コンクラーベ

斉藤一人さんです

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斎藤一人さん 銀行は金貸しのプロ

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「信用ついて、銀行からお金を借りられるんです」って、商人が金貸しにお客されたら終わり。

 

 


「行け行けドンドン」な日々に潜んでいた落とし穴

北海道に戻った私は、早速ひとりさんの教えを実践しました。

国の政策がどうあろうと不平不満は言わず、一生懸命、頭を使い、知恵を使って、お客さんを喜ばせ、雇用を作り、税金を払って、

「商人に常禄なし、稼ぐは一生の努めなり」

かっこよく商人の本分を貫こうと心に決め、常に「また」を考え、そして、プロ中のプロを目指し、毎日「プロ中のプロ」という言葉を言い出したのです。


そうしたところ、取引先から、「緒方さん、もうそろそろ2店舗目を出しませんか。

私どもがお手伝いさせていただきますから」と言われました。

また、札幌の繁華街で何軒もの店を成功させている知人が、いい不動産屋を紹介してくれ、まちじゅうの店舗、しかももともと、飲食店だった居抜き物件を借りることができたのです。

居抜き物件なら、厨房設備も元からついています。

内装をちょこちょこっと変えるだけでいいので、お金もかかりません。

さらには、以前からうちと取引のあった業者さんからも、色々とサポートをいただくことができました。

こうして、極力、出金を控える形で、桜CHOPS(チョップス)2号店をオープン。

従業員が美味しい料理を振る舞い、とびきりの笑顔で接客にあたってくれたおかげで、2号店も大繁盛でした。

いつしか、うちの店には全国から飲食店経営者が見学に来るようになり、まだ地元タウン誌はもちろんのこ、飲食の業界紙でもうちの店が取り上げられて知名度が急上昇。

売り上げはどんどん、どんどん上がっていきました。

ひとりさんは覚悟が試されると言っていたけれど、別に何もないような。

すべてが順調で、いや~、なんて俺はついてるんだろう。


そんな事を思いつつ、従業員共々、いけいけどんどん、楽しく仕事しているうちに、私は「プロ中のプロ」という言葉を言わなくなってしまいました。

同業者やマスコミに注目されたのに加え、本の出版、講演活動で「先生」と呼ばれるようになって、私は「自分はもう商人のプロ中のプロだ」と勘違いしてしまったのですね。

今、思うと、周りがチヤホヤしてくれたのは、「プロ中のプロになる」という覚悟を試す、テストをだったのだと思います。

そのテストのひっかけ問題に、私は見事に引っかかってしまったわけです。

でも、最初は全く気付きませんでした。


私は有頂天になったまま、三号店を出す準備に取り掛かりました。

1号店、2号店までは居抜き物件を借りて、店の内装にもお金をかけないようにして出店したのですが、

「次は居抜きじゃなく、まっさらのスケルトンから出店しよう。

内装も凝って、いい店を作ろう!」

と、店に莫大なお金をかけてしまいました。

1号店、2号店が繁盛してそれなりの貯金があったのですが、銀行から「緒方社長、是非、ご融資させてください」と言われ、何千万円というお金を借りました。

また、3号店を出店するにあたって、私はたくさんの人を雇い入れました。

結果、1店舗につき社員5~6名、三つの店で合計17名の社員(アルバイト・パートは60名以上)を抱え込むことに。

50~60席の店に5~6名の社員というのは、飲食業界の常識からいって多すぎです。

もちろん、「人件費を極力抑える」という一人さんの教えから外れています。

それでも、私は「店にお金をかけ、たくさんの社員を雇ってサービスを強化すれば、もっとお客さんに喜ばれ、さらにリピーターが増える」「店は繁盛し、儲かる」と信じて疑いませんでした。

