いきなり力を入れて無理やり曲げようとするのではなく、ゆっくりと 、じわっと力を入れて、私という竹ひごを曲げて行ってくれたのです。
竹ひごの教え
私はまず、一人さんの話を聞くというステージに上がることができました。
だからといって、私がそこですぐ変われたわけではありません 。
私が長年かけて自分に植え付けてきた心の貧しさや劣等感は、そう簡単には消えてくれず、相変わらず一人さんの話に対して、見当違いの返事をしていました。
すごい話があります。その頃、一人さんは十夢想家に来ていた人たちに詩を作ってプレゼントしていました。
ある時、一人さんが一枚の色紙を見せてくれ、「この詩の意味わかるかい?」と聞きました。
周りの人は、「優しい詩ですね」「 観音参りの景色が浮かびますね〜」と笑顔で答えていたのですが、未熟な私は「よく分かりません」と答えてしまったのです。
すると、一人さんは優しく微笑んで「修の詩じゃなかったね」と一言。
そうです・・・・・・・、私のために作ってくれた詩を台無しにしてしまったのです。
そんな私を一人さんはどのように支えてくれたのか。
一人さんはよく、「竹ひご」の話をしてくれます。
「竹ひご」とは、竹や家具などの竹細工製品の材料になるものです。
子供の頃は、竹ひごで作ったプロペラ飛行機でよく遊びましたね。
一人さんの教え方はまさにこの、「竹ひご方式」なのです。
「竹ひごって、すごく丈夫なんだけど、急に力を加えたり、無理に力を加えたりすると折れちゃうんだよ。
曲げる時は、 曲げたい部分をろうそくの火でゆっくりと炙りながら、徐々に力を入れて曲げるんだよ。
人も同じで急には変われないんだよ。
ゆっくりゆっくり教えて育てるものなんだよ」
一人さんは誰かをいきなり変えようとは絶対しません。
相手のことを否定することも、絶対にないのです。
私の言うことを「そうだよね。わかるよ」と聞いてくれた上で、さりげなく私の心が変わるような話をしてくれるのです。
いきなり力を入れて無理やり曲げようとするのではなく、ゆっくりと 、じわっと力を入れて、私という竹ひごを曲げて行ってくれたのです。
また、一人さんはある人に役立つ話をすると同時に、隣にいる人や周りの人も学べるような話をしてくれます。
私のような劣等感がある人は、面と向かって言われると、どうしても拒絶反応が出ます。
そういう時は周りの人に話しながら、私に伝えてくれるのです。
他人のことだと冷静に、しかも客観的に考えることができて、自分が気づきやすくなるのです。
私は、ゆっくり、ゆっくり一人さんに変えていただき、話が聞けるようになっていきました。
一人さんの教え方
その昔、中国に孔子というとても偉い哲学者がいました。
その教えは『論語』という書物にまとめられ、今もなお、多くの人に読み継がれています。
孔子は弟子に対して何かをしている時に、答えを教えず、常に「考えてごらん」と言って、弟子たちに考えさせました。
これに対して一人さんの教え方はどうかと言うと、考え方も教えてくれますが、答えまでも教えてくれるのです。
「学校のテストは教えたことしか出ないんだよ。
習ってないことがテストで出ると問題になるから、
常に授業で教えたことしか出ないの。
学校では必ず答えが決まっているものしか出ないけど、仕事や社会で起きる出来事は 、教えても全く同じものが出るとは限らないんだよ。
例えば関東大震災の時に、『もう、この地域はおしまいだ』と言って、二束三文で土地を手放した人が多く出たけど、その安くなった土地を買った人が、その後の復興で大金持ちになったという例がたくさんあるんだろ。
だからといって阪神・淡路大震災の時に同じような事が起こったかと言うと、起こらないんだよ。
それは、復興した時に値段が上がるのをみんなが知っているので、売ろうとしなかったからなんだよ。
経済で全く同じことというのは起きないんだよ。
それと同じで人生においても、同じことが2度起きることはないんだよ」と一人さんは言います。
そして、「答えを教えたところでそれが出来るか分からないし、教えないともっとできない。 それで、聞いてばかりでいいんですかって言うけど、聞いているうちに、違う問題が出たとしても、一人さんだったらこうするなっていうのが分かるようになってくるんだよ」。
学校の試験で他人に答えを教えたり、他人の答えを見たりしたらカンニングになりますが、 まるかんではみんなで100点を取ろうとしますので、みんなで答えを教え合います。
こうして、みんなで楽しく伸びて行こうとするのがまるかん流であり、「渡り鳥経営」というひと一人さんの教え方なのです。
