それでですね、「ゆでガエル現象」っていうのがありまして。
カエルをですね、水の中に入れて、下からゆっくり温めると、そのまま、茹で上がっちゃうんだな。
- 〇✖試験って、何も書かないと、0点なんだよ
- 一歩一歩、足を出していくのも、出し方ってものがあるんだよ
- 解決できないから「無力」じゃないんだよ。自分の代わりに時間が解決してくれるんだよ
- 周りを信じていけば、全然、怖くないよ
- 人って温かいな
〇✖試験って、何も書かないと、0点なんだよ
一人さんの下でいろんなことを教わりつつ、親には内緒で会社を辞める旨を上司に伝えたり、店舗を探すなど、商売を始める準備をしていました。
自分(みっちゃん先生)にこんな行動力があるなんて、と、自分でも驚いてしまったのですが、一人さんの話には、人をやる気にさせる不思議な力があるんです。
「常に、明日に向かって足を出す」
という話も、そんな話のひとつ。
どういう話かというと・・・・・・。
商人って、常に明日に向かって足を出していかないと、仕事ができないんだよ。
「ツイてる」
って、一歩、一歩足を進めると、自分が間違ってることをしてたとか、ただしことしてたとかが分かるんだ。
だけど、その場で足を出せないと、その場で✖なんだよ。
それでね、人生って、〇✖試験みたいなものなんだ。
ともかく、何か書かなきゃダメなんだよ。
これ、人から聞いた話だから本当かどうか分かんないんだけど、〇✖試験って、全部✖にすると65点なんだって。
まぁ、冗談はともかく、何も書かないと0点なんだよ。
本当、そうなんだよ。
人生って、何かやらないといけない。
だけど、自分のこと、ツイてないと思っている人は、なかなかやれないの。
それでですね、「ゆでガエル現象」っていうのがありまして。
カエルをですね、水の中に入れて、下からゆっくり温めると、そのまま、茹で上がっちゃうんだな。
当人は苦しんでるんだよ。
だけど、茹で上がっちゃってるから、体が動かない。
だから、一歩足だして行かなきゃいけないよ。
それで、一歩だしたら、次の一歩、また一歩、って、次々出して行くんだよ。
だけど、一歩出したら、その次を出すまで、じぃーっとしている人もいるの。
それ、何ですか?って聞くと、
「よくよく考えないといけないから」
っていうんだけど、散々考えた程度のことで、実力が付いてくるってもんじゃないの。
足を次々出しながら、実力がついてくるんだよ。
やっと一歩踏み出した、それはすごいことなんだよ。
だけど、その場で座り込んでちゃいけない。
「ツイてる、ツイてる」
っていいながら、先へ行くんだよ。
次、次、次、って歩いて行くんだよ。
一歩一歩、足を出していくのも、
出し方ってものがあるんだよ
そんな話を聞いて、そろそろ実地訓練をしないといけないな、と考えていた時、
「みっちゃん先生、うちの会社で少し商人の練習してみない?」
と、いってくれた人がいました。
私は、会社がお休みの日に、恵美子さんの会社でスタッフとして働かせてもらいながら、色々なことを教わりました。
ところが、です。
自分の娘がそんな不穏(?)な動きをしていれば、親も何か思うところがあるんですね。
あるとき、両親からこんな風に尋問されたのです。
「最近、やけに忙しそうにしてるけど、何かあったの?経営者でもなんでもないあなたが、どうして経営の本なんか読んだりしているの?」
とうとう、親に打ち明けるべき時が来た、という感じです。
「実は、私、事業家になろうと思って。もう会社の上司にも、次の契約は更新しないって言っちゃった。契約が切れたら、一人さんとこの仕事をするんだ」
私がそういうと、父親は途端に慌てふためいて、
「どうして、そんなバカなことをするんだ!契約社員とはいえ、せっかく、良い会社に入れたんじゃないか。第一、お前に商売なんか絶対に無理だ」
と。
母親は、母親で、
「そんなことしていると、婚期が遅れるわよ。今すぐ、そんなことはやめなさい。お母さんも一緒に会社の上司に謝ってあげるから、会社を辞めるなんていわないで」
と、涙ながらに訴えます。
でも、その時の私は、昔のように、親の言いなりになっていた私ではありませんでした。
「できるか、できない川、やってみないとわからないでしょ。どうして私が思ったようにやちゃいけないの、私の人生なのに・・・・・・。
どうして、私のこと信じてくれないの!
