仕事の成功は、愛のある人間関係から
職場の人間関係で一番大切なのは何でしょう?
それは愛情じゃないでしょうか。
例えば、私たちは仕事のやり方を覚えてもらおうとする時、褒めるというのを基本にします。
それは、一人さんにこんな言葉を教わっているからなんですよ。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」
これは昔、人を育てるコツとして、ある人が言ったものなんだそうです。
一人さんは私たちに「誰かに教えるときは、こういう気持ちでやりなさい」と教えてくれたんですが、これは本当に効果絶大なんです。
つまり、人に教えるには、まずほめるというのが基本になるんですね。
教わる人に対する愛情が、この考え方の根っこにあるんですよ。
また、うちの職場では、仲間や取引先などの誰かに良いことがあった時に、みんなで「おめでとう」と言うんです。
例えば、誰かが注文を取れたなんていう時、そのフロアにいるみんなで「おめでとう」、特約店さんから「売上好調です」という電話があると、またみんなで、「おめでとうございます」なんて具合です。
これも一人さんに教わったことなんですよ。
一人さんは、いつも明るく、こういうんです。
「他の人の良かったことに『おめでとう』が言えないような、そんな貧しい心でどうするんだい。
貧しい心は貧しいことしか呼ばないよ。
他の人の良かったことを、一緒になって『よかった』と思えるのは、心が豊かだから。
そんな豊かな心になって、ハッピーになろうよ」
一人さんにこう言われると、私たちは「ああ、その通りだな」と思えるんですよ。
そして、誰かの良いことを、一緒になって喜んで、「おめでとう」を言えるというのも、やっぱり愛情から来るんだと思うんですよね。
また、他の会社の人からは、よく「おたくは変わっていますね」って言われるんですが、ウチでは上司と部下との距離感というのはありません。
上司と部下と言っても、上下関係ではなく、単なる役割分担だと思っているからなんですよ。
私は今は経営という仕事をしていますけれど、ポスティングをやったことのあるし、電話の対応でも荷造りでも何でも行ってきました。
でも、会社が大きくなってくると、全て一人でやるわけにはいきません。
そこで社員やパートの人にやってもらうわけです。
仕事の種類が違うだけなんです。
それに、ここまでが仕事で、ここからがプライベートという区分けの意識もないんです。
従業員とは仕事だけの付き合いで一緒に飲みに行ったりしない、そんな会社もあるのでしょうが、うちではそんな意識は一切なく、一緒にご飯も食べれば遊びに行ったりもします。
誰かと知り合うというのは縁があったということです。
それが仕事の場だったからといって、人との付き合いという意味では、特別なわけじゃありませんもの。
うちの場合、一人さんの考え方が好きであったり、一緒に仕事をしていく仲間が好きであったりすることが基本ですから、職場の人間関係も愛が基本で、仲間の間には距離なんか必要ないんです。
もし、距離を感じるようならば、自分で埋めればいいんです。
例えば、うちで働きたいという人が来た時もそうです。
最初は私からその人に近づいて行って、「ちょっと変な会社だけど、こんなところなんだよ」と全く普通に出すんです。
それで、もっとこちらへ近づこうとするかどうかを決めるのは、その人が判断する番なんですよ。
お互いの距離を埋めるには、人の話をじっくりと聞いてあげるのも大切です。
そうするのに、一人さんから便利な言葉を教わっているんですよ。
相手の話を聞いたら、まず、
「そうだね。わかるよ」
という言葉を使うといいんです。
いきなり自分の意見をいうんじゃなくて、まず、「あなたの言っていることは分かりますよ」と認めるんです。
別に、その人の意見に賛成できなくてもいいんです。
「あなたの言いたいことは理解しました」ということなんですから、嘘をついているわけでありませんしね。
この言葉を使えば、その人の言うことを頭ごなしに否定しないで済むんです。
そうすると、相手にもこちらの言葉を聞いてもらえて、お互いの気持ちが通じるようになるんですよ。
相手の言葉を頭ごなしに否定しないというのも、愛情が基本にあります。
距離を埋めるのにもやっぱり、愛が大切なんですね。
職場に限らず、人間関係で一番大切なのは、こうした愛情なんだと思うんですよ。
愛を持って人に接することです。
どうしても考え方を改めてくれない人がいて、困っています
自分とは考えの違う人と、トラブルになる事ってよくありますよね。
考え方の違いから喧嘩になったりして、そんな時には、相手の考え方がひどく悪く思えるんですよね。
自分勝手だったり頑固だったり、偏屈、時代遅れ、無知、傲慢などなど、その人の考え方の悪いとこばっかりが見えてきちゃうんです。
それで、「なんであんな考え方をするんだろう」とか、「あの人が変わってくれれば、みんなうまくいくのに」とか思って、考え方を改めるようにとその人を説得しようとするんですが、大概はだめ。
それどころか、ますます険悪になったりするんですよね。
私も昔、父の経営していた水産会社のサラリーマンをしていた時に、よく、そんなトラブルを経験しました。
私はその頃、労務関係の雑務を全部やっていて、人間関係の調整役みたいな立場だったので、特にそんなことが多かったんです。
人間関係のトラブルを調整するつもりで、初めは当事者を説得しようとするんですが、そのうち問題の人と口論になって、ついには喧嘩になっちゃうんです。
そして、「あの人には何を言ってもダメだ」と、なってしまうんですね。
こう思うと腹は立つし、問題が解決しなくてストレスは溜まるし、説得が徒労になってガクッと疲れるしで、ろくなことがないんです。
その頃はこんなことの連続で、私は本当に身も心もクタクタだったんですよ。
そんな私にとって、唯一のオアシスだったのが、一人さんでした。
「あっ、一人さんが来てる」
近所の喫茶店の駐車場に、いつもの外車が止まっているのを見ると、私は何を置いてます飛んでいきました。
一人さんは、陽の光がいっぱいに降り注ぐ席で、いつも静かに本を読んでいるんです。
そして、私の顔を見るとニコッと笑って、「よう、おまっちゃん、元気かい」と、明るくて気さくで、本当に心に染み込んでくるような温かな声で言ってくれるんですよ。
もうそれだけでも、私の心から疲れがすっと取れて行く気がしたものです。
私は何でも一人さんに相談していました。
この時も、「会社にこんな人がいてね、私、頭に来ちゃって。本当、どうしたらいいと思う?」と、早速一人さんに相談したんです。
すると、一人さんがこんなことを教えてくれたんですよ。
「いいかい、おまっちゃん。
みんな、自分は変えたくないんだよ。
自分は変わらずに、周りが変わればいいと思っているんだ。
結局、何にも解決しない原因はここにあるんだよ。
だって、他の人の心は変えられない。
変えることができるのは自分の心だけ。
それなのに、自分の心を変えようともしないで、『他の人が変わってくれないかな』なんて思っているだけじゃ、結局、誰も変わらないし何も変わらない。
問題だって解決するはずがないだろ?
