息を吸って今世を終え、新たな肉体を得て生まれる時には、その息を吐き出して、人生をスタートさせる。
呼吸という2文字からも、人の魂が生き通しであることが読み取れるわけです。
人の生き死にの中で起きていること
呼吸という単語は、「呼気（吐く息）」「吸気（吸う息）」の文字で成り立ちます。
そして文字通り、呼吸とは、「吐いて吸う」のが、あるべき順番なんだよね。
ヨガや瞑想なんかでも、大抵「息を吐く」ことの方を重視するんだけど、それは、息をうまく吐けないと、呼吸がスムーズにできないからだと言われます。
生きるためには、まず息を吐くことが大事なんだよね。
と思うとね、赤ちゃんがこの辺に誕生する時に、「おぎゃー」と声を上げながら元気よく息を吐くのも納得なの。
あれは、息をしっかり吐き出すことで、その後、十分に空気を吸えるようにしているんだって。
赤ちゃんにとって、人生最初の大仕事は、泣くこと。
つまり、思いっきり息を吐くことなんです。
一方、人が亡くなる時には、「息を引き取る」という表現をするでしょ？
もう息をする必要がないから、最後は息を「ひいて（吸って）」終わる。
だから、息を引き取るという言葉が肉体の死を意味するんだよね。
息を吸って今世を終え、新たな肉体を得て生まれる時には、その息を吐き出して人生をスタートさせる。
呼吸という2文字からも、人の魂が生き通しであることが読み取れるわけです。
人の死は、人間の目には「これで終わり」「永遠にお別れ」「二度と会えない」という、絶望感や喪失感を伴う現実として映ります。
でもね、死の本当の意味は「あの世での誕生」であり、決してこれっきりではない。
魂の目で見ると、肉体の死はこうなるんです。
「いってらっしゃい、神様によろしくね」
「またあの世で会おう」
「先に行って、来世はどんな人生にするか考えておいて」
どうだい？
人間の感覚とは、随分印象が異なるよね。
これが理解できている人は、大切な人を失った苦しみ、悲しみを、上手に乗り越えられるの。
とはいえ、私たちは様々な感情を持つ人間だからね。
大切な人の魂とは、あの世でまた会えるにしても、今世と同じ肉体を持って生まれることは二度とありません。
慣れ親しんだ姿との別れはやっぱり寂しいし、辛いのは当たり前です。
だから、その感情を押し殺しちゃダメなんだよね。
悲しい時は、思いっきり泣いた方がいい。
苦しくて誰にも会いたくなければ、しばらく家に閉じこもっても構いません。
涙には浄化の作用があるから、泣いた分、心は軽くなる。
我慢せず、涙が枯れるまで泣けばいいよ。
ただ、さっきの話を知っていると、泣いた後に必ず立ち直れる。
見送った大切な人に恥じない生き方をしよう。
また会うその日まで、自分らしく、胸を張って生きようって。
そんな気持ちになれますよ。
斎藤一人さんの話を纏めました。
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