それどころか、4時までの保育園では、親が夜に働いている場合は子供を全く預かってくれないということになる。
日本は「貧乏な人が暮らしやすい」社会になるからね
これからの時代、日本社会がどうなるのか、一人さんの見方はこうです。
「貧乏な人が暮らしやすい国になって、皆が働く気をなくす。
この流れは、多分、止められないだろうね」
日本の政治家についての分析がその証拠となっているようで、一人さんは独自の見解を示しています。
「日本の政治家というのは、本来、経済観念がない。
だって、経済観念が発達している人ならば、政治家になろうとはしないよ。
政治家というのは、もらっている給料より政治資金の方がはるかに多くかかるものだよ。
経済的に見れば、絶対に収支が合わない職業だ。
そんな立場に、必死になってお願いしてまでなりたがる人に、経済観念があるとは思えないんだよね。
選挙では、そんな経済的に上がらない仕事をしたがる『経済観念のない人たち』の中から選ぶんだから、誰が政治家になっても同じことだよ。
経済観念のない人が政治を行うため、経済政策は間違ったものを続けていく。
国の財政は悪化は続け、借金が膨らんでいく。
異論のある人もいるだろうけど、俺はそう思っているんだよ」
では、なぜ間違った経済政策が続くと判断しているのか、その根拠として、一人さんは、選挙制度の持つある特徴を指摘します。
「あの人達にとって一番大切なのは、ただ当選することだけなんだ。
そうなると、どうしてもお金のない人に有利な政治が行われやすいんだよ。
投票権はお金のある人もない人も同じく一票ずつ持っているよね。
また、社会にはお金のある人よりもない人の方が圧倒的に多いんだ。
すると、お金がない人を優先した政策を行うと約束すれば、表を集めやすいことになるんだよ。
だから、当選する事だけしか考えていない人は、結果も考えずに、お金のない人を優先するような政策ばかりやるようになるんだ。
そして、優先すると、お金のある人に不利な政策が行われることになる。
でも、これは経済の活力を失わせてしまうんだよ」
このことが一番わかりやすいのは税制です。
個人の所得について考えると、現在の日本では、所得が多い人により多く課税する累進課税制で、それは厳しいものになっています。
仮に、ある年に1億円を稼げそうな人がいるとすると、この人が1000万稼いだ時点で、こう考えても不思議ではありません。
「ここまで頑張って働いてきたけれど、このままがんばり続けても、ほとんど国に持っていかれる。
今年はこの辺で働くのはやめておこう」
さらに、この税制に加え、所得の低い人を優先し、その人たちが暮らしやすい政策を行うのですから、「この程度の所得が生きていくのにちょうどいい。
この辺で働くのをやめておこう」という気持ちがますます生まれやすくなります。
また、企業の事業税についても、実効税率(会社が実質的に払う税率)が、日本では40%となっており、ここでも大きく稼いだ優良企業にとって、日本は「損な国」となっているわけです。
これでは、より大きく稼げる日本企業ほど、授業の中心を日本から税率の低い外国へと移すことを検討したくなっても無理はないでしょう。
このように、日本の税制は個人の場合でも企業の場合でも、稼げる能力のある者ほどその労働意欲を失ってしまうような仕組みになっているのです。
こうして個人からも企業からも、日本で働くという意欲が衰退し、経済の活力が失われていくわけです。
経済の活力が衰退していくと、税収が落ち込んで政府の財政が激しくなっていくはずです。
ただ、それでも間違った政策は続くというのが一人さんの判断です。
「政治家には経済観念がないから、先行きが分からないんだよね。
だから、財政が苦しくなると、帳尻を合わせようとして、ますます稼いでいるところから取ろうとするんだ。
それではますます、経済活動の意欲を失わせていくんだよ。
でも、俺は商人だから、こうした方がいいとかダメとかは言わない。
ただ、このままいけばこうなるな、ということなんだ」
そして、日本が具体的にどんな状況になっていくか、ヨーロッパ諸国での実例をもとにして、一人さんはこんな見方をしています。
「経済に関しては、今のところ日本は一等国だよ。
でも、貧しい人が暮らしやすい政策を取っていると、誰も働かなくなるんだよ。
そのうちきっと、みんなが『ヨーロッパ並みにバカンスの時間を増やせ』と言い始めるよ。
これは働く気を失っている証拠だ。
あるいは、20年以上前のイギリスのように、ストライキが頻発するかもしれない。
あれは、誰も働きたくないのでストを起こしていたんだ。
このままいくと、当時のイギリスのように、日本の人も働かないようにするためには、命までかけるようになるかもしれないね。