だから、おまっちゃんにできるのは、自分がどう変われば問題が解決するかを考えて、そんな風に、自分の心を変えることだけなんだよ」
一人さんに教わって、私はこのことをよく考えてみました。
すると、その意味が段々分かってきて、頭の中のモヤモヤが、ぱーっと晴れていったんです。
喧嘩している時、「あいつが悪いんだ」と思っているのは、私だけじゃないんです。
向こうもそう思っているんですよね。
ですから、ここで私が「あいつに言ったって、あいつは少しも態度を改めないんだよ」と思っているうちは、喧嘩は収らないんです。
だって、相手も同じように思っているんですから、両方とも何も変わりませんものね。
でも、ここで私が、「いいや。面倒くさいから、私が態度を変えちゃえ」と考えて、相手が文句を言ってる点を改めてしまえば、その人は、もう私に文句はなくなります。
つまり、私が自分を変えれば、喧嘩は終わるんですよ。
相手が変わることを期待するんじゃなく、自分が変わってしまうことが、人間関係のトラブルを解決するコツだったんですね。
私は一人さんからこのことを教わって以来、人間関係でトラブルがあっても、他の人が変われば良いと考えなくなりました。
そして、自分をどう変えれば問題が解決するかを考えるようになったんです。
するとね、必ず解決方法が見つかるんですよ。
こうして、人間関係のトラブルでストレスを溜めたりすることが、ぐんぐんと減っていったんです。
他の人は変えられない。
できるのは自分を変えることだけ。
陽だまりの中で、一人さんは私にこう教えてくれました。
皆さんも、是非のことを考えてみてください。
きっと、人間関係のトラブルですごく楽になれますよ。
他人が変わることを期待せずに、まず自分を変えて解決できないか考えてください。
会社の害になる人がいて困っています
以前、ある人から私にこんな相談をされたことがあるんです。
「上司はいい人なんですが、社内で害を及ぼしている人と戦ってくれません。どうしたらいいでしょう?」
この質問を例にしてお話ししますね。
「周りが変わってくれれば」とか、「上司が変わってくれれば」なんて期待していても、問題は解決しないんです。
自分にできることは自分を変えることだけなんですから、自分にできることで解決するしかないですよ。
もし、この人が直接被害を受けているのなら、上司でなく自分が戦えばいいんです
このことは、もうお話ししましたよね。
それとね、もう一つ考えてほしいことがあるんですよ。
それは、上司が動かないことが、この人にとって本当に問題なのか、ということなんですという。
会社の害になる人がいる。
誰もそのことに対して動こうとしない。
会社が損をしている。
または、いつかこの会社にとって危険なことになるかもしれない。
あるいは、そういうことなのかもしれませんけれど、こんな場合でも、それで本当にこの人が困るんでしょうか?
これもね、一人さんに教わった考え方なんですよ。
私は本当に何でも一人さんに相談してきました。
それで昔は、「こんなことがあって困ってるの」とか、「こんな人がいてさ、困っちゃった」とか、しょっちゅういっていたんです。
すると、一人さんは陽をいっぱいに浴びた席で、いつものようにニコッと笑いながら、こういったものです。
「おまっちゃん、それは本当に困った事なのかい?」
そして、そのことが実は困ったことでも問題なのでもないのだと、私に気づかせてくれたんですよ。
この場合もね、同じだと思んです。
誰も動かないというのは、問題の人は、本当はこの人が考えているほど会社の害になっていないのかもしれません。
また、本当に会社の害になっているんだとしても、それを誰も解決しようとしないような会社なら、たとえ倒産しても仕方がないんじゃありませんか?
会社が倒産して本当に困るのは会社の資本を出している人です。
そこで働いている人は、別の働き口を探せばいいだけです。
それに、そんな会社なら倒産してくれた方が、そこから外へ出られるんですから、この人にとってはむしろいいことなのかもしれませんよ。
本当にそれで自分が困るような問題なのか、考えてみてください。
実は問題でも何でもなかった、と気がつくかもしれませんよ。
そのことは、あなたにとって本当に困った事なのか、考えてみましょう。
斎藤一人さんの話を纏めました。
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