どうして、もっと私の気持ちを、わかろうとしてくれないの!」
私は、思いの丈を両親にぶつけ、そのまま家を飛び出してしまいました。
「ハァ~、、すっきりした。とうとう、やっちゃったな」
私は、そう呟きながら、駅前の商店街をぶらついていました。
すると、
「はーい!、みっちゃん先生、元気?」
偶然、はなゑちゃんに遭遇しました。
はなゑちゃんに、親との経緯を話すと、
「よし、分かった。任せなさい、しばらくの間、私のお家にいたらいいよ」
と、言ってくれました。
そんなわけで、当分の間、はなゑちゃんの家で居候させてもらうことになりました。
一人さんには親と大喧嘩して家を飛び出したことは言わないでいたのですが、
すぐ、一人さんにそのことが知られてしまいました。
そして、一人さんは、私の様子を見にはなゑちゃんの家まで行ってきました。
「おっ、いた、いた。みっちゃん先生、元気そうで良かったよ。もう、心配させちゃだめだよ」
「ご心配かけてすみません、一人さん」
私がそういうと、一人さんはニコッとして、こう言いました。
「俺は心配してないよ。だけど・・・・・・、あのね、俺が口出しすることではないと思うんだけど、みっちゃん先生、もう帰ってあげなよ。
きっとご両親はめちゃくちゃ心配してると思うよ。
みっちゃん先生、一歩、一歩、足出していくのはいいんだよ。
だけど、出し方ってものがあるんだな」
解決できないから「無力」じゃないんだよ。
自分の代わりに時間が解決してくれるんだよ
一人さんに帰宅を促された私は、不安になりました。
このまま家に帰ると、もう、事業家になれない、「まるかん」の仕事ができなくなる、そう思ったからです。
一人さんにそのことを言うと、一人さんは、
「そんなことないよ、みっちゃん先生。大丈夫だよ」
と、優しく微笑みながら否定し、こんなことを語り始めました。
アスファルトから雑草が顔を覗かせているのを見たことがあるかい?
あれはね、雑草が無限小の力で、無限大の時間をかけて、アスファルトを突き破ったんだよ。
アスファルトの下にいるときは、うーんと小さい芽なんだよね。
それで、弱いんだよ。
か弱いけれど、自分が持ってる最高の力で、すべての時間をかけて、ググゥーっと押すんだよ。
そうすると、めくれ上がるんだよね。
だけど、一気にめくってやろうと思って、アスファルトをほじってたら、突き抜けないんだよ。
ぐじゃぐじゃやってたら、青汁になっちゃうんだよ、本当。
だから、じわっとやるんだよ。
時間をかけて。
抜けると信じて、じわっとやる。
そしたら、きっと、突き抜ける。
なぜなら、ツイているから。
「でも、あんな親と一緒に暮らしてたら、私は何もできないまま、一生を終えてしまう・・・・・・」
私は、一人さんに訴えるように言いました。
すると、一人さんは、こう言いました。
「みっちゃん先生、人は、人を変えられないんだよ。
それで、お釈迦様があるとき、
「方便しかないな」
って、いったことがあるらしいんだよ。
誰かを本気で救おうと思ったら、嘘をつくしかないんだ、って。
ただし、嘘つくっていっても、愛のある嘘だよ。
今は、ご両親も混乱しているから、とりあえず、今まで通り会社に行きます、ってことにしておいて、それで言葉は悪いけど、こっそり商売やってればいいんじゃないか。
それで、一応、ご両親も安心させてあげられるだろ」
「でも、そんなことしてたら、いつまでもうちの親に理解してもらえない」
私がそういうと、一人さんは、こう言いました。
みっちゃん先生、人は人を変えられないんだよ。
どうすることもできないの。
どうすることもできないことを、悩みといってね。
それで、悩みっていうのは、実は、放っておくと解決できるようになってるの。
