板東の観音参りは、東京・神奈川・千葉・埼玉・群馬・茨城・栃木にある坂東三十三観音霊場を、1番から30番まで順番に10日ほどで巡ります。
願いが次々叶う、一人さんの観音参りとは?
斎藤一人さんは1年のうち2/3ぐらい旅をしています。
旅をしている中の一つに、日本全国の観音様をお参りしている旅があります。
20代半ば頃から、一人さんは趣味でこの観音参りをしています。
昔は銀座などに飲みに行っていたこともあるそうですか、すぐに飽きてしまったのだとか。
以来、観音参りが趣味になったのだそうです。
ところで観音参りと聞くと、何か修行のような辛いイメージってありませんか?
そんなイメージを持っていました。
「観音参りのあの楽しさは行った人じゃないと分からない。
とにかく楽しくて、面白くてしょうがない。
すぐにまた行きたくなるんだよ」
満面の笑みでひとりさんは本当に楽しそうに秩父や最上、西国、坂東など全国各地の観音参りの話をしてくれます。
そして数年後、私も観音参りに出かけることになったのですが。
実際にやってみるとめちゃくちゃ楽しくて面白い。
その面白さはやっぱり行った人でなければわからないのです。
一人さん曰く、観音参りは江戸時代の頃はレジャーだったそうです。
昔は自分の住んでいる国(地域)を出ることはめったにできませんでした。
だから、一生に一回、三十三箇所の観音様を巡ると、景色のいいところを観たり、温泉に入ったりしながら、自分の国のことを知りながら全部回れるようになっているのだそうです。
さらに、その当時お金持ちの人たちは、日本百観音(西国三十三カ所、坂東三十三カ所、秩父三十四か所を総称した100か所の観音参り)を回ります。
かつて鉄道も自動車もなかった時代、それは今で言うお金持ちの人がやる世界一周旅行と同じようなの。
日本最大のお金持ちの遊びだったのです。
そして不思議なのですけれど、観音参りを観音様に呼ばれた人でなければ行くことができないのです。
例えば、みんなで観音参りに行こうねと言っていても、一番行きたがっていた人が急に行けなくなってしまったり。
反対に、予定があって行けないはずだった人が、用事がバタバタと片付いて行けることになったり。
「観音参りというのは、健康でないといけない。
それから、家の中で揉め事があったら行けない。
この三つを観音様が片付けてくれないといけないの。
だから、行けるだけで幸せなんです。
そのことが分かると、ただありがたくて、楽しみながら行く。
だから願い事が叶ってお参りに行く。
すると、また願い事が叶うから、また行くっていう状態になるんです」
一人さんはそう教えてくれました。
また観音参りに行ったことがないという人も、私は呼ばれてないんだなんて決して悲しい気持ちにならないでくださいね。
私が一人さんの素敵なところを真似てきたように、私の話で何か一つでも真似していただき、いつか観音様に呼ばれる日が訪れると嬉しいなと楽しみながらその日を待ちましょう。
それではみっちゃん先生の旅、出発です。
リュック一つで出かけたみっちゃん先生
初夏のスカッと気持ちよく晴れたある日の早朝。
高鳴る気持ちを抑えきれず目覚まし時計より早く起きた私は、リュックを背負い鎌倉から始まる坂東の観音参りに一人で出かけました。
きっかけは、もちろん一人さんです。
「みっちゃんの笑顔は、観音様みたいに素敵だね」
「みっちゃんは観音様みたいに優しいね」
一人さんは、いつもいつもそう褒めてくれます。
いつしか私の心にも、観音参りに行ってみたいなという気持ちがムクムク芽生えていました。
「観音参りに行ってみたい!」
そう思い始めたら、もういてもたってもいられなくなってしまったのです。
坂東の観音参りは、東京・神奈川・千葉・埼玉・群馬・茨城・栃木にある坂東三十三観音霊場を、1番から30番まで順番に10日ほどで巡ります。
その総距離は1300kmにもなるのです。
それまで一人旅なんてしたことのなかった私ですが、何故だか不安よりも期待で胸がいっぱいでした。
鎌倉駅に降り立つと、三十三観音の場所が手描きで描かれた地図を片手に1番目の観音様がいる鎌倉最古のお寺、杉本寺を目指します。
大まかに描かれているため地図をグルグル回しながら、歩くこと20分。
登ることはできないのですが、すり減り苔むした石の階段がその歴史を物語っています。
脇にある階段を登った先に、風情のある瓦葺屋根のお堂が見えてきました。
そこには11観音が3体安置されていました。
その名の通り11の顔を持ち、全方向を見渡して苦しんでいる人をすぐに見つけ、救ってくださるというお優しい観音様です。
初めて対面した観音様のその美しい姿に、何とも言えない優しい気持ちが溢れ出してきました。
「観音様、私はあなたのお役に立ちに来ました」
そう呟き手を合わせました。
そのスカッとする清々しい気持ちは、今でもしっかりと心に刻まれています。
観音様のお役に立つ生き方
「観音様、私はあなたのお役に立ちに来ました」
私が初めて観音様の前で呟いた言葉に、お役に立つってどういうこと?と疑問を持った人もいるかもしれません。
