大人のカッコよさって、やっぱり、謙虚であること、行儀が良いこと、場をわきまえた振る舞いができることだと思うんです。
大人のカッコよさー有頂天ホテル
それは、私が、一人さんと知り合って1年目のお正月のことでした。
一人さんから電話が入り、「じゅんちゃん、遊びにおいでよ」と言われたのです。
その頃、一人さんは、毎年、年末年始帝国ホテルで過ごしていました。
だから、「遊びにおいでよ」は「帝国ホテルまでおいでよ」という意味でした。
帝国ホテルといえば、日本屈指の超一流ホテル。
私の憧れです。
正月っていうのは、家のこたつに入ってみかんを剥いているか、餅を食べるかが私にとっては普通でしたから、もうルンルンです。
「『夕方においで』と一人さんに言われたということは、帝国ホテルでディナーでもご馳走してくれるのかな?」
私は張り切って一張羅を着込み、いそいそと帝国ホテルに出かけました。
フロントで名前を告げると、早速一人さんに取り次いでくれました。
「斉藤様、千葉様がいらしています」
帝国ホテルで「千葉様」!
これだけでも有頂天です。
人生で、こんなに丁寧に扱われたことがない。
「こちらへどうぞ」
ホテルマンに案内され、向かった先は最上階の奥の方。
スイートルームでした。
「純ちゃん、よく来てくれたね。
ありがとう。ちょっと待っててね」
私たち二人を迎えると、一人さんは、一旦奥へと姿を消しました。
私たちは、ふかふかのソファーに座って、コーヒーなんか出されて・・・・・・・。
で、少したってから、「お待たせ」と出てきた一人さん、ピシッとジャケット姿が決まっています。
「一人さんもおしゃれしてる。
帝国ホテルのレストランで高級フレンチなんだ!」
私たちは、勝手な想像でワクワクしながら一人さんの後ろについて行きました。
ところが、エレベーターがおりると、そこは駐車場、促されるまま、一人さんのジャガーに乗り込みます。
「そうか。一人さんは毎日ここにいるから、帝国ホテルのレストランは、もう飽きてるんだな。
だから銀座花青山の一流レストランに連れて行ってくれるんだ♪」
私が勝手に思い巡らせる間にも、一人さんは、スイスイと車を走らせて行きます。
でも、帝国ホテルのある日比谷から銀座屋青山に行くには、ちょっと長いドライブに思えました。
そして気づけば、どうも見覚えのある景色・・・・・・。
錦糸町から亀戸を過ぎ、私の生まれ故郷・平井。
よく知ってる〜!
なんとそこは、さっき張り切って出てきたばかりの地元の街だったんです。
そしてついには、もっと見慣れた新小岩。
一人さんの出身地です。
そう、一人さんはひたすら、地元に向かって車を走らせていたのです。
「あれ〜? 一人さんが行こうとしてるのって、まさか、ひょっとして・・・・・・・?」
その予感は的中しました。
ようやく車を停めた一人さん。
「純ちゃん、うどん食べよう!うどん」
そう言って、私もお馴染みのうどん屋さんに入って行きました。
一張羅を着た私、そして、いつも通りジャケットとパンツが決まっている一人さん。
二人で、うどんをすするの図。
そのうどん屋さんは、確かに美味しいうどん屋さんです。
でも、高級ディナーのつもりが、うどんに・・・・・・。
私のがっかり度、分かってもらえますよね?