100%信じきる力
一人さんのすごいところは、大金持ちだとか、いろんなことを知っているということだけではありません。
私がひとりさんのことで一番「ここがすごい」と思うことは、
人を信じる力です。
私が初めて一人さんとお会いした時、劣等感や心の貧しさからか、ひとりさんのことが全く信じられませんでしたし、言っている事も全く理解できなかったのです。
それにもかかわらず、一人さんは私のことを信じ切ってくれていました。
それはお弟子さん達にも言えることです。
よく、「お弟子さん達は、一人さんと早く出会えたから成功できたんだというようなことを言う人がいますが、 私も含め、一人さんは昔からあった人に区別することなく、誰に対しても一生懸命教えていました。
その当時だけでも、一人さんの話を聞いた人はたくさんいたはずです。
その中で唯一お弟子さん達だけが、ずっと一人さんのことを信じてついてきたからこそ、今の成功があるのです。
今ではひとりさんは累計納税額日本一の大金持ちとして知られ、ベストセラーも数多く出していらっしゃるので、
「私は一人さんの事を信じています」という方は多くいます。
でも、お弟子さん達は一人さんが全く無名だった頃から、ひとりさんの事を信じてついてきたのです。
一人さんが信じてくれたのと同時に、遠藤社長が私を100%信じて、常に私のそばにいながら導いてくれたからです。
まるかんの仕事を始めた当初、「一人さんが福井に来て説明会をしてくれたら取扱店がどんどん集まるでしょうね」と言ったら、遠藤社長は「それじゃあ修はいらないだろ。一人さんは俺たちを信じて福井県と石川県おあずけてくれたんだから、俺たちがしっかりやるんだよ」と話してくれました。
そして、事あるごとに私を一人さんに会わせてくれ、「俺が聞いて伝えるより自分で聞いたほうが分かるから、修も一緒に聞きなよ」と言ってくれたのです。
まだ一人さんの考え方を理解していない私に対して、「 それはちょっと違うな」とか、「これはこういうことなんだよ」と、一人さんに代わってその考えを教え続けてくれたのです。
考え方次第で心はもっと豊かになれる
一人さんと旅をしていると、一人さんが素敵なプレゼントをくれます。
どんなものかというと、「山」とか「小屋」とかいろいろです。
東北道を走っているときに、キレイな山を見つけました。
すると一人さんが、「あの山を修にあげよう。 あれは修富士だ」と言って山をプレゼントしてくれました。
また、山道を歩いている時に途中で休憩所を見つけると、「 あれは修茶屋って名前にしよう」とか言ってワイワイ楽しむんです。
1円のお金もかけずに地主になれたり、茶店の主人になれたりするんです。
楽しいでしょ?
もちろん私も実践していますよ。
私の家の前には広い公園があります。
私はその公園のことを「佐藤修公園」と呼んでいます。
トイレも豪華に五つあります。
もちろん市営の公園なのですが、私はそこを自分の庭だと思って、毎朝犬と散歩しています。
そう思うと心がすごく豊かになって散歩が楽しくなるのです。
私に代わって市の人が手入れをしてくれるなんて、ありがたいなぁとか、これだけ広い土地を所有しているのに、固定資産税を払わなくていいなんてついてるなとか、そんなことを考えながら、楽しく散歩しています。
ゴミが落ちていたら、当然、拾います。
だって自分の庭なんですもの。
汚れていたら気になりますよ。
そうやってゴミがなくなったきれいな公演を見ていると、また一段と豊かな気持ちになれるんです。
一人さんはコンビニのことを、「ウチの冷蔵庫」と呼びます。
また洋服屋さんを「ウチのタンス」と呼ぶのです。
一人さんは、「全国に冷蔵庫やタンスを持っていて、全部預かってもらっている 。お金を出せばそれをいつでも引き出して使うことができるんだ」って言うんです。
スケールが大きいですね。
その昔、豊臣秀吉が飼っていたうぐいすが逃げ出すという騒ぎがありました。
部下が下手をすれば切腹を言いつけられるのではと、恐れながらそのことを報告すると、秀吉は、「よい、どこに逃げても、そこはわしの国だ」と言ったのだそうです。
このスケールの大きさが、秀吉の大きな魅力だったのでしょう。
でも一人さんは、秀吉を超えるスケールと楽しさを持っているんです。
このように、考え方次第で心はもっと豊かになれると思いませんか?
斎藤一人さんの話を纏めました。
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