私、暴れちゃいました~、机をひっくり返しちゃったんです
ナースの告白「あの人との関係が悩ましい」
看護師さんをなさっている女性Yさんの話です。
Yさんは、職場の人間関係で悩んでいました。
同じ部署で働くお医者さんとナースさんたちが、うまくコミュニケーションを取ることができず、仕事の連携にも差しさわりが出ていました。
特に、悩ましいのは「うちのドクターだ」とおっしゃいます。
お医者さんには、患者さんを安心させるために威厳というものが必要なのですが、そのドクターには全く威厳がありません。
Yさんは何度も、そのドクターに言うのですが、当の本人は相も変わらず頼りない。
頼りにならないのに、プライドは高く、Yさん参ってしまいました。
そんな彼女に、職場の仲間のナースさんたちは救いの手を差し伸べてはくれませんでした。
それどころか、「あのドクターを何とかしてよ」「あなたがしっかりしていないから、あの先生はああなのよ」と不平不満を、Yさんにぶつけるばかり。
ドクターとナースさんたちの間に挟まって、がんばりすぎてしまったYさん。
私が初めてYさんとお目にかかったとき、彼女はそんな状況でした。
そして、彼女は今にも泣きそうな顔で、私に「ちょっと、聞いてもいいですか?」と声をかけてくれたのです。
我慢の毒が噴き出した!
Yさんとお会いした時に、私は思いました。
あぁ、この人はすごいがんばり屋さんなんだな、って。
というのは、私の前に座るや否や、Yさんは堰を切ったように、ウチのドクターがどうでこうで、同じ部署のナースたちもああで、こうで、と訴えるからです。
そして、彼女はもう限界でした。
彼女の腕を見た時に「もう私、限界!」というサインが出ていました。
湿疹ができていたのです。
Yさんは自分の気持ちを抑えに抑えて、毒を溜め込んでいました。
体はその毒を噴き出そうとして、湿疹になってしまったのです。
我慢の限界が皮膚に出ちゃっていました。
私はYさんに、「ごめんね」って言いました。
「あなたが気にしていることだと思うから、言わないでおこうと思ったんですけれど、ごめんね」って。
Yさんが我慢して、グッと迎えこんできた負の感情───例えば、不安や心配事を、不平・不満、悪口、文句など、マイナスの思い───の毒が出た。
それがYさんの湿疹です。
その湿疹は、あなたはもう我慢の限界なんだよというお知らせなんです。
それを伝えると、Yさんは真っ赤な目を潤ませながら、こう言いました。
「この一年間、ずっと悩んでいました。
この湿疹は一か月ほど前から出てきたんですけれど・・・。
でも、まさか、自分が我慢しているなんて、今の今まで気が付きませんでした」
「Yさん、我慢しちゃ駄目ですよ。そのドクターやナースさんたちにむかついたっていいんですよ」
私はそう言って、
自分が自分の、一番の応援団になる!ということを勧めたんです.
うまくいかないことはすぐやめる!
「自分が自分の、一番の応援団になる」とは、どういうことですかって?
それは、どんなときも、自分を責めない、いじめない。
何があっても、自分が自分自身を認めて、味方をしてあげるんです。
例えば、Yさんだったら、まず、心の中で自分自身に対して、こう言います。
「むかつくのは当然だよ、わかるよ、わかる。むかつくようなことを、あの人たちはしているんだもん」
こうして自分の味方をしたら、次は、この言葉を自分自身にかけてあげてください。
「そうやって思う自分を許します。そのままの自分を愛します」
自分のことを許していいんです。
この自分をこのまま愛してあげて下さい。
ということを、私はYさんに言いました。
そして、さらに、こんな提案をしたのです。
「人って、あんまり我慢していると、爆発しちゃうんです。
だから本当はね、我慢しちゃ駄目なんです。
何か事が起きたその都度、その都度、冷静にお話ができるうちに、私はこうした方がいいと思うか、こうして欲しいとか、言った方がいいですよ」
すると、Yさんは「いつも、そうしているんです。でも、本当に何回言っても、私の話に耳を傾けてくれません。
何度お願いしてもダメなんです」と言います。
その手では解決できない、ということは、Yさんの場合、その手は間違い、他にやり方がある、ということです。
今までやった事のない、他の方法にトライすればいいのです。
今までとは違う、この方法でいけるかどうかは、やってみて試してみればいい。
そう思って、Yさんにこう言いました。
「人は他人を変えられない、というルールがあるからね。
だから、先生は変わらないの。
先生が、自分が変わろうと思わない限り、変わらないのです。
あなたが変えられるのは、あなた自身、あなたが変わるしかないんです」
そして、さらにYさんにはこんな提案をしました。
「じゃあ、逆ギレでも、してみようか」
神秘的な、あまりにも神秘的な・・・・・・
「そ、そんな、はなゑさん」
戸惑うYさんに私は言いました。
「そのドクターの所へ行って、バーン! 机を叩く、もしくはゴミ箱をバーンと蹴飛ばして、
『ざけんなっ!』とか。『いい加減にしてください!』と言った方がいいですよ」って。
「仲間のナースさんたちにも、同じように、Yさん、あなたがちょっとキレたところを見せた方がいい。
あなたばっかり、周り中に気を遣っているから、みんな図に乗っちゃって、言うことを聞かなくなったんだと思うんです。
だから、わざと、ちょっと逆ギレしてみよう」
という提案をして、彼女を見送った翌日。
本当に、私は驚いて目が点になりました。
メール一読、走る衝撃
翌日、Yさんからメールが届きました。
Yさんからのメールには、自分の心が非常に軽くなったことへの感謝の気持ちが綴られていました。
そして、もう一つ。
翌朝、Yさんは目覚めて、
「えっ・・・・・・」と、まだ夢の続きなのかしら、というぐらいの奇跡を目の当たりにしたそうです。
私も彼女自身が書いたメールのその一文を読んで
「うそぉーーーっ!!」と、思わず叫んでしまいました。
神様って、本当にいるんだな、と思いました。
と言いますのは、メールにはこんなことが書いてあったからです。
「お腹と背中にかけてできていた湿疹が半分ぐらい、跡形もなく消えました!」
なんて素晴らしい奇跡なんでしょう!
と、思ったんですけれど、この奇跡は、これから起こる出来事の序曲にしか過ぎなかったのです。
彼女がキラキラ輝いているわけ
それから、1ヶ月ほど過ぎた、ある日のことでした。
ある場所で、あのYさんとばったりお会いしました。
その時、彼女はキラキラ輝いていて、
「はなゑさん、もう全部ばっちり行きました」
と言っていました。
それは良かった、本当に良かった───私も、めちゃくちゃ、喜んだのですが、でも、何をどうしたら問題───ドクターとナースさん達との人間関係───が解決したのかしら?
疑問に思って、Yさんに尋ねたのです。
Yさんの答えが、想像を絶するような答えでした。
彼女が何と言ったのか、気になりますよね。
すごいんです。
非常に聡明で物腰の柔らかいYさんが、こういったのです。
「私、暴れちゃいました~、机をひっくり返しちゃったんです」
それを聞いて、「えっ、本当?」と私は思いました。
自分としては参考までに話したつもりだったからです。
「逆ギレという方法もありますよ」(きっと、できないだろうけど・・・・・・)という感じで話したことに過ぎませんでした。
けれど、彼女は自分自身の判断で、一歩前に踏み出したのです。
「すごい、すごいよ、Yさん」
私は心から、Yさんに拍手を送りました。
斎藤一人さんの話を纏めました。
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