身にふりかかった災難を、うまいこと活用して、そのまま自分に役立つものとして利用するさま。
- トラブルが起こった時こそ「これでよくなる、だからよくなる、さらに良くなる」
- 厳しい状況でも「ついてる」「幸せ」
- 上司の小言を受ける時は、「滝修行に行ってくる」
- リストラされても「感謝してます」
- 追伸 仕事とは人生の花道
トラブルが起こった時こそ「これでよくなる、だからよくなる、さらに良くなる」
2009年秋、当時の鳩山首相が、温室効果ガスを1990年比で、2020年までに25%削減すると宣言して話題になりました。
設備や技術開発に費用がかかり、経営が立ち行かなくなってしまうと猛反発する企業もあれば、削減効果のある技術を開発すれば一気に飛躍できる、「これはチャンスだ」と捉える会社もあるなと、色々でした。
どちらに成功の目があるといえば、これはもう「これはチャンスだ」と思う会社ですよね。
何かトラブルに出会った時、口にしたい言葉は、「これでよくなる、だからよくなる、さらに良くなる」です。
リストラにあったり、会社が倒産して失職した人が、新しく会社を立ち上げて成功をおさめているケースもたくさんあります。
職を失うと、これから先のことを考えて不安になりますが、今までやりたくてもできなかったことを始めるチャンスでもあるのです。
私も「どうしよう」と思う時が、度々あります。
例えば、商品の仕入れの数を間違えて、たくさん仕入れてしまった時。
商品の山を見て、呆然としたことがありました。
でも、呆然としているだけでは、事態は何も改善しません。
お得意様にプレゼントしたり、試供品として配ったりしました。
おかげでお客様に喜ばれるし、顧客も拡大できて、いいことづくめ。
「災い転じて福となす」という言葉がありますが、災いは来た時こそ飛躍のチャンスなのです。
以前読んだ本に書いてあったことですが、お父さんがやっていた小さな本屋さんの後を継いだら、その途端、近所に大きな本屋さんができてしまった。
負けないようにあれこれ工夫していったら、いつのまにか大成功してしまったというのです。
実は大きな本屋さんを出展させたのは、福の神。
その人が一生懸命考えて、大成功できるように、わざと大きな本屋さんを近所に出させたというのです。
人生って、何でもそうなんです。
「え!?」と思う出来事は、罰を与えられているのでもなんでもなくて、その人が成長するために必要なこと。
「はなちゃんが成長するために、こういう問題を起こそう」と、レッスンしてくれているのです。
世の中で起こる全てのことに偶然はありません。
どれもみんな理由があって怒っているのです。
靴をおろした日に限って、雨が降るのも偶然ではありません。
あなたに早起きして天気予報を見てから出かけるようにと教えてくれているのかもしれないのです。
もしくは、こんな日でも「ついてる」って言えるかな、と試されているのかもしれません。
だから、世の中に「困ったこと」なんかありません。
トラブルは、神様が与えてくれた、向上するための試練。
神様は意地悪ではないので、乗り越えられない試練は与えません。
どんな試練も、知恵を働かせれば必ず乗り越えられるものなのです。
そして、乗り越えられた時には、必ず魂がステップアップしているのです。
「困った事」はレッスンです。
「これでよくなる」「チャンス!!」・・・私はそう決めています。
厳しい状況でも「ついてる」「幸せ」
これは念のためですが、何かトラブルがあった時、「これでよくなる、だからよくなる、さらに良くなる」とだけ言っていればいいということではありません。
こう言いながらも、リストラされたなら一生懸命、職探しをしなければなりませんし、会社が倒産しそうだったら、倒産しないようにあの手この手を考えなくてはなりません。
「これでよくなる、だからよくなる、さらに良くなる」と言っているだけで何もしなければ、よくなる事はありません。
「どうしよう」「困ったな」「あいつがあんなことをしなければ・・・」などと地獄言葉を言っていると、ますます事態は悪化します。
第一、「全く嫌になっちゃうなあ」などと、暗い言葉ばかり言っていたら、やる気もおきませんよね。
落ち込んだ時、いかにたくましく、落ち込む時間を短くして、むくっと立ち上がれるかが勝負。
不平不満を言いながら、たくましく、ムクっと立ち上がることはできません。
試しに、「嫌になっちゃうなあ」と言いながら立ってみてください。
ほらほら、背中が丸まっている。
顔が下を向いてますよ。
「これでよくなる、だからよくなる、さらに良くなる」といいながら立ち上がると、どうですか?
