その百万石で、自分の家族を養い、部下とその家族を養っていたんです。
加賀百万石の殿様は百万石の米を食べたか
「加賀百万石」という言葉があります。
加賀藩の殿様は、百万石の収入(米)があるお金持ちの大名でした。
でも、加賀藩の殿様が、百万石の米を全部自分一人で食べた、という記録は残っていません。
その百万石で、自分の家族を養い、部下とその家族を養っていたんです。
それから、城も長く使っていると、古くなってくるから、その補修をしなくてはいけない。
その費用としても使われたことでしょう。
何を言いたいのかと言うと、私はよくこんなことを人から言われるのです。
「斉藤さんは、お金を持っているからいいですね」
それで、この言葉の後には、たいてい「・・・・・・」と余韻が残るんです。
その余韻の部分には、おそらく、
「でも、私はお金持ちではないから、幸せじゃない」
というセリフが入るのではないかと、私は感じるんです。
確かに、お客さんから沢山商品を買っていただいたおかげで、たくさんのお金が頂けて、ハッピーです。
だけど、私は商人です。
商人というものは、お金がたくさん必要なんです。
それは、魚屋に行けば魚が沢山あり、八百屋に行けば野菜がたくさんあるんだと同じことです。
商人は、仕入れをしようが、ちらしを作ろうが、何をしようがお金が必要なんです。
それから、取引相手につつがなく支払いができるようにしよう、とか考えると、経営も安定させなくてはいけない。
だから、私はお金をたくさん持っているんです。
それなのに、
「お金がたくさんあっていいんですね」
と言われたら、私は何と言っていいのか、少し困ってしまう。
なぜって、商人ではない人が、商人が持っているような額のお金を持つということは、普通の家庭に八百屋ができるほど野菜があるようなものですから。
入れる野菜だらけで足の踏み場もないところで生活なんて出来ないし、それを全部食べる事も無理なんです。
普通の家庭には、冷蔵庫に入るぐらいの野菜があれば、それでハッピーなのです。
中国にある揚子江という川に、カワウソが生息しているらしいのですが、中国人はこんなことを言うそうです。
「カワウソは揚子江の水を全て飲み干そうとはしない」
当たり前のことです。
そんなことをしたら、お腹がパンパンになるどころか、死んでしまいます。
カワウソは、自分が飲めるぶんだけの水を飲んでいるから、生きていられるんです。
お金でも、なんでもそうです。
必要のないものを求めようとすると、苦しくなってしまう。
だから、私は、適当であれば、それでいいんだ、と思っています。
それで、人生、ハッピーなんです。
不安があるから生きている
人間には、無くそうとしては、いけないものがあります。
それは何かというと、不安です。
変な人が言うことですから、別に信じて頂かなくても構いません。
私が勝手にそう思っているだけのことであって、これは正しい考えだとは思わないでください。
なぜ、不安をなくそうとしてはいけないかと言うと、人間は不安がある動物なんです。
不安な生き物だから、不安がなくならない。
総理大臣になっても、大金持ちになっても、何をしても、何かしらの不安が付きまとうんです。
不安がなくなるのは、あの世に行った時です。
死んだ時に、「涅槃に入る」と言って、この時が「大安心」なのです。
最近、年金制度が危ないなどといったニュースや新聞やテレビで流れているせいか、
「明日の自分の生活を考えると、不安でしょうがない」
という人が増えてきました。
どうしたら安らかな気持ちで生きていられるかと、悩んでいる人も多いと思います。
ですが、これは諦めるしかない。
「諦める」というのは、自暴自記になれということではありません。
ここで言う「諦める」は、「明らかに眺める」ということです。
一体、何を明らかに眺めるかと言うと、人間は不安な動物で、生きているうちに不安はなくならないんだ、と。
不安を持っている自分は正常なんだ、今日も生きているんだ、ということです。
人間というものは本当に不思議なもので、不安があるのが普通だと思うと、意外と不安がなくなるものなんです。
逆に、なくならないものを、無くそうと思った時、無理がかかって自分が苦しくなる。
それを嫌だと思っても、なくならないものは、なくならないんです。
それを嫌だと思うと同時に、苦しみがやってくる。
だから、私は、これ面白いと思って、不安を利用して、人生を楽しむしかない、と思っています。
嫌だと思っているだけでは何も生まれないけれど、
「この不安がある中で、自分は何ができるだろう」
と考えだした時、人は動き出す。現実が変わるんです。
梅干しが頭に浮かべば唾が出る
人間には、二つ嫌なことがあるんです。
一つは、会いたい人に会えないこと。
もう一つは、会いたくない人間に合わなくてはいけないこと。
この二つが、めちゃくちゃ苦しいんですけど、会いたい人に会えなくても、夢の中では会えるんですよね。
だけど、会いたくない人に会わなきゃいけない、というのは、どうにもこうにも苦しいんです。
会いたくない人って、どういう人ですかというと、ウマが合わない人。
誰にでも、一人か、二人、ウマが合わない人がいるんです。
おそらく、私にもそういう人がいるはずなんですけど、私の目の前にはそういう人は現れません。
どうしてだと思いますか?
