目方というのはその人の持っている力と、その人の性格、その人が呼び寄せる運なんかも含めた、その全てを合計した総合点なの。
商売では「商人の目方」だけが通用するんだ
一人さんは「俺は何でも目方で量る癖がある」と言っているのですが、木の「目方」というのは客観的な実力ということのようです。
つまり、一人さんには、どんなことも客観的な実力で見る習慣があるということです。
ところで、一人さんは、
「商売では『デコレーション』は通用しない。
商人の目方だけが通用する」
と言っています。
この話では、何が「デコレーション」で何が目方なのか、分かりにくいところがあります。
そこで、ここでは、一人さんが教えてくれた商人の目方についての話をご紹介します。
「簡単に言うと、目方はその人の総合力。
その人間の持っている力の全てなの。
もし、誰かが本当に困った時に、俺が助けてあげるとするよ。
そうすると、俺の助けもその人の目方に入っているんだよ。
よく『親の七光り』と言うけれど、その親に本当に威光があって、親が何とかしてくれるんだったら、それも目方のうちなんだよ。
でもね、実際にその目方でお客さんが買ってくれるのかと言うと、必ずしもん、買ってくれるとは限らないわけだよ」
「親の七光り」は良くないことのように言われますが、本当に親が子供の問題を全て解決できるのなら、それも実力であり、目方のうちということです。
ただ、親がその威光を失ったり、死んでしまったりすれば、その人の実力は一気に落ちてしまいますから、不安定で危なっかしい目方ではあります。
また、商売で子供が出会うあらゆる困難を、親が直接解決できるわけではありませんから、実際の「七光り」は、親のアドバイスという形で発揮されます。
この場合でもそうですが、一人さんによると、他の人のアドバイスが自分の目方になる時と、そうでない時があるようです。
「もし、俺が、誰かに『そのやり方じゃだめだ。こうやってやりな』と教えて、その人がものすごく素直で、そのまま『はい』と言って実行するとするじゃない。
この場合には、俺という人間の手助けは、ほぼそのままその人の目方になる理由。
でも、その人が他人の言うことを聞かないタイプの人だったら、いくら俺がついていたって、俺はその人と一緒に秤に乗っていないことになる。
要するに、素直なら他の人の助けは目方になるけれど、そうじゃない人と他の人は目方のうちには入らない理由。
だから、俺はよく『人間は素直ならいい』と言うんだよ」
素直に他の人の忠告を聞き入れる人の場合、周囲にいる人の力を自分の目方として加えられるということです。
つまり、素直な人はとても得をするわけです。
でも、頑固で他人の言うことなど聞こうとしない人の場合には、他の人の力を自分の目方に組み入れるという得はありません。
また、素直なのはどんな場合でも得をするというわけではないと、一人さんは言います。
「いくらその人が素直でも、後ろについているのがろくでもないやつだったら、その素直さも何にもならない。
役に立つような力をもらえないんだからね。
周囲に良い人がいないと、素直な人でも目方はちっとも増えないことになるんだよ。
目方というのはその人の持っている力と、その人の性格、その人が呼び寄せる運なんかも含めた、その全てを合計した総合点なの。
商人として大事なのは、この総合点をどうやって上げるかということなんだよ」
自分の周りにどんな人がいるのかというのは運です。
運が良ければ、素晴らしい力を持った人を自分の目方に加えられますし、運が悪くて周囲にそんな人がいなければ、たとえどんなに素直でも、自分の目方を増やすことにはなりません。
私たちは、一人さんの弟子になって随分と自分たちの目方を増やしてもらっています。
素直になることがいかに大切かということから、運を良くすることまで、全てを教わったおかげで自分達の目方を増やし、なんとか商売をうまくやっています。
私たちの商人として目方のほとんどは、一人さんのおかげです。
これらはすべて、一人さんに出会うというたった一つの運から始まったのです。
そのことに感謝して、この本では一人さんに教わったことを最大限にがんばってお伝えします。
素直だと実力は増やしやすい。
運も実力のうち。
ここではまず、この二つのことを押さえてください。
皆さんのきっと、一人さんの言葉で大きく目方を増やし、大いに儲けることができるはずです。
追伸 質問 親の七光り
今すぐ必要なお金があるのに、それを用意できません。
どう対処すれば良いのでしょうか?