顔が上を向いて、でなんか自然に拳を握っちゃったりして。
「24時間働けます!!」という気分になるでしょう。
でも、そのまま座っちゃダメです。
一歩踏み出さないと。
お腹が空いたとき、「お蕎麦が食べたいな~」といくら思っても、お蕎麦は出てきませんよね。
自分で作るか、お店に食べに行くかしないと、お腹がすいたままです。
今の状況を変えるには、天国言葉に行動をプラスしなくてはなりません。
そうは言っても、今の時代、なかなか職は見つからない?
そうでしょうか?
私は今でも街で求人情報誌を見かけます。
確かに希望通りの職種、希望に沿った給与となると難しいかもしれません。
でも、ずっと決めなかったら、お給料はずっと0のまま。
それよりも少しでも入る方が良い、と私は思います。
足りないぶん奥さんが働いてもいいし、子供達がアルバイトをしてもいい。
それでやっと「これでよくなる、だからよくなる、さらに良くなる」なんです。
経済的に苦しいと、つい愚痴ったり、不平不満を言ったり、地獄言葉を使いたくなってしまいますけど、ここが勝負のしどころ。
素直に「幸せだなぁ~」と言えなくても、ぐっと奥歯を噛み締めて、「し、幸せだな~」「つ、ついてる」と、どんな状況でも天国言葉を使ってください。
絶対、明るい未来が待っています。
こういう時に天国言葉が言えるかどうか、神様が見守っているのです。
上司の小言を受ける時は、「滝修行に行ってくる」
自分の最大の修行相手は上司。
そういう人も多いかもしれません。
起きている時間の半分以上費やす仕事の時間。
上司が嫌な人間だと本当につらいですよね。
転職できればいいけれど、そうはいかない場合、自分でオアシスを作って、職場を楽しいものにしない限り、幸せな人生にはならないでしょ。
職場を辛いものにしている一番の原因は、「上司に目の敵にされる」ということではないでしょうか?
「〇〇、ちょっと来い」なんて言われる度に憂鬱になる。
もちろん、自分に悪いところがあった時は、素直に反省しなければいけないと思いますが、残念ながら、「俺は偉いんだぞ」とばかり威張り散らす困った上司がいることも確かです。
こんな人に呼ばれた時、私たちは「滝に打たれに行く」と言います。
修験者は、修行のため、険しい山道を登って、滝に打たれに行きます。
ザーザーと降りかかる滝の中で己を無にして、悟りを開く。
威勢良く落ちてくる滝の下では、立っているのも辛いほど。
痛いし、その水は、身を切るほど冷たいそうです。
険しい山道を登ることもなく、滝修行ができるなんて、あなたは何てついてるんでしょ。
怒るというのはエネルギーが要るものです。
上司があなたの修行のために、ガミガミ言ってくれるなんて、これ以上、ありがたいことはありません。
不幸な人は、嫌なことを言われたり、されたりした時、それをまともに受けて怒り狂ってしまいます。
けれど、イライラすると体内に活性酸素が発生して、自分の体を攻撃します。
体の外からも内からも攻撃され、しかも、不機嫌な顔をしていると、周りの人が近寄ってきません。
カッカしたり落ち込んだりしていると、全然魅力のない人になってしまうのです。
いいことはひとつもないのです。
嫌なことがあっても、それを真っ向から受け止めないことが何より大事です。
一人さんはよく言っています。
「悔しくて悔しくて、夜眠れないほどでも、言った本人はグーグー寝てるよ」
まともに受けるだけ損なのです。
上司に呼ばれたら、「滝修行に行ってこよう」と思ってみましょう。
周りから見ると、すごくゆとりのある人に見えるし、自分の体にもいいし、ストレスのかからず気分も楽です。
無防備で立ち向かうからいけないのです。
今、あなたが滝壺にいるなら、ウエットスーツを着て、タンクを背負えばいいのです。
「何度言ったらわかるんだ」というのが上司の口癖なら、何回言うか数えてみましょう。
ガミガミと滝が落ちてきたら、「私のためにご注意くださって、本当にありがとうございます。感謝します」と言ってみましょう。
とても大きな傘になるはずです。
そうやって、あの手この手を使って聞いていると、上司の言葉を冷静に受け止められるようになります。
冷静になると、「この人はもしかしたら、こういうことを言いたいんじゃないか」「怒り方は嫌だけど、こんないいところがあるな」と思えてきます。
嫌なことが、それほど気にならなくなった時、上司は嫌なことをしなくなります。
世の中で起こることには、全て理由があります。
上司にガミガミ言われてカッカいた頃のあなたには、人の意見を冷静に聞く余裕が欠けていたのかもしれません。
それができるようになった時、上司の小言は必要なくなります。
必要のないことが起こることはありません。
