かわいそうだ、かわいそうだと言って育てると、可哀想な子になってしまうの。
「かわいそう」と言って育てない
私がまだまるかんの仕事をする前に、子育ての悩みを一人さんに相談したことがあります。
それは、その時やっていた訪問販売の仕事が忙しく、子供とあまり遊んでやれないということ。
それと収入も不安定なので、妻に仕事をしてもらおうかと考えているということでした。
しかし私は、妻が仕事をすることに抵抗を感じていました。
それは私が小さい時に、母が言っていたことを思い出すからです。
母は、スキーシーズン中は旅館の仕事、シーズンオフの時は、ゴルフ場でキャディの仕事をしていました。
だから、特に3番目の直樹の面倒をあまり見ることができなかったのです。
そのことで母はしょっちゅう、「私は仕事で忙しいから、なおきの面倒をあまり見てあげることができなくて、かわいそうだ」と言っていて、私はそれをずっと聞かされてきたのです。
だから私は、子供が小さいうちは母親が家にいないと子供が可哀想だと、ずっとそう思ってきました。
そのことを言うと、一人さんは、
「それは、子供に対して何を言うかなんだよ。
かわいそうだ、かわいそうだと言って育てると、可哀想な子になってしまうの。
俺なんか、母親がずっと仕事をしてたけど、可哀想な子だなんて一度も言われたことないよ。
お母さんは、『私もがんばって仕事するから、お前もがんばんなよ』って言ってくれたから、自分が可哀想だなんて一度も思ったことなんかないよ。
だから、おさむもそうやって育てればいいんだよ」と言ってくれました。
「かわいそうだ」って言葉には、かわいそうな波動が出ていたんですね。
ピアノよりバイオリン
うちの娘はピアノを習っています。
ある時、娘が習っている先生から本格的なピアノの購入を勧められたことがあります。
その頃ウチでは、12000円くらいのおもちゃの電子ピアノで練習させていたのですが、それだと鍵盤が柔らかすぎて指が反ってしまうから、ちゃんとしたピアノで練習させた方がいいですね、とアドバイスを頂いたのです。
ピアノを買うぐらいのお金はもちろんあるのですが、私はピアノを買いませんでした。
家の構造でを重いピアノが置けなかったこともありますが、ピアノを買ってしまうと、もし娘がピアノの練習をしなかったら、「こんな高いピアノを買ったんだから練習しなさい」と娘を責めてしまうからです。
娘も、もしかしたらピアノを辞めたいと思う時が来るかもしれません。
その時に娘を責めたくなかったので、ピアノは買わず、ピアノ風電子ピアノを買いました。
「その話、わかるよ。
俺の友達にはグランドピアノの下で寝てるやつがいるもん。
その人は家が狭いのに、娘のためだからって、無理してピアノを買っちゃったんだな。
今ではそのピアノ、カバーを被せられて、花瓶置きになってるよ。
だから俺はよく、娘にはピアノよりバイオリンを習わせなって言うの。
もしバイオリンだったら、やりたくなくなった時に片付けてやれるけど、ピアノだと簡単に片付けられないからなって言うんだよ」って話してくれました。
子供の豊かな才能を開花させるために、高価なものを買ってあげることも素晴らしいことだと思います。
しかし、そのことで子どもの心を苦しめ、自分の心も貧しくなるようでは考えものです。
学校もそうですね。
子供が将来苦労しないようにと、いい学校にいれさせたい親心は私もよくわかります。
しかし、そのことで子供を苦しめるようなことになるのは、よくありません。
子供は親が大好きです。
だから、大好きなお家の喜ぶ顔が見たくてがんばります。
それが出来なかった時、できないことを叱ると、子供は劣等感を持ってしまいます。
一人さんは、「入れてくれた学校が、その子にとって一番良い学校なんだ」と言います。
子供がチャレンジに失敗した時は、是非、そう言ってあげられる豊かさを身につけたいものですね。
みんなが豊かになることを考える
子供が保育園に通っている時に、私は保護者会の会長をさせていただいたことがあります。