答えは簡単です。
私は、そういう人と会わないことにしているんです、
漫画いちえ、そういう人と会わなくてはいけなくなったら、さっさと避けるんです。
精神論を堂々と語っている人間が、そんなことをしていいのか、と思われるかもしれませんが、別に何の問題もないと思っています。
なぜって、一番の問題は、苦しむということ。
それから、合わない者同士が会うと、争いが起きるということです。
でも、会わなければ、そんなことはないんです。
だから、合わない人とは会わなければいいんです。
ただし、一つだけ気をつけてくださいね。
梅干しを頭に思い浮かべるだけで、唾が出る。
だから、自分と合わない人のことを考えてもいけません。
その人の事を考えるということは、頭の中で合っていることですから。
「この人を、受け入れてあげなくては」
「認めてあげなくては」
と言っても、合わないものは合わないんですから、そんなこと、できるわけがない。
できない自分を責めて、苦しむのが関の山です。
「それでも、これが自分の修行なんだ」
と言って、自分で苦行を選ぶのは結構ですが、そのことで苦しむのは、あなただけではないとしたら、どうしますか?
変なことを言うようですが、相性の合わない人と会うことが、その人をいじめることになるんですよ。
例えば、お姑さんや、小姑さんと仲が悪い、と。
ご主人の実家へ里帰りをしたら、お姑さんや小姑さんにいじめられる、と。
どうして、いじめられると思いますか?
答えは簡単です。
息子には帰ってきてもらいたいけれど、嫁には帰ってきてもらいたくないんです。
そういう気持ちを分かってあげたら、「会わない」ということは、相手に対する思いやりになるんです。
だから、ご主人だけを里帰りさせて、自分は行かなければいいんです。
もちろん、我慢できる範囲の人であれば、我慢すればいいですよ。
でも、我慢できないぐらい嫌な人なら、会わなければいいんです。
人間は、たくさんいます。
この日本には約1億3千万の人間がいます。
こんなにたくさんいる中で、よりによって嫌な人間と付き合う必要はありません。
嫌な人間と付き合って苦しい思いをしながら、幸せにはなれません。
合わない人とは会わないで、その間、自分が幸せになることをやっていればいいんです。
そうすると、不思議なもので、しばらくぶりに会った時に、仲良くしていられます。
正しさを追求すると苦しくなる
以前、私は友人と一緒にサウナに行きました。
そこで、マッサージをしてもらったんですが、その時、マッサージの人が、私の友人を見て、
「ハリウッドスターに似ている」
と、言ったんです。
友人は、そういう事を言われたことが一度もなかったので、すごく喜びました。
ところが、マッサージの人は、その名前がなかなか思い出せない。
思い出すまで、彼も私も固唾を飲むようにして、待ち構えていました。
そして、ようやくマッサージの人の口から出てきた言葉が、
「首の辺りにボルトが入っている人」
それって、フランケンシュタインに似ている、ということですよね。
彼は、笑いながら、がっかりしていました。
実際、その人の目にはそう見えたのかもしれません。
自分が見たものを正直に言葉にしたのだから、そんな言葉に嘘はない。
正しいんです。
でも、正しいことを言ってしまったからこそ、友人はがっかりしてしまった。
だから、私はこう言うんです。
「どっちが正しいかではなく、どうすれば楽しくなるかを基準にするんだよ」
ここでお断りさせて頂きますが、私が言う「楽しい」は、残高のことも考えずにカードで買い物を楽しむ、という場合の「楽しい」ではありません。
就職氷河期の時代にそんなことをしていたら、間違いなくクビにされます。
それは楽しくないんです。
私が言う「楽しい」は、その場しのぎの楽しさではありません。
言葉で解説しようとすればするほど難しくなりそうなので、後は皆さんの判断に任せて、フランケン事件の話に戻ります。
「どうすれば楽しくなるか」を基準にするということは、その場にいる人間達が楽しくなることです。
だから、マッサージの人が言うべきことは、嘘でもいいから、
「ブラッド・ピットに似ている」
と言うか、さもなくば、
「今は思い出せませんが、次にお客さんが来てくれた時には思い出せています」
と言えばいい。
そうすれば、人を傷つけることはなく、楽しいひとときを過ごせるんです。
斎藤一人さんの話を纏めました。
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