しかし、期待十分でオープンした3号店は、売り上げがパッとしません。

赤字こそ出しませんでしたが、社員を抱え過ぎてしまっているので、利益らしい利益が出ませんでした。

その時になって、やっと、

「覚悟を試す、ひっかけ問題に引っかかっちゃったよ!」

気づいた瞬間、銀行から借りた何千万円という重みが、自分の方にズシッとのしかかってきたかに感じました。

「俺は調子ぶっこいて、見栄もはりまくって、とんでもない馬鹿な真似、しちゃったよ」


金利つかないお金が一番

それからというもの、顔は筋肉コルセットのおかげで笑っているけれど、心の中は、ほぼ毎日、憂鬱でした。

1号店・2号店の方は相変わらず繁盛し、売上も何ら問題はなかったのですが、社員も多い分、人件費がかかるのと、銀行への借金返済があります。

結果、私の手元に残るお金は、ガクッと減ってしまいました。

お金の出入りを見ていると、まるで、自分は銀行のために働いているかのようで、心が晴れ晴れとしません。


そんな頃、ひとりさんからこんなMDが届きました。


はい一人さんです。

今日は珍しく、お金の話をします。

聞いててください。

10万円を100万円にできない人は、たとえ銀行から1千万円借りたって1億にできない。

ところが、10万円を100万円にできるやつは、今度、100万円を1,000万円にできるんだよ。

だから、お金は借りる必要はないんだよ、本当は。

仕事によっては、どうしてもお金を借りなきゃいけないようなものもあるんだよ。

だけど、飲食店だとか、ちっちゃい仕事だとな、そんなに借りる必要はないんだよ。

でな、店がうまくいくと、銀行はお金を貸してくれるんだよ。

それで、「店は出しましょう」「ビル建てたらいかがですか」「土地を買ったらいかがですか」とか、色々言われるんだよ。

言われるままにしてたら、ガサはでかくなってくるよ。

お店も沢山あったり、いろんなものを持ってるんだよ。

だけど、現金がない。

しかも、銀行のために働くようになっちゃうんだよ。
最終的に、誰のために働いていいんですかってことになっちゃうんだよね。

それって、苦しいだけだよね。

「それが私の趣味なんです」って言うなら、いいんだよ。

ただ、俺が「まずいな」って思うのは、「まさか、こんなことになるとは思わなかった」っていう、そういう人生が一番まずい生き方なんだと、俺は思うんだよな。

だから、借金は極力しない方がいいよな。

確かに、借金しながらやると、店舗展開も早いんだよ。

だけど、俺は絶対に借金をしないんだよ。

それで、銀行でも、いろんな人に、俺が言うのは、「借金してまで仕事するほど、仕事、好きじゃない」って。

それは、本当は嘘なんだけど、断るのが面倒くさいからな。

だって、商売って、お金儲けなんだよ。

商人って、お金儲けの達人なんだよ。

そのお金儲けの達人が、なぜ、現金を持っていないんだ。

なんで、借金があるんだ。

おかしいだろ。

新聞やなんか見てると、従業員が3万人いて、今期の決算が2000億の赤字でしたとか。

2万人、3万人の人間が朝から晩まで働いてて、赤字が2000億って、どういうことだ?

1万人の従業員を解雇しましたって言うけど、1万人を解雇しても今までと同じ商売ができるんだったら、最初から1万人もいらないんじゃないの?

