「えこひいきしてもらえる人になれ」
美人の人もいれば、そうじゃない人もいる。でも好かれるのは可愛い人
斎藤一人さんはよく、
「商人はえこひいきしてもらうことが大切なんだよ」
と言います。
「えこひいき」といえば、皆さんはあまり良くないことのように思われるかもしれません。
今の世の中では。平等ということが当たり前であるかのように言われますが、一人さんの見方では違います。
「人間は平等じゃない。
美人に生まれる人もいれば、そうじゃない人もいる。
お金持ちの家に生まれる人もいれば、貧乏な家に生まれる子もいる。
豊かな国に生まれて食べ物の心配のいらない子供もいるかと思えば、国が貧しくて生まれてすぐに飢えて死ぬ子供もいる。
これだけ考えても、人間は平等なんかじゃないんだよ」
実は、「えこひいき」というものも、意外と日常的に存在しています。
例えば、贔屓の俳優とか、あるいはプロ野球チームとか、他にもテレビ番組や映画監督、作家、コメディアンなど、贔屓にしているものがあるのではないでしょうか。
一人さんは、「それは仕方のないことだ」と言います。
「気に入ったものに肩入れしてしまうのは、人間の性質なんだよ」
ということです。
そのことに不平を言っても何もならないと、一人さんは言います。
「気に入ったものを贔屓してしまうのは、しょうがない。
それなのに『あいつばかり可愛がられて、俺には冷たい』と思っちゃいけない。
それはあんたがいけないの。
冷たくされるのは、あんたが可愛くないからなんだよ」
これは、平等ではないことを嘆く前に、現実を変えたほうがいいという意味です。
自分が嫌だと思うことが起こっているのは、実は、自分自身に原因があるのかもしれない。
態度が悪いのかもしれないし、性格に問題があるのかもしれない。
あるいは、いつも一言多いなどという些細なことが原因なのかもしれない。
そのことをよく考えるべきだということです。
つまり、自分が可愛がられたければ、不平を言うよりも、可愛がられるように自分を変えたほうがいいということなのです。
商人にとっても、これは全く同じことです。
こんなことを言う人をたまに見かけます。
「俺の店の方がうまいのに、大して上手くもない店が流行っている。
世の中はなんていう不公平なんだ」
自分の店にお客さんが来ないのに、他の店が繁盛しているからといって、「不公平だ」などと言っても、何の役にも立ちません。
お客さんが特定の店を贔屓にするのは、当然のことだからです。
お客さんが自分の店に冷たいのは、自分に原因があります。
斎藤一人流に言えば、
「あんたが可愛くないからなんだよ」
ということなのです。
お客さんに愛想の一つも言えない。
いつもしかめっ面をしている。
お客さんに高飛車な態度をとる。
店の雰囲気が暗いなど、なんか「可愛くない」ところがあるのです。
自分の店を繁盛させたいのであれば、商人がとにかく、贔屓されるようにならなければ仕方がありません。
それには、お客さんに可愛がってもらえない自分自身を、何としても改めるよう努力すべきです。
そして、「あいつ、可愛いから、じゃ、これからもこの店を使おうか」と、「えこひいき」してもらって、やっと店の経営が成り立つわけです。
商人は、お客さんに「えこひいき」してもらってこそ生きていけるということを、決して忘れないようにしたいものです。
「困ったことは起こらない」と考えると「福の神」がやってくる!!