毎朝キラキラ光り物をつけて、顔をツヤツヤにして子供を送っていたら、目立ってしまったようです。
その保育園は、ある社会福祉法人が運営をしているところで、そこでは障害者の働く場所を提供する活動をしていたり、特別支援学校の運営をしたりしていました。
素晴らしい保育園なので、頼まれた時は笑顔で引き受けました。
一人さんも「頼まれごとは運が良くなる」と言っていますから。
保育園では運動会などのイベントの時だけ、障害者の方たちが焼いたパンやお菓子の販売をしていました。
それを見た私は、「イベントの時だけじゃなくて、もっと定期的に売ったらいいじゃないですか」と提案しました。
それと園長先生が、「そういうことをしていると、お金儲けが目的みたいで、保護者の方から何と言われるか心配なんです」というのです。
そこで私は、「保育園だってしっかり儲けなければ、働くお母さんが子供を預ける場所がなくなっちゃうんですよ。
それなら私が保護者全員に手紙を書きます。
販売に対して反対の保護者がいなければ、週に一回、注文を受けたぶんだけ焼くようにすればいいんです。
そうすれば、買った人も嬉しいし、売れた側も嬉しいし、売れ残る心配もないから経済的ですよね。
それで売上が上がれば、さらにまた障害がある人を雇うことができますよね。
保護者の中で、このパンは美味しいから欲しいと思っている人からだけ注文を取れば、欲しくない人は買わないから無駄もないですよね」と言いました。
保育園側にも了解を取った私は、保護者全員へ手紙を送りました。
すると、保護者からの反応は私が思っていた以上に評判が良く、みんなから喜ばれました。
さらに働いている人にもすごく喜ばれて、保護者総会の時に、わざわざお礼を言いに来てくれた人もいました。
一人さんは、「俺たち商人は、自分たちの利益だけを考えちゃダメなんだ。
商品を買ってくれるお客さんのためになることをしないといけないし、商品を買ってくれてない人の事も考えないと駄目なの。
なぜかと言うと、その人たちは、ウチの商品を買ってくれている人のお客さんかもしれないから。
だから、『売り手よし、買い手よし、世間よし、そして、天が見ていて〇をくれる』の『四方良し』を常に考えないと駄目なんだよ」と教えてくれます。
みんなで豊かになる「渡り鳥経営」
まるかんは今まで通信販売を中心に仕事をしていました。
それが「これからは、まるかんの考えを理解して、共に幸せの道を歩きたいという人と仕事をしていこうという」ことで、取扱店の募集が始まりました。
私の仕事は、その募集と勉強会などで取扱店さんのサポートをすることでした。
とはいっても、全く経験のない仕事です。
「うまくいっている人の真似をしてごらん。それだけで人生はうまくいくから」
福井に行ってすぐに大阪の柴村恵美子社長の会社で新規説明会があると聞き、早速、勉強をさせてもらいに行きました。
説明会の前に見せるビデオ、素晴らしい資料と明確な説明、ワクワクする仕事の内容を全てメモして帰りました。
そして完璧にコピーしました。
さらに一か月後、東京で会議があった時に、はなゑ社長の会社の大田部長を紹介してもらいました。
その当時、はなゑ社長の会社は、まるかんの販売代理店の中で一番の成績を上げていたので、私は三日間、大田さんにくっついて、青森・岩手のお店を回りながら取扱店さんとの接し方、仕事への熱意など、惜しみなく教えていただきました。
一人さんから「一番の人は一番良いことをやっているから一番なんだよ。だから、ただ学んでくるんだよ。絶対に自分の意見を言っちゃダメだぞ」と言われていたので、福井に帰ってからはとにかく大田さんの真似をして、大田さんのやっている週1回の情報FAX、報告書、事務所内の張り紙など全部やりました。
そうすると、売上も面白いように上がって行ったのです。
「いいこと聞いたらすぐ実行。本当にすぐだぜ」
真似をして、真似をして、真似をする。
オリジナルを作るというのは、その後なんです。
それが出来るのも、一人さんの「渡り鳥経営」のおかげです。
「渡り鳥は、海を越えて遠い故郷に帰る時にV字型になって飛んでいきます。
