コンクラーベ

斉藤一人さんです

20191229105200

斎藤一人さん また、会いたい

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話しかけられないよう、触れられないよう、できる限り人から距離を置いていました。

それぐらい、外の人間が怖かったのです。

 


また、会いたい


そして、翌日。

この日の午後も母に店番を頼まれ、私はまた誰もいない店内で、一人、本を読んでいました。

目で活字を追いつつ、頭は別のことを考えていました。

(一人さん、また来るかな)


果たせるかな、一人さんはやってきました。

「やぁ、ひろこちゃん」

私は嬉しくてたまらず、つい大きな声で、

「お母さん、一人さんだよ。早く来て、お母さん」

すると、一人さんは笑って、

「ひろこちゃん、私はどこにも行かないから大丈夫だよ」

「でも・・・・・・・・・」
「いいんだよ。

今日はね、ひろこちゃんの顔が見たいなと思ってきたんだから」

「私?」

「そうだよ。もしよかったら、お茶を、ご一緒しませんか」

「えっ、私でいいんですか」

「もちろん」

一人さんはとても不思議な人です。


その頃の私は、他の人間と普通に話をすることができませんでした。

学校では、先生やクラスメイトとは挨拶ぐらいは交わすものの、会話らしい会話は一切ありません。

たとえ、話しかけられても、私は言葉を返すことができず、黙ってしまいます。

話しかけた人は、戸惑いの表情を隠しませんでした。

そして、私の中で膨らむ恐怖心。

(この人、今、何を考えているんだろう。
また、『あの時』のように攻撃の的にされたら・・・・・・)


外の人と話すことは、私にとって苦痛でした。

話しかけられないよう、触れられないよう、できる限り人から距離を置いていました。

それぐらい、外の人間が怖かったのです。


けれど、唯一、一人さんは違ってた。

一人さんは、話すことが苦手な私を、優しく包み込んでくれます。

沈黙の時が流れても、全然、怖くありません。

沈黙の時にすら、安らぎを感じさせる、そんな不思議な人です。


この日は境に、私は、一人さんが来る時間帯を見計らって、お客さんのいない店に降りて行き、一人さんを待つようになりました。

「やぁ、ひろこちゃん」

一人さんの笑顔、春の日差しのような、暖かさに触れて痛くて。



「そのままで、いいんだよ」


夏休みも中盤に差し掛かった、ある日。

私は、いつもの時間に1回の店におり、一人さんを待っていました。

店にいるのは、私と母の2人きり。

お客さんがいないのに、なぜか、カウンターの中で忙しそうにしていた母が、時計を見上げていました。

「いつもなら、もう来てるはずなのにね。

どうしたのかしら、一人さん」

と、そこへ、

「カラン、カラン」

(あ、一人さん・・・・・・・・)

しかし、入り口にいたのは見知らぬ男性客。

私は急いで階段を駆け上がりました。

子リスが鷹の爪から逃れようとするかのように。

そして、私は階段最上段に座り、一人さんが来るのを待ちました。


やがて、階下で鈴の音がなり、母と一人さんの声が聞こえました。

「いらっしゃいませ、一人さん」

「こんにちは。あれ、ひろこちゃんは?」

「えぇ、まぁ・・・・・・」

「そのうち来るでしょう。それまで本を読んでいますよ。

コーヒー、お願いします」

(先客が早く帰ってくれればいいのに。早くいなくなって)

私は祈りました。

祈りの時間はどれぐらい続いたでしょう。

鈴の音と、母の「ありがとうございました」という声。

「やった!!」

私は急いで階段を駆けおりました。

「一人さん!!」

「やぁ、ひろこちゃん」

一人さんは、いつもの席で、いつもと同じ、優しい笑顔で、私を迎え入れてくれました。

「勝代さん、ひろこちゃんに紅茶を出してあげてください。

お代は私の方に」

「そんな、娘の分はいただけませんよ」

「気にせず、頂いちゃってください」

「そうですか・・・・・・。すみません。ほら、ひろこちゃん」
母に促され、私は言いました。

「ありがとうございます」

「どういたしまして」

一人さんは私にそう言うと、今度、母に向かって、

「いい娘さんですね、ひろこちゃんは」

すると母は、ちょっと首をかしげ、そして、言いました。

「でも、うちの子、人見知りがものすごく激しいでしょ。

だからねぇ。社交的になってとは言いませんよ。

けれど、もう少しがんばって、外の人と話せるようになってくれたら・・・・・・・。

ねぇ、ひろこちゃん」

(また、始まった)

私は思いました。

そして、不安。

(一人さんも、お母さんと同じこと、思っているのかな)

と、その時。

「裕子ちゃんは、そのままで、いいんだよ」

一人さんは、ニコニコしながらそう言いました。

私は、急に目の前が、明るく、広々としてきたような気がしました。

慌てふためいたのは、母。

「そういうわけには行きませんよ。

高校生にもなって、お客さんに『いらっしゃいませ』もう言えないようでは困ります。

もう少しがんばってもらわないと」

すると、一人さんは母に言いました。

「いや、今でも十分頑張ってますよ。

ひろこちゃんの顔に、がんばり屋さんの相がはっきり出てます。

『我慢の人生』、送ってきた人間の顔をしているね。

さらに言うと、『我慢の人生』を続けていて、幸せになった人はいない」

そして、今度は私に、優しく微笑みかけながら、こう言ってくれました。


「もう我慢しなくていいんだよ」


私の中の、何かのスイッチがオンされたようです。

過去の体験、家に秘めた思いが、言葉となって口から溢れてきました。

 

斎藤一人さんの話を纏めました。

 

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