。
自分の人生を人に決められると面白くないし、楽しくないから、言われたことをと反対の道へ進もうとするんだよね。
それを、傍目には親不孝っていう理由。
だから、親不孝をされたくない人は、子供に口うるさく言わないことなんです。
本来は、自分から率先してやれば、なんだって楽しいんだよ。
仕事でもなんでも、そういうふうにできてるんです。
なぜなら、それが神の仕組みだから。
自分の得意な土俵で勝負すれば成功しやすい
自分の独自の考えとか、そういうのって訓練されて初めてできるものなんです。
だけど、大抵の日本人は、その訓練はされていないから、急に自分の考えを出せるものじゃないんだよね。
あのね、パリは芸術の都だって言うけど、すごく有名なミレーの絵でも、びっくりするくらい知られていないのの。
日本人ならだれでも知っているような『落穂拾い』のえでも案外知られないんです。
それなのに、なぜ芸術の都と言われるんですかって、「この絵は〇〇が素晴らしい」とか、そういう自分独自の見解を個々人が持っているんです。
自分の意見をきちんと言える土壌があるの。
日本人の場合、その絵を知ってることが重要なんです。
「この絵は誰それの作品」「〇〇の賞を取ったと絵とか」って言う、たくさんの客観的な情報を知っていることなの。
そういう日本人に、いきなり独自の見解を出せって言っても、出来なくて当たり前なんです。
だけど、持っている知識でも方をするのは得意なんだよね。
例えば、冷蔵庫を発明することはできないけど、アメリカ人が作った冷蔵庫をうんと研究して、もっといいものを作り出すことが上手なんです。
階段があれば、日本人は「どうすれば階段を綺麗に上がれるだろう」かって考えるけど、エレベーターがあるんだって事を知ると、各界にピタッと停まる、揺れも故障も少ないエレベーターを作るんです。
実際、日本のエレベーターは世界でも最高水準なんだよね。
そういう風に、日本人は向こうから始めて、さらにいいものを作るのが得意なんです。
その方が、勝ちやすいことを知っているから。
自分の得意な土俵で勝負をすれば、成功しやすいっていうことなんです。
追伸 「戦車を作っていた人が鍋や釜をつくる」と消費も変わるんだよ
「モノ余り」の時代になる要因の一つを、一人さんは今の国際情勢の中に見出しているようです。
「冷戦が終わり、現在のアメリカは世界で唯一の超大国だよ。その軍事力と正面から対等に渡り合える勢力がないんだ。
だから、これからは大きな戦争が起こることはなくなったんだよね。
そして、戦争がないことは、モノ余りに繋がっていくんだ」
戦争とデフレ。
一見無関係なような二つの事柄ですが、一人さんの判断では、大いに関連があるようです。
最も、「戦争がなくなる」という意見には、数年前に起きたイラク戦争などを例に反対する人もいるかもしれませんが、「あれは戦争とさえ呼べない。一方的にアメリカがやっつけただけ」と一人さんは言います。
この見方の是非はともかく、経済との関連で肝心なのは、その戦いでどれだけのモノが消費したかという点にあるようです。
そして、第二次世界対戦のような規模でモノを大量に消費する戦争はもうなくなったということに、一人さんは注目しているわけです。
戦争や飛行機など、戦争で用いられる兵器の価格は、10億円、100億円という単位になり、戦争ではその高価な兵器を大量に壊しあい、消費していくわけです。
さらに、戦闘により工場や発電所など、工業生産力につながる施設が破壊されるのですから、生産力そのものにも大きなダメージが生じます。
また、実際の戦闘がない時にも、いつ大きな戦争が起こるかわからない時代には、それに備えて、新兵器の開発が絶えず行われてきました。
さらに、新しい兵器を開発するということは、旧来の兵器は無用になるということで、古い兵器は使われないまま壊されるしかありません。
つまり、戦争の時代には、生産施設が破壊が何度も繰り返され、しかも高度な兵器の消耗を絶えず続けられており、アメリカを含めた先進諸国では、各国の工業生産力のうち、かなりの部分が軍事関連えと振り向けられていたわけです。
ところが、戦争のない時代になると、事態が一変すると一人さんは言います。
「戦争がないとなれば、今までは戦車が作っていたところが、鍋や釜を作り始めるんだ。
そうなれば、モノが余るようになるんだよ」
それまで軍事へと向けられていた生産力が、戦争のない時代に入ると、一般商品化粧品の製造へと一気に向かいます。
アメリカをはじめとして軍事に力を入れていた各国でそうなれば、民間にはたちまち商品の過剰をが起こってしまうのです。
さらに、一人さんの判断には、もう一つ、根拠があるようです。
「モノがあまり、値段が下がる最大の理由は中国だよ。
中国の人口は現在13億人と言われている。
その膨大な人々がモノを作って、作って、作りまくる。
その製品が、これからどんどんと世界中に溢れるようになるんだ。
生産過剰によるモノ余りは、これからもっと加速されるよ。
だから、これからの時代、モノの値段が下がり続けるのは明白なんだよ」
ご承知のように、鄧小平の時代以来、中国は自国の一部に資本主義経済を導入し始めています。
このため、中国は資本主義国の企業から資本を集め、急速に向上生産力を高めており、現在は既に「世界の工場」となりつつあるわけです。
ところが、現在の状況ですら、中国の巨大な人口から見れば、まだ、ほんの一部のことにすぎないのですから、今後、中国の生産力は驚異的な規模にまで拡大すると予想できるわけです。
軍事に回っていた生産能力が一般消費者向けの製品を作り始めること、また、膨大な人口を抱える中国があたかも世界の工場のようにモノを作り出していくこと、この二つが生産過剰まねき、「モノ余り」によるデフレを起こす。
以上が、一人さんの読んだ時代の流れなのです。
国際情勢の流れを読んで、このような分析を行っているからこそ、
「これからも物価は下がり続ける」
と一人さんは判断しているわけです。
ところが、今の日本には「いずれこのデフレが終わり、昔のような英語が日本社会に戻ってくる」という期待が溢れているように感じられます。
時代の流れを読み続け、このように判断している一人さんの目には、そんなに音はおかしいと見えるようです。
「私は商人だから、今の政治に文句あるとか、こうしろとかはないんだ。
ただ、こういうことをしていたら、こうなるとか、このまま入ったらこういうことが起きるかなとかは、わかるんだよね。
だって分からないと商人あがったりだからね」
と笑いつつ、次のように言います。
「今、政治家や経済評論家は、日本銀行がお金をもっと放出すればデフレが止まるなんて言っている。
でも、そんなことになるわけがないんだよ。
だって、日銀がお金を出せば、中国がなくなるのかい?
そんなことはありえないだろう。
ありえないことを言うほうもどうかと思うけれど、変だと思わないで聞いている人もどうなんだろうね。
あんなことを平気で聞いていられるのは、今の状況が痛くも痒くもないからなんだよ。
お金をたくさん持っていて、それにどっぷりと浸かっているから、平気で聞いていられるんだよね。
つまり、今のデフレだって他人事だと思っている人がいるんだよ。
今の時代をがんばって生きている人ならば、どこかおかしいと感じているはずだ。
そんな人が、これからの時代を生き残れるんだよ」
他人事だと思っているうちは、時代の流れなど決して見えない。
あるいは、一人さんはそう言いたいのかもしれません。
時代を読もうと勉強している人には、こんな目くらましは通用しなくなると一人さんは思っているようです。
斎藤一人さんの話を纏めました。
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