観音参りと言うと、「健康になりたい」「お金持ちになりたい」「願いを叶えたい」というように、何かお願い事をするために行くと思ってしまいますよね。
私も最初はそう思っていたのでひとりさんに聞いてみました。
「一人さん、観音参りでいっぱいお願いしていいの?」
すると、一人さんはこう答えました。
「観音様のお役に立つために行くんだよ」
私は一人さんのこの言葉を聞いた時、頭の中がはてなマークでいっぱいでした。
「一人さん、観音様の役に立つって、一体どういうこと?」
すると、一人さんは優しくこう答えてくれました。
「観音様というのはね、草も木も人間も、何でも救ってくれる愛のかたまりなんです。
でもさ、観音様はこの世に生きている人を介さなければ、愛を表現し、困っている人を救うことができないの。
だから、救いの手助けをしてくれる人を観音様は呼ぶんです。
観音参りをしている人の中には、縋っていく人間と、呼ばれていく人間の二つのタイプがいる。
俺は観音様に呼ばれて、お役に立つために喜んで出かけているんだ。
観音様に呼ばれていくぐらいなんだから、自分の代わりに愛を形にしてくれた俺の願い事を叶えてくれるんだよ。
これを成功に繋がる黄金の鎖って呼んでいるんだ」
観音様のお役に立つといっても、決して難しいことはありません。
普段の生活でも、仕事でも、「いつも笑顔で、愛のある言葉を話せば、愛を表現することになる」のだとひとりさんは教えてくれました。
一歩一歩、足を前に出す
観音参りと言うと、おじいちゃんおばあちゃん達が巡っているイメージがありますよね。
でも、その道のりは決して平坦ではありません。
一番、二番、三番と順番に巡っていくと、時には舗装されてない暗い山道だったり、きつい階段があったりします。
でも、足を一歩前に出したさえすれば、必ず前に進んで乗り越えられるのです。
一歩一歩足を出すことの大切さは、後に私が商人になってからも心がけてきたことです。
何か新しいことに挑戦しようとするとき、不安や恐れが顔を覗かせて一歩足を出すことが怖くなってしまう時もありますよね。
それは当然なのです。
なぜなら、人にはもともと怪我をしたり、命を落としてしまったりしないように防衛本能が備わっているから。
もし、不安や恐れという感情がなければ、高いところから平気で飛び降りてしまったり、火に触ってしまったりなんて、無茶なことをしてしまうことでしょう。
神様は絶対に無駄なものを人間に与えません。
不安や恐れだって神様がくださった愛なのです。
だから、何か行動を起こす時に、「私は無理だ」「こんなことできない」と否定的な感情が出てきてしまうのは本能ですから仕方のないこと。
でも、階段1段程度の高さのところから飛び降りたところで、死んでしまうようなことはまずありませんよね。
一人さんは言います。
「完全にできなくてもいいから、「ついてる・感謝してます」って言いながら一歩ずつ足を出せばいいんだよ。
だって、学校の試験じゃないんだから、いきなり100点目指す必要はないの。
完全にできるようになってから足を出そうなんて思っていたら、人生が終わっちゃうよ。
なんでもいいから「ついてる・感謝してます」と言って一歩足を前に出す。
幸せに向かって歩き出すと、必ずいいことが起きるんです。
今までいいこと、悪いことが交互に起こっていたのだとしたら、そのうちいいこと、いいこと、いいことで、たまにちょっと嫌なことというように、どんどん良くなっていくの。
それとたまに嫌なことが起きても、いちいち不幸にならない体質になっていくんです。
例えば、人に嫌味を言われて暗い気持ちになって腹を立てていたのが、そのうち同じことが起きても、サッと明るく心を切り替えられるようになる。
いきなり億万長者になろうとしたって辛いだけだよ。
だってさ、シルクドゥソレイユみたいにすごいパフォーマンスを見てすげーなって思うけど、あれをいきなりやろうとしたら怪我するよ。
自分にできそうなことをからやればいいんです。
「ついてる・感謝してます」って言って10年かけてましな人間になればいいの。
俺も子供の頃は学校サボったり、遅刻をしたり、勉強しなかったり。
でも、10年単位でましになろうと思って、一歩一歩ましになってきたんだ。
自分で商売を始めて、人に喜ばれるようになって、そうやって一歩一歩足を前に出し続けていたら、たくさん税金を納められるようになって、長者番付に載るほどの大金持ちになることができたんです」
子供の頃からずっとひとりさんのことを見ていた私からすると、一人さんは10年かかる所かものすごいスピードで向上しています。
納税日本一になった後でも変わることなく、今でもすごいスピードで向上し続けています。
一人さん流の優しい愛情で、「10年かけてましな人間になればいい」と、私の心を軽くさせてくれるのです。
これまで私が歩んできた人生を振り返ってみると、一人さんから教わったこと、見て学んだことを一つ一つ真似て、幸せな道を一歩また一歩と歩いてきました。
困難なことがあっても、「ついてる・感謝してますと言って、一歩足を前に出せば必ず乗り越えられるんだ」
