今日から明日に、明日から明後日に、時間は刻々と過ぎるよな。
この運というものに、俺たちは運ばれる。
ここで喋ってる間も運ばれてんだよ。
要するに、未来に向かって運ばれるんだよ
釈迦の修行と商人の修行
あのな、お釈迦様が修行してた時、いろんな誘惑があって、色々惑わすやつが出てきたんだよ。
人生も、それと同じなんだよ。
精神修行してるみたいなもんだよ。
だけど、商人は、お釈迦様のようにジャングルで修行してるんじゃないの。
この世の中で、修行してるんだよ。
色々惑わすものが多い。
この世の中で、どうやって自分は心を惑わさずに、仕事ができるか、なんだよ。
だから、お金持ちになりたければ、淡々と貯めればいい。
そしたら、金持ちになる。
自分の店を繁盛させたかったら、淡々と繁盛させる方法を考えればいいんだよ。
その時、頭に入れとかなきゃいけないのは、今は「楽しい」がキーワードなんだってこと。
それも、お客さんを楽しませるだけじゃなく、働いてる人も楽しくなきゃいけない時代なんだよ。
高校野球だって、昔はスパルタ式の監督のチームがどんどん勝ってたけど、今は楽しく野球を教えてたところしか勝てない。
スパルタ式のチームは、練習は倍、してるんだよ。
だけど、なぜか、勝てない。
時が味方してくれないんだよ。
今は楽しくないと、なぜか伸びない。
だから、今は、働いてる人も楽しくて、お客さんも楽しませることを考えればいいんだ。
そして、淡々と、それをやればいいんだよ。
そこに、いちいち自分の性格とかを持ち出して、「僕はこういう性格ですから、人を楽しませるものはちょっと」なんて、言ってられないの。
お客さんが楽しいを求めてるんだから。
いいかい。商人ってのは、相手に合わせ、時代に合わせる。
その修行なんだ。
商人は、お客さんに気に入ってもらってナンボの世界なんだよ。
お客さんが「どこに行こうかな~」って言った時、自分の店に来てもらう。
それしかないの。
それを淡々とやるんだよ。
そうすると、必ず、次のチャンスがある。
と、ここで、
「お待たせしました」
喫茶店のママさんが、コーヒー、おでんやピザなどの料理を運んできました。
ひとりさんはママさんにお礼を言うと、
「おばちゃん、ひとまず、食べようよ」
私は料理をいただきながら、「あの、くだらないことを聞いていいですか?」
「なんだい」
「事務所に神棚を置いてあるところがあるじゃないですか。
神棚おいた方がいいんですかね」
すると、ひとりさんは「どっちでもいいよ。商人にとって、商売が第一。
神ごとあっての商売じゃないの。
商売あっての、神ごとなんだよ」
「要するに、神棚を置けば商売がうまくいく、ということはないと」
私がそう言うと、ひとりさんは頷き、
「そうだよ、俺は観音参りが好きで、よく行くんだけど、それは、商売がうまくいってるから、行けるんだよ。
観音参りに行くと、ご利益がありますかって質問されるけど、拝んでるから商売がうまくいくんじゃない。
商売がうまくいってるから、お参りに行けるんだよ」
「どっちが先かで、えらい違いですね」
「そうだよ。そこを勘違いして、逆さまに考えると、大変なことになっちゃう。
例えば、俺たちは歩いて、陸続きだったら、どこまででも行けるんだよ。
だけど、逆立ちするだけで、もう、辛くなっちゃう」
「だよな。だから、逆さまにものを考えたら、えらい苦労する。
仕事も同じだよ」
「でも、ひとりさん、商売でもなんでも、運、ってあるじゃないですか」
「そうだよ」
ひとりさんはそう言うと、「けどな、運というのは、『生きていると運ばれる』という意味なんだよ。
勢いをつければ仕事運上昇
「生きていると運ばれるって、何なんですか?」
「今日から明日に、明日から明後日に、時間は刻々と過ぎるよな。
この運というものに、俺たちは運ばれる。
ここで喋ってる間も運ばれてんだよ。
要するに、未来に向かって運ばれるんだよ」
「はぁ、そう言われればそうですよね」
ところが、この運ばれている間に、「勢い」というものがあるんだよ。
それで、運勢がいいっていうのは、運に勢いなんだよ。
わかるかな。
運勢って、運に勢いって書くだろ。
「運勢がいいですよ」ってのは、運を運ぶ勢いがいいですよ、っていう意味なの。
だから、働いてても「は~い」ってダラダラ返事するのと、「はい!」って返事するのとじゃ、違うんだよ。
「はい!」の方が、勢いがいいだろ。
皿を洗うのでも、だらだら洗うのと、ちゃっちゃと洗うんでは違うんだよね。
女を口説くんだって、「俺の彼女になんなよ」とかって、勢いよく言えばいいものを、ネチネチ、ネチネチ言ってるとダメなんだよ。
「お前、彼女になんなよ」
「いやよ」
「あ、そうかい。じゃ、別の子にするから」
勢いよくって、ダメだったら、勢いよく帰える。
要は、運勢の良くない奴って、全てに勢いがないんだよ。
女にもてないやつでもなんでも、勢いがない。
商売も勢いなんだ。
その勢いってさ、その人の声とか、顔とか、生き様とか、全部に出るんだよ、勢いのなさが全部に出る。
このテーブルだって、ちょっと押すのと、ど~んと押すのと違うだろ?