先頭を中心にしてV字型になって飛んでいくんです。
前の鳥が羽ばたくと後ろに上昇気流が起きて、後ろで飛んでいる鳥たちは、その上昇気流に乗って飛ぶと飛距離が伸びるんです。
それで、先頭で飛んでいる鳥に『顔晴ってね』という声をかけるんです。
先頭の鳥が疲れると先頭がスッと後ろへ行く。
そうすると元気なものはパッと前に出てきて先導していくんです。
まるかんの社長たちは、いろんなゲームをやって『キョウソウ』してるんです。
トップになると『こういうやり方でトップになったよ』って、すぐみんなに教えるんです。
『キョウソウ』と言っても、共に創る『共創』なんです。
人間の修行の中で二つやらなければならないことがあるとしたら、一つは、知っていることをもったいつけずに教えること。
二つ目は知らないことを素直に聞くこと。
それだけで人生はすごく楽なんだよ」
例えば新商品が発売になります。
一人さんから「これはこんな商品だよ」という説明があります。
一人さんがやることはそこまでなんです。
そこから各隊(まるかんグループの会社を、遠藤社長の会社なら遠藤隊、はなゑ社長の会社ならはなゑ隊と、隊で呼んでいます)がどんな形で紹介するのがいいのかを考えて、販売が開始されます。
すると各隊の売り上げがすぐにわかるようになっているので、売上が上がっている隊にどんなことをやっているのかを聞いて、それを真似するのです。
一人さんは、「社長の仕事で一番大切なのは、社長同士が仲良くすることだよ」と言います。
社長同士の仲が良いと情報交換がしやすくなるのです。
だから私の役割は、他の隊の人と仲良くして、いろんな情報をもらえるようにすることなんです。
まるかんの仕事の秘訣は、
「命令するより指導する。競争するより協力する。みんな仲間だから」
なんです。
あるプロ野球選手が、その球団のOBである有名な選手に「変化球の投げ方を教えてください」と頼んだら、数百万円よこせと言われたそうです。
それがプロの世界なのかもしれません。
しかし、まるかんの経営は「共(友)に伸びる」なのです。
一人さんが天国と地獄の話をしてくれました。
「大きな鍋の中に、うどんが煮えていて周りに大勢の人が長い箸を持って座ってる。
うどんを作って食べようとするけど箸が長くて食べられないのが地獄。
天国は同じ状況でも、長い橋で作ったうどんを前の人に「どうぞ」ってあげるんだよ」
地獄じゃ、みんな自分のことしか考えないから食べられないけど、天国の人は心が豊かだから、全員が美味しくうどんを食べられるんだよ」
心を豊かにして教え合うって幸せですよね。
全力で教えると豊かになる
ある時私は、ある時「一人さんはなぜ、そんなにいろんなことを知っているんですか?」と聞いたことがあります。
すると一人さんは、「知っていることを全力で教えるからだよ」と言うのです。
「自分の知ってることを周りの人に全力で教えると、自分の引き出しが空っぽになるんだよ。そして、空っぽになると神様が次のことを教えてくれるんだよ」と教えてくれました。
知恵を持っている人がその知恵を出し切って人に教えると、その人の知恵は空っぽになります。
そうすると自然と、それより上の知恵が入ってくるようになっているのです。
200万円売れる人は、その知恵を全力で周りの人に教える。
それをやると今度は、300万円売れる知恵が手に入るようになっているのです。
中には、「せっかく苦労して自分勝手に入れた儲かるノウハウを、他人にしかもタダで教えたら損だ」という人がいます。
これは心の貧しい考え方ですね。
そうではなく豊かな心をもって、自分がうまくいった方法を他の成功していない人に教えてあげれば、あなたは成功した上に、いい人になるのです。
そして教えた以上の知恵が自分のところに戻ってきて、あなたはより豊かになるのです。
そして聞いた人は、「いいこと聞いたらすぐ実行。本当にすぐだぜ」なんですよ。
斎藤一人さんの話を纏めました。
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