さらに言うと、互いの強みを出し合った時、その力は足し算ではなく、掛け算になる。
「3+7=10」ではなく、「3×7=21」なんです。
「そのままでいいんだよ」は、掛け算の力学
昔から、言われる言葉で「十人十色」というのがありますが、私は10人のお弟子さん達も、それぞれ違う個性を持っています。
あの10人の中にいると、多分、誰も私の存在に気付かないでしょう。
それぐらい、私のお弟子さん達は、強烈な個性を持っています。
でも、私は私の元へ集まってくれた10人の弟子に対して、
「個性を引っ込めろ」
とは、言いませんでした。
「そのままでいいんだよ」
と、言ってきたんです。
ただし、この言葉の意味は、
「そのまま何もしなくていいですよ」
ということではありません。
「あなたに、できないことがあっても、いいんだよ。
あなたのできないことは、代わりに私が行ってあげるからね」
ということなんです。
道路に穴が開いても、その穴を埋めてあげたら平になりますよね。
それと同じで、相手の弱いところを補ってあげると、できない部分が普通のレベルになるんです。
だから、私は、
「そのままでいいんだよ」
と言って、相手の弱みを補うんですが、私にも弱みがある。
私は、本を年間何百冊も読めたり、いつも肯定的なものの捉え方ができる、という強みがあるけれど、会社にじっとしていられないとか、人前に出るのが嫌いとかいった弱みがあるんです。
だから、私は自分にも「そのままでいいんだよ」と言って、得意な人に自分の子の弱みを補ってもらうんです。
こうやって、お互いが自分の強みを出し合い、相手の弱いところを補ってあげれば、みんな弱みがなくなってしまうんです。
さらに言うと、互いの強みを出し合った時、その力は足し算ではなく、掛け算になる。
「3+7=10」ではなく、「3×7=21」なんです。
代わり合うより、補い合う方が楽
成功するって、お互いが「代わり合う」ことではなくて、持っていないものお互いに出しちゃえばいいんです。
それなのに、相手の欠点を非難する人って、案外多いんですよね。
例えば、自分の会社の社長さんの欠点を見つけて、
「うちの社長のこういうところが気に入らない」
とか言うんです。
人間って、完璧じゃないから、時々は社長さんの悪口を言いたくなることだってあります。
だから、たまに、そういうことがあっても、いいんですけど、社長の欠点に気がついたよということは、あなたにその社長の弱みを補うだけの能力があるから、気がついたんですよね。
だってそうでしょ。
船の操縦士が海図を無視して船を操縦していたとしても、海図を読めない人には、でたらめに操縦していることに気がつかないですよね。
海図を読める人だから、でたらめであることがわかるでしょ。
それと同じで、あなたが、社長より優れたものを持ってるから、そのことに気づけたんだから、社長の弱点を補ってあげればいいんです。
社員は、本来、そのために雇われているんであって、社長の欠点をあげつらうために、会社にいるのではないんです。
互いの弱点を補い合う。
それがために、人間の価値というものが出てくるんです。
「ここがあなたの欠点だから、変えなさい」
って、ずっといっていると、自分が苦しくなるし、人生も失敗してしまいます。
人には誰でも、絶対に、弱いところと強いところがあるんです。
ところが、人の欠点を責め始めると、自分の弱いところを隠そうとする。
自分が人の弱点を責める性格だから、
「自分も誰かに責められるんじゃないか」
と、心配になるんです。
だから、ずっと隠している。
隠しているから周囲の人は、その人の弱みが見えない。
だから、補ってあげられない。
これが、失敗なのです。
そして、これが、不幸せな世の中なのです。
そうなりたくないと思ったら、相手の欠点を責めなければいいんです。
お互いが弱い部分を欠点と見るのではなくて、
「自分があの人の役に立って出てる部分はここなんだ」
という捉え方をしていけばいいんです。
社会の仕組みから何から、全部これなんです。
世間が違うと言っても、「まるかん」というところでは、そうなんです。
いくら、私と10人のお弟子さん達ががんばっても、全ての市町村に出店することはできない。
どうしても、うちのお店がない地域があるんです。
そうすると、その地域の人の誰かが、
「私が住んでいる町には『まるかん』のお店がありませんね。私がその部分でお役に立たせてもらいますよ」