経営というものは甘く考えてるとしか思えないよ。

それで、経営学甘くがなくなっちゃう理由は、税金を払わないことを得だと思ってるからじゃないか。

そう、俺は思うんだよな。

儲かってくると、給料で分けちゃうとか、飲みに行っちゃおうとか、何かに使って赤字スレスレにするのが、最高の経営だと思ってるんだよ。

でも、そんなことしたら、何かあった時、予備のお金がないんだよ。

取引していても信用はつきません

「その時のために銀行と取引してればいいんだ」って言うけれど、銀行は金融のプロ、金貸しのプロなんだよ。

「取引していれば信用がつく」って言うけど、ずっと長々、取引しながら、貯金もないとこを、銀行が信用してるわけがないんだよ。

そういう仕事なんだよ。

銀行が急に薄情になったんじゃない、昔からそうなの。

そういうものなんだよ。

そういう目に会いたくなかったら、貯金してればいいの。

「信用ついて、銀行からお金を借りられるんです」って、商人が金貸しにお客されたら終わり。

銀行は「あそこはお金かしても、きちっと返すから信用ある」とかって、腹なんかでは思ってないんだよ。

銀行にとって、ちょくちょく金を借りにくる人間はいいお客さん。

だって、金利が付くからな。

だけど、信用はない。

信用があるのは無借金の人、無借金の上に貯金ある人はもっと信用がある。

で、一番信用のある人は、無借金の上に、どんどん貯金を増やしていく人。

これが、本当の信用なの。

わかるかい。

銀行にとって、借金するお客は都合のいい人間だから、褒めてくれるよ。

だけど、腹なんかではそう思っていない。

もし、自分が銀行家だったらと仮定して、考えてごらん。

お金を借りに来て、返さない奴だったら「これはひどいやつだ」と思うよな、借りに来て、ちゃんと返すやつは「これはありがたいお客さんだ」って思うだろ。

だけど、経営者で、1回も借りに来ないで、貯金をどんどん増やしていく奴がいたら、「こいつ、凄いな」って思うよね。

どっちかになるんだったら、俺はこっちを目指してるだけ。

ま、すでに借金しちゃった人は、とっとと返す。

どうしても、しょうがなくて借りたんなら、ものすごい勢いで返して、今後、金利のつかない自分の金で、商売することだな。

 

 

追伸 いいことのプラスが魅力的

 

人はいくらでも魅力的になれる。

何に魅力を感じるかは人それぞれだよ。 

だけど、たとえば、ごく普通の男がいる。

どうみても普通の男なんだけれど、

「あの人、慶応大学で1番だったんだよ」

って言われると、あぁ、そうか、ってなる。

見る目が違ってくるんだよ。

さらに、

「あの人のお父さん、大阪で市長やってるんだって」

「一人息子で、資産家なんだよ」

とか言われると、だんだん魅力的な話で。

要は、いいものをプラスすると魅力になるんだ。

だけど、いくらでも魅力的じゃないこともできる。

なくしちゃうこともできるんだよ。

簡単にいうと、今、自分が出している言葉が魅力的か、魅力的じゃないか、っていうことなんだ。

魅力のない人っているよね。

魅力のない人って、必ず魅力のないこと言っているの。

たとえば、

「不景気ですね」

とかって。

一回ぐらい、言ったっていいんだよ。

だけど、不景気だ、不景気だって、しょっちゅう言っていて、政治が悪いから、官僚が悪いから、なんてやってると、魅力がないんだよ。

それよりも、

「いくら不況っていたって、何も買わないわけじゃないんだし、繁盛してる店もあるんだから、うちも頑張んなきゃね」

って言ったほうが魅力的だよね。

こういうふうに、魅力的なこと言ってると、魅力の貯金ができるの。

この宇宙には宇宙貯金っていうのがあって、貯金額がガタガタってプラスされていくんだよ。

例えば、いい大学を出ました、と。     

いい大学を出たってことは魅力だから、プラス100点。

だけど、誰も聞いちゃいないのに、自分はこうこう、こういう大学を出てるって語って、大学を出ていない人のことバカにしたりすると、マイナス100万点になるよ。

そうすると、宇宙貯金は貯金どころか、借金になっちゃうんだよ。

でも、学歴をひけらかすわけでなく、威張るわけでもなく、

「私にできることがあるなら、何でもやるよ」

っていって、サラサラいろんなことをやってあげれば、プラス100万、点なんだよ。

みんな、土地にする?