「ああ~、うまいなぁ、うまいな」
一人さんは、嬉しそうにそう言いました。
そして、そう呟く一人さんの姿を見たら、私はますます好きになってしまいました。
これこそが、一人さんの魅力の源なんだな・・・・・・と。
「一流レストランも美味しい、うどん屋さんも美味しい。
両方とも、ありがとう」
こう言えるのが一人さんの魅力なんです。
高級フレンチにはありつけませんでしたが、ほわほわと立ち上がるうどんの湯気の中で、しみじみと思いました。
帝国ホテルのスイートルームに、余裕で連泊できる財力がある。
だけど、絶対に、自分の財力をカサに着て、威張ったりしない。
一人さんって本当に、誰に対しても丁寧に、優しく、穏やかに接するんですね。
その根っこには、いつも人への敬意や謙虚さがあります。
大人のカッコよさって、やっぱり、謙虚であること、行儀が良いこと、場をわきまえた振る舞いができることだと思うんです。
具体的に言えば、誰に対しても丁寧に、綺麗な言葉遣いをすること。
目下の人も呼び捨てにせず、「くん」や「さん」をつけて呼ぶこと。
奇抜な格好ではなく、ちゃんと身なりを整えていること。
たとえ人よりお金を稼いでいても、いばらないこと。
これらのことを、さりげなくできるのが、大人のカッコよさです。
そして、何より、後から気づいたことがあるんです。
当時は一人さんにご馳走になる気満々でしたが、今では自分で帝国ホテルのレストランに行き、みんなにご馳走してあげることもできるようになりました。
一人さんは、高級料理をご馳走してくれるのではなく、自力で高級料理を食べられる人間にしてくれた。
誰かにご馳走してあげられるような人間にしてくれたんです。
一人さんの教えって、こういうことなんですね。
してもらうより、してあげられる人間にしてくれる。
何度も言いますが、借金を抱えていたやつが豊かになって成功できた。
それって、ここでお伝えする一人さんの教えを実践すれば、私に起こったのとまさに同じことが、皆さんにも起こりうるということなんです。
お金持ちになるほど、謙虚に、行儀よく
「純ちゃん、お金持ちになるって、全然人から褒められることではないよ。
お金持ちになったら、妬まれることもあるだろうし、足をすくおうとする人も現れるかもしれない。
でもな、それは自分次第なんだよ。
だから、謙虚さが大事なんだ。
お金を持っていばりん坊になったら、あっという間に人から嫌われるよ。
謙虚であることは、お金持ちになったら自分を守ることでもあるんだよ」
一人さんは、こうも教えてくれました。
一人さんは、若い頃からずっと成功している実業家です。
12年連続で納税額トップ10入りしていて、生涯納税額日本一で、とんでもないお金持ちです。
お金持ちになった人が取るべき姿勢や振る舞いを知り尽くしていたんですね。
一人さんはブレない。
私はちょっとお金を持っただけでブレブレ。
一人さんの言葉で、ようやく目を覚まし、私は、高級クラブ通いはすっぱりやめました。
というより、全然楽しくなくなってしまって、自然に行かなくなったんです。
謙虚で行儀の良いことが、大人のカッコよさ。
しかも、お金持ちになるほど、これが大事。
それがわかると、今まで豪遊していたお店でも、謙虚に、行儀よく振る舞うようになります。
テーブルに付いてくれる女性や店員さんにも気を使います。
そうして、自分が楽しんだり気分良くなったりすることより、周囲を楽しませたり、気分良くさせたりすることを優先するようになりました。
すると、どんな心境になると思いますが?
「どうして俺は、わざわざ大金を払って、こんなに気を使っているんだろう?」
そうなんです。
クラブで下品に振る舞えば「わざわざ大金を払って悪口は言われる」状況になり、謙虚に行儀よく振る舞えば「わざわざ大金を払って気を使う」状況になる。
どっちにしても、ばかばかしい話だったんです。
そういうわけで、私の足は自然と高級クラブから遠のいていきました。
すると、お金の使い方も、明らかに変化していったんです。
無駄遣いがなくなって、本当に欲しいものを吟味して買うようになりました。
大切な人との付き合いなども、以前より、きちんとできるようになりました。
こんな風に、「いいお金の使い方」ができるようになったんですね。
日々を丁寧に楽しめるようになった、なんて言ってもいいかもしれません。
研究に行儀良くなったことで、私はその場限りの楽しみじゃない、もっと深くて、
「先まで続く楽しみ」を知ったんです。
お金に負けている私は、もうどこにもいませんでした。
斎藤一人さんの話を纏めました。
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