そうなった頃には、経済はもう手がつけられない状態になっているはずだよ」
以上が、一人さんが時代の流れを読んで判断した、日本社会の今後です。
この状態がどのくらい続くのか気になるところですが、一人さんはこう見ているようです。
「日本には今お金があるから、それを使い果たすまでは、このままダラダラと続くよ。
そして、経済音痴の政治家の手に負えなくなった頃、ようやく、少しずつ経済が変わる。
それまでが、だいたい30年ぐらいだろうね」
だらだらとこのまま、30年続く。
この国に暮らす私たちにとってあまり嬉しくないよそうかもしれませんが、あくまでも、これは日本という国についてのことです。
この時代の流れを踏まえて、個人がこれからどうするかは、別のことです。
たとえ不利な政策を国がとってもお金持ちになろうとするのか、国と同様にだらだらと30年間過ごすのか、それを選ぶのは自分自身です。
時代を知ろうとする人はきっと明るい未来を選ぶだろうと、言外に一人さんが言っているように私には思えるのです。
子供を預からない保育園
「日本はこのままダラダラと続く」という予測は、一人さんがこの国のおかしな面を感じ取って、そこから判断した結論のようです。
日本のおかしな面とは、例えばこんなところにあると一人さんは指摘します。
「公立の保育園で、子供を午後4時までしか預からないところがあったんだよ。
それで、母親が迎えに行くのが4時に少しでも遅れると、不機嫌そうに文句を言う保母さんもいたんだよね。
でも、保育園というのは、親が働いている間、子供を預かるために作ったはずだよ。
母親がまだ働いているのに、もう預かれないというのは目的に反している。
それどころか、4時までの保育園では、親が夜に働いている場合は子供を全く預かってくれないということになる。
親が働いているのに子供を預かれないというのでは、何のために保育園があるのかわからないよ。
これは、おかしいよね。
公立の保育園では雇われているのは公務員だし、4時までと決めたのは国だよ。
目的と合わないようなおかしなことをやっていて、国も公務員も変だとさえ思っていない。
こんなことを平気でやっている国なんだよ」
このような見方に対して、政治家やお役人の中には、こんな反論をしたい人もいるかもしれません。
「小さい子供がいるのに、母親が夜に働くのがそもそもけしからん。
楽に稼げるからといって、夜いかがわしいところなんかに勤めずに、昼間の仕事をすればいいんだ。
子育ては蔑ろにして、そんな所で働くような母親に、国が手を貸してやる必要はない」
もちろん、ここまであからさまに言う人は少ないでしょう。
でも、内心ではこれが本音だという人はいそうです。
また、政治家やお役人でなくとも、このように考えている人がいるはずです。
このような意見に、一人さんはこう答えています。
「今の日本で今の、女手一つで子供を抱えて生きていくということは、本当に難しいことなんだ。
昼間に働けなんて入っている人は、現実を知らないよ。
時給800円や900円のパートで働いて、体が壊れるくらいやっても、手取りが月に15万円も行けばいいほうだ。
これで幼い子供を抱えて生きていくというのがどういうことか、考えてみな。
職業に貴賎はないよ。
子供と一緒に生きていこうと、一生懸命働いているんだよ」
色々な事情を抱えて働いている母親は大勢います。
そんな人にとって、自分が働いている間、子供を預かってくれるところを見つけることには、生活がかかっています。
そのため、現在、夜間に子供を預ける民間の託児所が増えていますか、中には無認可のところもあるようです。
少し前、こうした無認可の託児所で、預かっている子供を虐待していたという事件がありました。
また、こうした施設の中には十分なサービスができていないところもあり、うつ伏せで寝ている子供を窒息死させた事件もありました。
このような事件を耳にして不安を感じながらも、自分と子供が生きていくためには、夜間に預かってくれる民間の託児所へ預ける選択肢しかない母親が大勢いるわけです。
「無認可託児所の事件があって、世論が騒いだ時に、『保育園を増やすから大丈夫だ』と、平気な顔で国は答えていたよね。
4時までしか子供を預からないのでは、保育園の数なんかいくら増やしても何の役にも立たないのにね。
自分たちのやっていることが、現実とズレていることに気づいていないんだよ。
政治家もお役人も、肝心なことを誰も変えようとしないんだ。
全く、すごい人たちの集まりだよ」
これほどおかしなことさえ変わらない国。
一人さんが、「このままダラダラ続く」と日本の先行きを予測する時、このような日本の特徴が判断の基盤にあるようです。
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