斎藤一人さん
どうしてもお金が必要な時はね、まずは落ち着いて、自分の周りを見渡してごらん。
今の自分にできることはないだろうかって、冷静に考えてみるの。
で、例えば親御さんに借りるという選択肢を思いつくてする。
ところが、みんな次の瞬間、こんなふうに思うんだよね。
「親にお金を借りるなんて恥ずかしい」
あのね、それは違うよ。
頼れる人がいるのは、ものすごくありがたいことなんです。
そういう人がいてくれること自体、「この人に頼ってもいいんだよ」ってことなの。
よく、親の七光りが嫌だって言う人がいるけれど、親としては、親の七光りも利用できない子が一番困るんです。
お金だろうと、七光りだろうと、あるものは使っていいの。
親がお金を出せる人は、出してもらったらいいんだよ。
親というのは、お金を出したくてしょうがないんです。
結婚式でも、若いのに何百万円とかける人がたくさんいるでしょう?
同人達はまだ若くてお金を持っていないのに、豪華な結婚式ができるのは、親のおかげなんです。
もちろん、全員がそうだとは言わないよ。
中には自分たちで支払っている人たちもたくさんいると思いますので、一つの例え話として受け取ってくださいね。
それとか、振り込め詐欺やなんかが多いのも、親は子供がお金に困っていたら、何が何でも助けてやりたいって思うからだよ。
その親心を犯罪に利用するなんて、とんでもない話だけどね。
親は、子供に頼って欲しいものなんです。
肩肘張らないで、困った時は親に甘えていいんだ。
親だって、あの世まで財産を持っていけないんだから、自分が生きているうちに子の助けになりたいの。
わかるかい?
快く貸してくれる人がいるというのは、あなたが持っている財産と同じだよ。
で、自分も必ずお金持ちになると思っていれば、いずれ導かれていく。
じゃあ、親に経済的な余裕がない場合はどうするんですかって、そういう時は、あなた自身が何とかできるきる器量を持っているということです。
いずれにせよ、「なんとかなる」んだよ。
今の10倍稼ごうと思ったら、今の10倍仕事を簡単にするんだよ
収入を増やすことも、考え方の転換が鍵になります。
もし、「収入を10倍にしようとすると、これまでより10倍仕事が難しくなる」と考えたとしたら、収入を増やすことは不可能なことになります。
例えば、1年に1千万円稼いでいる人がいるとします。
この人が1000万円稼ぐのに手抜きをしているのならともかく、実際に必死にがんばっているはずです。
虫、その10倍がんばらないと1億円にならないのだとすると、そんなことをする前に死んでしまいますから、絶対に無理だということになります。
でも、実際に1億円を稼げている人はいるのですから、不可能なはずはありません。
ということは、何か方法があるということです。
一人さんはこう言います。
「10倍稼ごうと思ったら、10倍簡単にするんだよ。
10倍稼ぐの10倍がんばろうと思っても、1日は24時間なんだからそれ以上がんばれるはずがない。
仕事を10倍難しくしようと思ったって、今でも相当難しいことをしているんだから、10倍も難しくができない。
そうじゃなくて、今の仕事を10倍簡単にやれないだろうか、と考えるんだよ。
10倍簡単な方法を探すの。
それが見つかれば、稼ぎを10倍にできる」
つまり、収入を10倍にするには、それまでのやり方のまま、仕事の量を増やそうとしても不可能で、仕事の質を変えるしかないということなのです。
例えば、今よりも10倍簡単な方法が見つかれば、一人でそれまでの10倍多くの仕事をこなせるようになるかもしれませんし、誰かに頼んでもできるようになるかもしれません。
今は自分しかできない仕事でも、10倍簡単ならばパートの人を雇っても出来るようになります。