水だって、チョロチョロと水を流したって物は流れないんだよ。
ところが、「さすが」って、「流れ石」って書くだろ。
水に勢いがあれば、石だろうが、岩だろうが、いくらでも流れるんだよ。
だから、勢いがないのに、「こうしたいんです」「ああしたいんです」って、無理なんだよ。
勢いがなければ、ことって起きない。
動かないんだよ。
それで、商売がうまくいかない人の特徴って、勢いがない。
返事一つ、笑顔ひとつ。
一つ一つに、勢いがないんだよ。
だからね、うまくいかない人のことを見てごらん。
大概、勢いがないから。
勢いをなくして、この世で成功する事って、ないよ。
運を良くするには、生き方に勢いがあるって言うことが必要なんだ。
「勢いって、どうやったら、良くなりますかね」
「目標に向かって気合を入れて進むことだな。
そうすれば、勢いなんか勝手につくよ」
「ですよね。
じゃあ、最近の若者に威勢のいい奴が少ないって言いますけど、それって、今の若者には気合がない奴が多いからなんですね」
ひとりさんは頷いて、
今は、俺は大人になったけど、若い時は何を思ってったかと言うとな、威張ってる社長を見るたびに、「ふざけるな」「俺はお前たちに負ける気がしねぇ」って、本気で思ってたよ。
俺も若い時は威勢が良かったんだよな。
例えば坂本龍馬だって、そうだろ。
あの人は、「こんな不公平が許せるか?」って、思ったんだよ。
下級武士だからって、いくら能力があっても、出世もできないようなこの国の体制はおかしい。
このままでは、日本は滅びてしまう。
そう思って、気合を入れて目標に向かって突っ走ったんだよな。
この俺がやってやる!
「じゃあ、ひとりさんの気合というのは、どういうことなんですか?」
「ふざけんなってことさ、いいかい」
ひとりさんはそう言うと、こんなことを語りだしました。
例えば、東京なんかだと、ヤクザでベンツに乗っかってる奴がいるんだよ。
そうすると、若い時の一人ちゃんはな、
「あいつらがベンツに乗るんだったら、おてんとさまの下でまっとうに働いている気質の俺が、ロールスロイスに乗っていないのは絶対におかしいんだ」
そういう気合いなの、俺の気合は。
「他のやつができないなら、俺がやってやる!」
そういう気合いだな。
政治家は、俺たちが納めた税金で食べてんだよ。
その政治家があれぐらいハブってるんだから、「ふざけるな。自分も、いっちょ、やってやるか」とかさ。
だから、これから商売したいなと思う人は、勢いつけるのに、「ふざけるな」って、ちょっと気合いを入れればいいんだよ。
俺の場合は、わざと「ふざけるな」って言ってるだけで、本当に世の中に不平を持ってるわけじゃないんだよ。
「あんな、威張ってるやつが、あの会社を作ったのか、ふざけるな。
よし、ちょっと、イチコロでやっつけてやるか」って、チョイって、頭の中でやるだけのことよ。
心の中のお遊びだよ。
おかしいだろ。
でも、若いうちは、こういうお馬鹿なとこがあっても、いいと思うよ。
こういう生き方ってすっとするよ。
モヤモヤした気持ちで生きてるのと、スカッとした気持ちで生きるのとは、えらい違いだよ。
「やっぱり、ひとりさんはかっこいいです。男の俺も惚れちゃいます」
斉藤一人さんのお話を纏めました。
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