リストラされても「感謝してます」
天国言葉を話し、笑顔でいれば、全て順風満帆かと言うと、そういうわけにはいきません。
神様があの手この手で私たちを向上させようとします。
リストラも、その一つです。
私が経営者だったら、どうしてもやめてもらわなければならなくなった時、天国言葉を話し、笑顔で一生懸命仕事をしている人と、いつも文句を言っている人がいたら、絶対に天国言葉話している人に会社に残ってもらおうと考えます。
少し前までは、ほとんどの会社がそうだったのではないかと思います。
けれど、今は十把一絡げに、天国言葉を話し一生懸命仕事をしていた人も、そうではない人も、何十人という単位でリストラされることが珍しくなくなってしまいました。
会社自体が倒産してしまうということもあります。
こんな時、人は二種類に分かれます。
ずっと会社の悪口を言う人と、感謝の言葉を言う人です。
こんな人がいました。
勤めていた会社が、合併することになりました。
合併と言っても、対等ではなく、その人が勤めていた会社は、相手の会社に吸収され、たくさんの人員を解雇しなければならなくなりました。
解雇を言い渡す日、会社の幹部が、リストラする社員を一人ずつで呼んで、「こういうわけで、あなたを解雇しなければならなくなった。長い間、勤めてくれてありがとう」というのを聞いて、その人は、こう言いました。
「今まで勤めさせていただいて、感謝しています。
家内も感謝していると言っていました。
会社が大変だったのに、今まで雇ってくださったことがありがたいです。
これからもがんばってください」
恨み言を言って去っていく社員が多い中で、こんなことを言われて、幹部たちも大感激。
握手をして別れたと言います。
これは実際にあった話なのですが、後から、吸収した方の会社から電話がかかってきて、会社に来て欲しいと言われました。
他にも誰か呼ばれているのかなと思っていくと、呼ばれたのは、その人一人。
そこで、「あなたのような考え方で働いている人に、是非うちの会社の教育係になって欲しい」と言われたのです。
給料も以前より多くなりました。
どこの会社も、いい人材を求めています。
潰れてしまうところもあるけれど、何とかがんばっているところもあって、そういうところは、会社のためになる人だと思ったら入社させています。
反対に、ずっと元の会社の悪口を言っているようでは、いつまでたっても就職先が見つかることはないでしょう。
魅力的な言葉を使っていると、人生が良くなるというのは、本当のことなんです。
講演で一人さんがこの人の話をした時、「自分も同じような経験をしました」という人がいました。
その人の会社が倒産してしまったそうですが、
「この会社にいたおかげで、好きな仕事をさせてもらった。
ありがたくて感謝していた」と思っていたそうです。
今では、前の場合のお給料のところで楽しく働いています。
感謝の気持ちを持って、天国言葉を言っていたら、神様も聞いているし、周りの人も聞いています。
いざというときどんな言葉を使うか、それで人生が決まるのです。
いざという時天国言葉を使えるようになるためにも、毎日毎日、天国言葉を口にしていることが大切なのです。
普段地獄言葉ばかり使っていたら、いざという時、天国言葉出てこないからです。
天国言葉を言っていると、「ああ、自分は本当についてるんだ」「幸せだな~」「ありがたいな~」という気持ちが、日々の何気ない生活の中で生まれてきます。
だからこそ、いざという時にも自然に天国言葉が出てくるのです。
だから、毎日、天国言葉を使ってくださいね。
もしかしたら、天国言葉を使っているのに、会社から何も取り立ててもらえず、再就職にも手こずっている人がいるかもしれません。
そういう人は、感謝の気持ちが足りなかったのかもしれないし、「こういえば、取り立ててもらえるかもしれない」という計算があったりして、神様が「まだまだだな」と思ったのかもしれません。
でも、地獄言葉を言うより、天国言葉を言っている方がずっといいのです。
これからきっといいことがありますよ。
追伸 仕事とは人生の花道
私は尋ねました。
「逆境の時って、泣き言とか、悪口とか、一言も言っちゃいけないんですからね」
「1回は言ってもいいよ。
『俺は一生懸命やったのに、あいつが・・・・・・』って、いいよ、1回は聞いてやるよ。
でも、何回も言ってたら・・・・・・」
「聞かされてる人は「もう、いいよ」ってなります」
「だから、そんなことをするより、「この前は泣き言言っちゃったけど、今は、一生懸命、返り咲いた時のために勉強しているんですよ」とか、言えばいいんだよな」
「そんなセリフを言える人、かっこいいですよね。