1分、1分、1秒、1秒時計の針が進むたびに、解決しているんだよ。
それで、悩みがあった時、自分が何もしてないと思っちゃいけない。
何もしてない、って思うのは、違うんだよ。
悩んでいる時、あれこれ心配するでしょ。
心配するとね、人間って、思ったことを引き寄せちゃうんだよ。
悪い方に考えていると、悪いことを引き寄せちゃう。
それをやってなければ、いいんだよね。
放っとけば、大体なくなっちゃうから。
それで、「ツイてる、ツイてる」って言いながら待っていると、災いが転じていいことになっちゃう。
人生って、大概、そんなもんだよ。
だから、悩みが解決しない時、私は無力で何もできないんだ、じゃないの。
必ず、時計の針が、カチカチ、カチカチ、解決してる。
神様は、人間のこと、苦しめ用としてないの。
人間が勝手に苦しんでいるんだよ。
放っておけば、解決しちゃうの。
それでね、今の悩みは、1年後には覚えてないんだよ。
2年後にはすっかり忘れちゃって、言えないの。
そんなことに苦しんじゃう、って、どんなもんだろうか・・・・・・。
周りを信じていけば、全然、怖くないよ
一人さんの話を聞いて、とりあえず私は帰宅しました。
そして、アドバイス通り、
「このまま会社勤めするから、心配しないで」
と、両親に告げ、バレないように開業の準備を進めました。
「みっちゃん先生商店」が第一歩を記した地は、群馬県は館林。
東京の自宅からは車で通うことになったのですが・・・・・・。
その当時、私は車の免許を持っていましたが、免許を取ってから一度も運転したことがないという、典型的なペーパードライバーでした。
「一人さん、私が運転して大丈夫かな。高速道路を走れるかな・・・・・・」
私は不安げにそういうと、一人さんは、いつもの笑顔でこう言いました。
「みっちゃん先生、大丈夫だよ。どうだ、一度試しに、俺の命預かってみるかい?」
一人さんがそう言ってくれたので、オープン初日だけ、師匠の命を預からせていただくことにしました。
私が運転する車に乗ってもらい、それこそ命がけで、東北自動車道を往復。
我が家のある街の灯りを見た時の、あの安堵感たるや、言葉では言い尽くせるものではありませんでした。
「ほら、みっちゃん先生、何の問題もなかったじゃないか。明日からは、一人で行くんだよ。
大丈夫、周りを信じていけば、全然、怖くはないからね」
一人さんは、私にそう言って帰っていきました。
人って温かいな
そして、翌日から、たった一人での前か出勤が始まりました。
車の四隅に、初心者マークを1枚、1枚。
つまり、合計4枚の初心者マークを貼る、早朝6時に我が家を出発。
もちろん、親には、
「今から、会社に行ってきます。決算シーズンだから、帰りが遅くなるけど、心配しないでね」
とかいって。
そして、夜遅く帰宅したときは、
「たった1円なんだけど、金額が合わなくて、帰れなかったん、」
とかいって。
そんな日々を支えてくれたのが、鮎川ご夫妻。
朝、東京出る時には、必ずお二人のところへ顔を出しました。
お二人は、いつも笑顔で、
「みっちゃん先生、いってらっしゃい」
と、温かい言葉で私を送り出してくれました。
それから、新聞社に勤めていた時の上司も、私が退社の意思表明をした時から協力してくださいました。
お店を出すことになった時、新聞に、
「みっちゃん先生のお店がオープンしました」
と、告知してくれたんです。
「人間って、すごく温かいなぁ」
と、私はしみじみ感じました。
斉藤一人さんのお話を纏めました。
皆様、いつもご精読ありがとう御座います。
www.youtube.com https://youtu.be/Wxo-28NMe-k
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