と、言ってくれるんです。
その代わり、私たちは相手ができない部分をお手伝いさせていただく。
例えば、私たちは、商品提供ができる。
それから、「まるかん」の旗を一本立てれば、それだけでも他のお店と違うお店に見えるんです。
そういう公平で、平等で、誰が上とか下とかじゃない、良き仲間の集まりが「まるかん」です。
そして、これこそが、私たちの成功法則です。
私たちは、これをやって勝ち続けてきたんです。
そういう良き仲間を作ることが、商売だけでなく、人生全てにおいて最強の成功法則だと、私は思っています。
五つの人間のタイプを考える
お釈迦様が言うには、人間は五つのタイプに分類されるんだそうです。
1番目のタイプは1番目の「この人がいないと困る」と言われる人。
二つ目のタイプは「この人がいてくれた方がいい」と言われる人。
第3のタイプは、「この人はいてもいなくてもいい」で、四つ目が「この人はいない方がいい」で、五つ目になると「この人は死んだ方がいい」と。
人間は、この中の、どれかに当てはまるんだそうです。
新聞やテレビのニュース番組を見ていると、人間関係のもつれから人を傷つけたり、殺してしまったりという事件が報道されています。
最初から、ウマが合わなかったもの同士が会ってしまって、いざことが起きたというケースがある一方で、最初は友達であったり、恋人であったり、夫婦であったりと、互いに「この人はいてくれた方がいい」という人たちの間で事件が起きてしまうこともある。
後者のケースは、何かのきっかけで、被害者Aさんが「いてもいなくても良い」タイプの人間になってしまったのかもしれませんね。
そして、その後、さらにAさんが自分の悪口を言ったとか、相手の嫌がることをしてしまった。
人間は完璧ではないから、たまに、間違ったことをしてしまうこともあるんです。
そのことをお互いが許し合うことで、人間は生きていけるんですが、人の嫌がることを再三再四続けてしまうと、「この人間はいない方がいい」「死んだ方がいい」になってしまうと思うんです。
これは、人様のことを言ってるんじゃありません。
私自身の事を言っているんです。
今、自分の周りにいる人の目で見て、自分は今どのタイプの人間なのだろうかということを、時々確認しなくてはいけない。
私はそう思うんです。
そうすれば、自分が今やっていることも見えてくるし、これから何をやらなければならないかということも見えてくるんです。
「『まるかん』さんがいないと、困ってしまう」
と、言ってくれる人は、どれくらいいるだろうか。
「『まるかん』さんができて良かった」
と、言ってくれる人はどれぐらいいるだろうか。
そう言ってくれる人を増やすにはどうしたらいいのか。
私は、そういうことを考え、仕事をしてきました。
商人は、この二つでしか生きられないんです。
お客さんに、
「どっちでもいいわ」
と思われたら、商売は成り立ちません。
「なくてもいいわ」
「あの会社、潰れたらホッとする」
とか、言われたら生きていけないんです。
サラリーマンの人もそうです。
会社で、
「君がいないと困るよ」
「あなたがいてくれて、よかった」
と、言われる人間しか残れない。
ところが、何を勘違いしたのか、
「自分がいなくなったら、同僚や上司が困るようにしてやる」
と思う人もいるんですね。
例えば、パソコンの顧客管理データを細工して、自分がいなければそれが他の人が見られないようにするとか。
立派でない私がこんなことを言っても説得力がないかもしれませんが、人を困らせるようなことをしてはいけませんよ。
お釈迦様が言った「この人がいないと困る」タイプの人間というのは、例えば、病気で会社を休んだ時のことを考えて、他の人にもすぐわかるようにしてあげている、とか、そういう人のことを言いますか。
こんなふうに、みんなの役に立つことを考え、それを実行するから、周りの人達に、
「この人に会えてよかった。この人がいなくなったら困る」
と、思ってもらえるようになるんです。
私も、そう思ってもらえるように、がんばります。
完璧にはできないけれど、一番か、せいぜい2番の人間でありたい、と思っています。
お客さんに対してだけでなく、何かの縁で知り合った全ての人々に対して。
それが、私にとって、最大のしあわせで、最大の成功なんです。
斎藤一人さんの話を纏めました。
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