俺だったら、『この人は、すごいな』と感心しますよ」
「だよな」
ひとりさんはそう言うと、コップの水を一口飲み、そして、
「ただ、感心させるようなことは、なかなか言えないもんだろ。
だから、天に神という審査員がいると思うんだ。
その点の神様が100点をあげたくなっちゃうような答えってなんだろうか。
俺は、いつも考えるんだよね」
「天の神様から100点をもらうか。
俺に、そんな答えが出せますかね」
すると、ひとりさんは「満点は取れないよ。人間って、完璧じゃないからな」
「じゃあ、100点あげたくなっちゃうような答えっていうのは何ですか?」
質問すると、ひとりさんは、
「100点あげたくなっちゃうような答えは何だろうって考えても、満点は出ないよ。
だけど、0点は絶対ないんだよ。
最低でも10点とか、20点とか。
だけど、それが、やがては30点になり、40点の答えを出せるようになって、次は50点、その次は60点、だんだん上がっていくものなの。
それで、どんどん、人は幸せになっていく。
わかるかな」
「なんとなくですけど、分かります。
俺も、最初、この仕事がうまくいかなかったとき、自分の逆境嘆きました。
だけど、嘆いている時は、全然、うまくいかなくて。
その時、一人さんの本と出会って、24時間笑顔で居るようにしたら、運勢が好転していきましたから」
私がそう言うと、ひとりさんは「そうそう」と頷き、そして、こう言いました。
ともかく、逆境を嘆いたり、恨んだりしちゃいけない。
そして、逆境というのは、上にいる、絶対なる人が自分を試そうとしているんだと。
そしたら、俺なんかの場合、「神様、あなたは、俺が泣き言を言うと思ってるかもしれないけど、その手は食いませんよ」って。
それで、「こういう答えを出しますけど、神様、どうでしょう」って、対話するんだよ。
なんか、怪しい話になってきたんだけど。
でも、代々続いているような家ってね、家訓の中に必ず「神仏を敬え」前っていうのが入っているんだよね。
神仏を敬うって、神にすがって生きろということじゃないんだよ。
どんなに成功しても、この世の中には、絶対、お前なんかに勝てないものがあるんだと言ってるんだよ。
そうやって言わないと、人間って傲慢になってダメなんだよ。
傲慢にならないために、「絶対なる神」というものがいて、それを「敬」えっていうね。
その絶対なる神に「ひとりちゃん、今の答えよかったよ」って、言ってもらえるような生き方を見せたいと思って、やってるんだよね、俺は。
だから、神様にお願いするんじゃなくて、神様が「ひとりちゃん、よくやったね」って喜んでるような生き方だな。
そうすると、よく客観的に自分を見るって言うよな。
「外から自分を見る」って言い方があるけど、それって人間目線なんだよ。
だけど、天の神様が喜ぶことってなんだろうって言った時、人は天の目線でモノを見て考えるんだよ。
これが実にいいんだよ。
いろんな気づきをもらえて、面白いぐらいに、商売でも何でもうまくいくの。
不況が来ようが、どんな問題が出てこようが、飛行機が空気抵抗で上に上がっていくように、逆境を利用して伸びていけるんだよ。
これが、なんだよ災い転じて福となすなんだよ。
いいかい、もう一度言うよ、天がくれた試練に対して、嘆いたりしちゃだめ。
天を恨まなくても、自分の運命を恨んだりしても駄目。
天を恨んでるのと同じことだよ。
だから、天を恨む人は逆境から抜け出せないんだよ。
逆境で潰れる人の特徴なんだよ。
潰れない人は、逆境の時に天を恨まない、時を恨まない。
逆境を利用して上に伸びるんだよ。
熱く語っていた一人さんが、一転、穏やかな口調で、
「いろんなことを一気に喋っちゃったけど、自分が使えそうだと思ったことを使いな。
それで、一歩一歩、自分の歩幅で歩いて行けばいい。
人と自分を比べないこと。
焦って、駆け出しちゃいけないよ。
だけど、止まっちゃいけない。
プロ中のプロを目指して、1歩ずつ、足を出していきな」
「はい」
「仕事とは、自分探しの旅」
「自分探しの旅って何ですか?」
「人ってさ、自分がわからない、自分の実力が分からないの。
やってみて、初めて自分の実力がわかる。
そこで改良して、改良して、やっていくうちに、商人の腕は上がっていくもんなの。
商人でも、サラリーマンでも、どんな仕事をしてる人でも仕事の腕を上げて、人生の花道にしていくものなんだよ」
ひとりさんはニコッと笑い、「じゃあ、そろそろ出るか」
「はい、ありがとうございました」
斎藤一人さんの話を纏めました。
皆様、いつもご精読ありがとうございます。
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