「これを乗り越えた後が、めちゃくちゃ楽しんだ」と思うと、ファイトが湧いてきてワクワクするのです。
「ツイてる・感謝してます」の言霊
「ツイてる・感謝してます」というのは、魔法の言葉です。
昔から、言霊といって言葉にはひとつひとつ力が込められています。
「ツイてる・感謝してます」がどんなにすごい魔法の言葉なのか、弟子仲間の遠藤忠雄社長から聞いた話を書かせていただきますね。
忠雄社長は1人さんと出会ったばかりの頃、自動車教習所の指導員として勤めていたのですが、ある悩みを抱えていました。
一人さんならこの悩みを解決してくれるのではないかと思った忠雄社長は、一人さんに相談したそうです。
「今勤めている教習所には指導員が100人いるんですけど、その100人のうち1人だけ、私のことを嫌っている人がいるんです。
困ったことに、その1人が私の上司なんです。
私は自動二輪教える資格も持っているのに、嫌われているから教えさせてもらえないのです。
それから、朝、私が上司にオハヨウゴザイマスと挨拶をしても、上司はオっと小さな声で返すだけ。
他の指導員がその上司におはようございますっていうと、ちゃんとおはようって言うんですよ。
ひどくないですか?」
一人さんは忠雄社長の話をすべて聞くと、こう答えました。
「忠雄ちゃん、それならすぐに解決できるよ。
今からその解決方法を教えてあげるから、よく聞くんだよ。
これから話す言葉は、魔法の言葉だから忠雄ちゃん、覚えておくんだよ。
明日、その上司に会ったら、挨拶に一言笑顔を添えて、感謝してますと言ってごらん」
忠雄社長は驚いていました。
「一人さん、絶対に言えません。
だって、その上司にこれっぽっちも感謝してませんから。
だから、言えません。
うちの母はいつも私にこう言います。
心にもないこと言うんじゃないよ。
心で思っていないのに、感謝してますというのは無理です」
すると、一人さんは優しく包み込むような笑顔でこういったそうです。
「忠雄ちゃん、いいかい?
人間、心で思ってから口に出して言うのだとすると、10年経っても20年経っても言えないよ。
だから、心で思っていなくてもいいから、口に出していいな」
その通りだなと思った忠雄社長は、次の日、早速言ってみることにしました。
前から歩いてくる上司に向かって、忠雄社長はニコッとわらい、「おはようございます!感謝してます」。
すると、その上司は「おはよう」と返してくれたそうです。
教習所に勤めて以来、初めて聞いた上司の挨拶が飛び上がるほど嬉しかったそうです。
そして、「感謝してます」の言葉の魔法の威力は、更なる奇跡を起こしてくれました。
その日のお昼休みに、その指導員室に呼ばれた忠雄社長がこんなこと言われたそうです。
「遠藤くん、君は確か自動二輪を教える資格を持っていたよね。
そろそろ、やらないかい?」
忠雄社長が嬉しくて嬉しくて、「やらせていただきます!」と即座に答えたそうです。
そして、指導員室を出る際、上司から、「今晩一緒に飲みに行かないか?」と誘われたのでした。
飲みに連れて行ってもらったのも、この時が初めてだったそうです。
それ以来、忠雄社長は心から「感謝してます」という言葉が出るようになったと話してくれました。
実はこの話には後日談があります。
一人さんに会ったとき、忠雄社長は「感謝してますと言っただけで、なぜあんな奇跡が起きたのでしょうか?」と尋ねたそうです。
「忠雄ちゃんは家庭のこと、親のこと、いろいろあったよね?
体も人一倍大きかったし、喧嘩も強かったし、正義感も強かったから人助けもたくさんしたけど、弱い者いじめをしちゃったこともあるよね?
強い人間はやれるた人の気持ちがわからないんです。
だけど、教習所で働き出して自分の上司が忠雄ちゃんに意地悪をして、初めて弱い人間はイジメられたときにこんな気持ちだったのだなということ理解できたよな。
嫌な上司だなと思うのは人間界のいい方なのだけど、その上司のことをこの人が観音様の化身なんだ。
この人が自分に夜のことをされたときの気持ちを分からせてくれたんだ、ありがたいな。
この人を観音さまだったと思ったら、ありがとうございます。
感謝してますと、自然と言葉が出るよな」
一人さんの真意を知り、忠雄社長は感謝してますの言葉の素晴らしさに気づけたそうです。
「ツイてる」も同じです。
例えば、出かけようとしたら、突然雨が降ってきたとき。
「ついてないや。出かけるのはもうやめよう」と思って家でじっとしていたら何も起こりません。
そうではなくて、「雨が降ってきた、ツイてる!
この前買ったお気に入りの傘で出かけよう」と楽しく出かけたら、ステキな人との出会いが待っているかもしれませんよね。
どんなことが起きても、ツイてるといえば、悲しいことも、失敗も、苦い経験も、やがてツイていることに変わるのです。
幸せになりたかったら、「ツイてる・感謝してます」の魔法の言葉を1日100回いうといいですよ。
斉藤一人さんのお話を纏めました。
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