宇宙貯金っていうのはとんでもない金利がつくんだよ。

俺、いろんな人から、どうしたら俺みたく成功するんですか?って聞かれるんだけど、それは宇宙貯金をしているからなんだよ。

いいことばかり起きる人っていうのは、魅力的な発言をして、宇宙貯金を貯めているんだよ。

嫌なことばかり起きる人っていうのは、魅力のないことばっかり言って、借金ばかりしてるんだよ。

「うちの店は、大通りから引っ込んだところにあるからダメなのよ」

とかって、何だからダメだって、ぐずぐずいうの。

そういうのは魅力がないの。

それよりも、「路地裏でも、お店が出せて幸せだね。こういうところだって来てくれるお客さんがいるんだから、頑張んなきゃね」

「今は、車の時代だから、魅力さえあれば、どこからだってお客さんは来てくれるよ」って、言ってる人のほうが魅力的。

そうすると、宇宙貯金もカタカタ、カタカタ、って増えていくの。

場所が悪い、何が悪い、って言ったってね、山の中に咲いてる桜が魅力的なら、人は山へ入っていくんだよ。

遠く離れたハワイにだって、飛行機に乗っていくでしょ。

場所のせいにしちゃいけない。

自分に魅力が足りないの。

桜だって見に来る人がいるのに、なんであなたを見に来る人がいないんですか、っていうことなんだよ。

同じものを売っていても、繁盛するところと、繁盛しないところがある。

そのとき、あじゃない、こうじゃない、っていうけれど魅力がないの。

で、魅力って何ですかというと、魅力的な発言をし、魅力的な行動すればいいんだよ。

今、自分がしゃべっている言葉は魅力的ですか?

今の行動は魅力的ですか?

魅力がないのは、引力がないのと同じなんだよ。

引力がないのに、お客さん集まってきませんかね、って、引力がないのに集まってくるわけがないんだよ。

引きつける何かが泣いてしょうがないでしょ。

人は人の何かに引き付けられてくるんだよ。

だから、いろんな場面で、自分は魅力的だろうか、って考えていかなきゃいけないの。

人がいいこと教えてあげているのに、やらない。

やってもグズグズやっている。

そうかといって、知恵を出すわけではない。

そういう人って、全然魅力がないでしょ。

それ、自分のことだと思わないで、人のことだと思ってごらん。

そういう人が魅力的かどうか、考えてみてよ。

わかるよねぇ、魅力がないんだよ。

学校でもそうだったでしょ。

後輩が来た時に、先輩として導いてくれた人はいいひと。

先輩として威張っていた人は嫌な奴だったでしょ。

だから、いつも魅力的な方を取っている人間が、魅力の貯金ができるの。

それを方法論とか、テクニックだとかいう人がいるけれど、そうじゃないよ。

魅力のない人は、何をやってもダメだよ。

魅力のない人がどんなに上手に歌を歌おうが、どんなに上手にダンス踊ろうが、そんなもん、何にもならない。

だから、もっと自分の魅力を高めていくの。

それで、魅力的なことを言っていると、自分も気持ちがいいんだよ。

相手も気持ちがいいの。

自分の魅力を高める、っていったら、

「私、顔がでかいですから。足も短いし」

なんていう人もいるけれど、魅力に顔のでかさとか、足の長さは関係ないの。

ハンフリー・ボガードなんて、足は短い、顔はでかい。

それなのにすごい魅力があるんだよ。

それを、そんなこと言っている人には、魅力なんて出てこないの。

短いものは短いんだからさ、

「私は胴が長いから、座ってると立派に見えるんです」

とかって、人の心がパッと晴れるような、肯定的なことをいうの。

自分を魅力的な人間に作り変えるんだよ。

で、肯定的な発言をし、いつも笑顔で、自分が生きてることはありがたいと思うの。

「私は病気ですから」

なんていうのも良くないよ。

病気でもまだ生きていいるじゃない。

病気じゃなくても死んじゃう人はいくらでもいるんだよ。

病気でも生きてる以上、人はいろんなことを学ぶものなんだよ。

だから、

「私は学んで、学んだことを人に教え、笑顔で生きるんです」

って言ってごらん、って。

このたったひと言をいっただけで、聞いている人は魅力できたな、って思うの。

それから、誰かから、

「この本、読んでごらん」

って、薦められることがあるよね。

そのとき、

「いやー、私、バカですから」

っていう人がいるの。

ダメだよ、そんなこと言っちゃ。

あんたがバカだから、人が薦めてくれているんだよ。

利口な人に、本を読めていいっこないの。

「私、バカですから」

っていうなら、こう言ってごらん。

「私、物覚えが悪いから、何回でも読みます」

この答えが素晴らしいんだよ。

社会に出て出世する人、ってそういう人なんだよ。

「私、この本読んだことありますから、この本はいいです」

って、人の親切無にするようなこと言っちゃいけないよ。

「ありがとうございます」

って言っていればいいの。

「1回読んで、内容知っているからいいです」

なんて、利口ぶってちゃダメだよ。

もっと魅力的な発言をするの。

「あれ読んだらすごい勉強になりました。自分が知らないことが全部書いてありました」

とかって。

これが魅力だよ。

 

 

 

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