斎藤一人さんは節税をしないと言っています。
普通のお金持ちだと、様々なテクニックを使って節税しようと考えがちですが、そんなこと一切する気がないようです。
これはそもそも、「払わないで済むなら、それに越したことはないが、いずれにしても払わなければならないものだから、肯定的に捉えよう」ということから来ているようです。
このため一人さん自身は、節税しない理由をこんな具合に説明しています。
社会がきちんとしているから、商人は商売ができる。
例えば、整備された道路を使っているから商品を運べるのだし、お得意先にもいける。
また、信号のおかげで安全に道路を使える。
このように、社会がきちんとしているおかげで、商人は商売をすることができる。
その社会に商人が貢献できるのは、やはり納税ということになる。
つまり、社会のおかげで商売ができるのだから、納税によってその社会に貢献するべきだということです。
また、一人さんの場合だと、節税をするのは時間の無駄だということもあります。
一年で何十億も稼いでいるのですから、1日でも何千万、1時間でも100万、200万と稼いでいることになります。
その一人さんが節税のことを考えていては、時間の無駄になります。
それならば、その時間でもっと儲けられるように考えたほうがいいということです。
一人さんは、
「商人として、税務署が来ないようになっちゃったら終わりだ」
と言ったことがあります。
「税務署はその人が儲かっているから来るんだよ。
それなら、税務署が来るということは、儲かっているというお墨付きのようなもんだ。
しかし税務署は、会社の経理がいい加減にできないよう徹底的に調べてくれる。
だから、すごい助かるんだ」
そして、こんなことさえ言っていました。
「もしかしたら、税務室を言うのは福の神なんじゃないか」
一人さんはよく「困ったことは起こらない」と言います。
どうやら、「困ったことは起こらない」と考えれば、納税も困ったことなどではないようです。
本屋さんの中は「綺麗な字」ばかり。だから「汚い字」が目立つんです。
うちの店(読書のすすめ)で、斎藤一人さんが作ってくれたPOPの事をお話しします。
「売れてこそ正解」という言葉は、その時に聞いたものです。
このポップには、一人さんの深い計算があったわけですが、ここではそのことについて、詳しくお話しします。
この時のPOPは一人さんの最初の本『変な人の書いた成功法則』(総合法令刊)のためのものでした。
もう随分前の話で、一人さんとはいっても、当時はまだ知名度も何もない頃でしたから、出てしばらくはまるで売れず、平積みになったままの状態でした。
ところが、このPOPを出してからは、すごい勢いで売れるようになったのです。
1日に10冊以上は軽く売れました。
うちほどの規模の本屋だと、マスコミが大騒ぎするようなベストセラーでも、まずこんなに売れません。
郷ひろみの告白本が爆発的に売れたことがありましたが、あれと同じくらいの驚異的な売れ行きだったのです。
しかも、これはいわゆるビジネス書に属する本ですが、この分野のものをまず買ってくれない主婦なども買ってくれました。
知名度のほとんどない著者の方が、社会現象になるくらいのベストセラーと同じ勢いで売れたり、ビジネス書が主婦に売れたりする。
これはもう異常事態としか言いようがありませんでした。
これは全て、一人さんの作ったPOPの威力によるものだったわけです。
このPOPは、一人さんの口述する宣伝文を、私がA4のコピー用紙の裏側を使って殴り書きしたもので、本当にお粗末な外見でしたから、私にとってはほとんど奇跡のように思えたものです。
でも、これは奇跡などではなく、一人さんが商人としての長いキャリアから身につけた知恵によるものだったのです。
そこに秘められた深い計算について、一人さんをこんな風に説明してくれました。
「POPというのはいっぱいある。
みんなデザインのプロに頼むから、綺麗に作るよね。
綺麗に作るのは、プロのデザイナーとして当たり前だけど、俺たちはプロの商人なんだから、それだけじゃだめなの。
商人にとっては、そのPOPをつけてどれだけ売れたかが勝負なんだから、売れて初めて正解なんだよ。
もし綺麗に作っても売れないんだったら、別の工夫を考えなきゃいけない。
ほら、本書の中には、POPも含めて、綺麗な文字や形ばっかり手がいっぱいあるだろう。
そこへ、殴り書きの文字があるとどうなる?
当然、目立つ理由」
私は、「なるほど」と思いました。
言われてみれば、確かに本屋の中というのは、表紙のロゴやPOPなど、彩り鮮やかな、綺麗で整った文字ばかりです。
いくら綺麗な文字でも、そればかりが乱立していては、一つ一つの文字が何が何だかわからなくなってしまいます。
そこへ、同様に美しく作られたPOPを並べても、返って目立ちません。
殴り書きの文字だけでPOPを作るというのは、その逆を行くということだったわけです。
デザインのプロはPOPを綺麗に作って正解ですが、商人にとってはそうではなく、商品が売れて初めて正解なのです。
私は、一人さんのPOPから、まずこのことを教わりました。
V
斎藤一人さんの話を纏めました。
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