10人雇えば、10倍の仕事をやれるようになるわけです。
仕事を10倍簡単にすれば収入が10倍増える。
このように頭を切り替えて、それまでの仕事を簡単にやれる方法を見つければ、収入が桁違いに増やす可能性が出てくるわけです。
収入を10倍にするのは、10倍がんばっても10倍難しいことをしても不可能です。
それよりは、頭を切り替えて、これまでの仕事を10倍簡単にする方法はないか、探してみることが大切なのです。
夢には「お金」がかかるんだよ
人には誰しも夢がありますが、一人さんによると、この夢についても考え方を変えた方が良い場合があるようです。
一人さんは、男性の夢と女性の夢とは違っていて、男性の夢には問題があるといいます。
「男は夢を語りたがる。
でもね、夢は寝て見ればいいんだよ。
起きているうちに夢を見るのは危ないやつだよ。
男の夢は、白昼夢と同じなの。
女性の夢は、例えば『シャネルのバッグが欲しい』とか、『ダイヤの指輪が欲しい』なんていう、どれもお金で買えるものなの。
でも、男の夢はお金で買えないような訳のわかんないものばっかりなんだよ。
そこが問題なの」
女性の夢には現実性があるのですが、男性の夢には現実性がないものが多いようです。
実は、この現実性がないというところに問題があります。
一人さんはある人の夢を例にして、こんなことを話してくれました。
「ある若い人がね、自分の夢を聞いてくれって言うの。
それで、『なんだい?』って尋ねてあげたら、アメリカ大陸をバイクで一周するのが夢だって言うんだよ。
俺は、『いいね。それでもパスポートは取ったの?』って聞くと、とってないって答える。
『ふーん。じゃあ君は英語喋れるの?』って聞くと、英語ができないと言う。
俺は、嫌な予感がして究極の質問をしてみたんだよ。
『オートバイが持ってるよね』
『いえ、持ってません』
ふざけんなよ、って、俺は笑っちゃった。
でも、本当は笑い事じゃないんだよね。
夢を語る前に働かなきゃだめ。
働いてお金を貯めて、バイクを買うとかなんとか、ちゃんとしてからそんな夢は語るの。
実現させようともしないうちに、夢だけ語ってすむと思ったら大間違いだよ。
夢にはお金がかかるんだよ。
夢だけ語っているだけならお金がいらないからって、いつまでも、そんなことしてっちゃうしょうがないの」
確かに一人さんの言うように、男性には実現させようともしていないのに、自分の夢を語りたがる傾向があるようです。
しかも男性には、実現可能な女性の夢を邪魔しようとする傾向さえあると、一人さんは言うのです。
「女の人にも夢がある。
でも、それを邪魔するのはたいてい亭主なんだよ。
女房が『30万円のシャネルのバッグが欲しいから働きたい』って言うと、こんなことを言って邪魔しようとするんだよ。
『30万円もするバッグ買って、どうするんだ』
こんな亭主はあてにならない。
今まで買ってくれなかったんだから、これからも買ってくれないよ。
自分で働いて買った方がいい。
だから俺は、こんな亭主にこう言えと教えてやるの。
『まだ買ってもいないうちにそんなことを聞かれても私も困るから、買ってから行ってちょうだいね』
亭主は女房の夢を邪魔しちゃいけないの。
男は女性の邪魔をするのではなく、むしろサポートをするべきなの」
夢にはお金がかかる。
夢は語るものではなく実現するもの。
この二つを肝に銘じ、世の男性は夢よただ語るのではなく、実現へ向けて具体的に進んでいくようにしたいものです。
斉藤一人さんのお話を纏めました。
皆様、いつもご精読ありがとう御座います。
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