コインだって、必ず裏と表があるんだよ。
不況だろうが、必ずいいとこがあるの。
少ない中からいいとこを見つけ出せる人間は、不況だろうがなんだろうが、マイッタしないんだよ。
みんな、いいか。
東京にいるときは、「東京って、いいところですよ」って言うんだよ。
タクシーがたくさん走ってるから、手を挙げればすぐにタクシーに乗れるとか。
東京にいながらにして全国の郷土料理、世界中の料理だって食べられる。
夜の夜中でも、フランス料理を食べられるんだよな。
今度、千葉へ行ったら、「千葉って、いいよね」って。
海もあって山もあって、いろんなアウトドアのレジャーを楽しめるし、リラックスできるし、こうで、こうでって、千葉いいとこを言うの。
新小岩に行けば、「新小岩、最高」なんだよ。
新小岩は下町で、名物も何もなくて観光客が来ないんだよ。
だから、ここの商店はちゃんとした固定客を捕まえておかないと、みんな、店が潰れちゃうから、うまいものやなんか、いっぱいあるんだよ。
そこが新小岩の良いとこの一つ。
こんな風に、その場、その場でいいとこを見つけるの。
そしたら、いいとこを褒める。
そうすると、地元の人も喜ぶし、そこの土地の神様も喜ぶんだよ。
それから、少ない中からいいとこを見つけ出せる人間は、人の来ない場末で商売をしてても、
「ここで何をやったらいいだろう」
というのが分かる。
不況が来ても、世間が
「不況になって、やんなっちゃう」
ってマイッタしてても、自分はマイッタしないの。
「不況は不況で、必ずいいとこがあるんだ」って。
わかりづらいかな？
表裏一体
あのな。
コインだって、必ず裏と表があるんだよ。
裏だけのコインとか、表だけのコインってないだろ。
江戸時代、吉原に売られた娘がいる、ということは、吉原で遊んでた奴もいるんだよな。
それと同じように、不況だろうが、必ずいいとこがあるの。
それを見つけられるようになったら、
「不況だからこそ、こういう良いことできるじゃん」
ってなるんだよ。
どこに行こうが、今、自分がいるところを「素晴らしい」って、言えるんだよ。
そうすると、そこにいる土地の神様も味方してくれるの。
もちろん、あなたの周りにいる人も喜んで、味方してくれる。
あなたを守護してる、守護霊さんも、嬉しいんだよ。
自分を卑下しながら生きてる人間を励ますのって、一人さんだって、周りの人だって、結構、大変だからな。
だから、自分探しの旅をすれば自信がつくから、すべてが味方になって、人生、変わってくるんだよ。
欠点は、欠点のままにしとくから、欠点なんだよ
これからは、みんなは自分探しの旅に出かけるんだけど、
自分が納得するまで、何年かかってもいいから、
「あの時、あれで良かったんだ」
「あの時の事を考えると笑っちゃう」
そうやって、プラスにひっくり返してくるんだぞ。
いいかい。
欠点というのは、欠点のままにしとくから、欠点なんだよ。
ひとたび乗り越えちゃうと、宝になるんだよ。
わかるかな？
元から話が上手かった人よりも、最初は上がっちゃって、全然喋れなかった人がそれを克服して、喋れるようになると、すごい、いい味を出すんだよね。
それで、どうやって克服したのか、そのプロセスを話すとね、すごく、それって、いい話なんだよね人前であがって喋れない人って多いから、その話って、みんなを助けるから、喜ばれるんだよ。
それから、俺の仲間で、千葉でさかぐらやってる寺田さんがね、子供の頃、おねしょがやまなかったらしいんだよな。
やまんなくて、修学旅行に行けなかったんだって。
旅館でおねしょして迷惑かけるといけないからって、行かなかったんだけど。
逆に言うと、行かなかったから、
「あそこんチはお金もあるのに行かないのはおかしい。どうせ、おねしょでもするんだろうって」
って、噂が立っちゃって。
それを寺田さんから聞いた時、俺、こういったの。
「寺田さん、みんなの前で、それ、いおうよ」って。
なぜかと言うと、隠してると、ものすごく重いものになるんだよ。
そしたらね、俺の収穫祭の時なんかのイベントをやって、みんなが集まった時に。
伊能忠敬だっけ？ 伊能忠敬だよね。
あの人、寺田さんとこの近所の人なんだよね、佐原の人だったかな？
それで、寺田さんがね、イベントでミ集まったみんなを前にして、
「伊能忠敬は日本地図を書いてたけど、私は毎日、世界地図を書いてたんです」
って、みんなを笑わした時にね、もう、この人からは心の傷が消えたなっていう。
なまじね、会社の社長になったり、本まで出したりしてるとね、なかなか、言えないじゃん。
だから、普通は欠点をひた隠しに隠して、欠点のままになっちゃうんだけど。
どっかで、自分が笑い飛ばせたりさ。
できたらいいね。
それから、こういう経験があったから、自分はそういう人の、おねしょをする人の気持ちがわかって、人のことを傷つけなくなったんだ。
だから、自分が優しくなれたのは、欠点があったからなんです。
そうやって、行った時、欠点だと思っていたものが、宝に変わるんだよな。
だから、どっからでもいいから、記憶の中を旅してさ。
ひとつずつ、こう、いい方に、いい方に、プラス、プラスに。
あの時、自分はこういうことがあったから、同じような人を見てもバカにしないし。
人前で話せなくても、顔が真っ赤になっちゃってる人を見ても、「自分もその人の気持ちが分かるんだ」って。
だから、あのことで自分は優しくなれたんだ。
もしね、自分が最初からうまく話せるような人だったら、話がつっかえる人を見てね、「だらしねーなー」と思っちゃうか、分かんないし。
斎藤一人さんの話を纏めました。
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