お互いに「この人には価値がある」ということに気づいて、ともに「愛する人」にお金を使える、豊かな関係を築いていきたいものです。
愛する人に使うお金は、「出させてもらう」気持ちで
「奥さんが何かを一つ買ったら、男は『来年は二使えるようにがんばるからな』って言うんだよ。
『お前ばっかり買いやがって』というのはダメ。
『来年は二つ買えるようににがんばるからな』って言葉は、奥さんが聞いても、世間が聞いても、神様が聞いても豊かな会話だよね。
同じするなら豊かな会話がいいよな。
一人さんのこの言葉をお伝えすると、お客様のCさんは、感じ入った様子で、「さすがですね。よし、僕もひとりさんみたいにかっこよく妻に言おう」と、意気揚々とカウンセリングルームを出て行かれました。
次のカウンセリングでお会いしたCさんは、ちょっぴり紅潮した顔で、「妻が新しいワンピースを着ていたんですよ」と、私に切り出しました。
Cさんが「買ったの?」と奥さんに聞いた時、奥さんは「これまでの夫とは違う。何か言われる」と、身構えたそうです。
ところがCさんが、「来年は2着買えるようにがんばるよ」と言ったものですから、奥さんは「えーっ! いいの?」と驚きつつも満面の笑顔になったとのこと。
「値段を聞いたら、38000円だって、ニコニコしながら言うんですよ。
えっ! 俺の1月の小遣いより多いじゃんて一瞬思ったんですが・・・・・・・。
一人さんを目指すって、りえ先生に言ってしまった手前、ぐっとこらえました。
『来年のクリスマスには2着プレゼントできるようにがんばるよ』って言ったら、妻がものすごく喜びまして。
まあ、あの顔が見られたので、これはやせ我慢ではなく、本当に良い買い物だったんだなーって思いました」
Cさんの話をすると、一人さんは目を細めてこう言いました。
「よかったな。その人は、自分の奥さんにはそれだけの値打ちがあるって事が、わかったんだよ。
『愛してるから、結婚させてください』って、男は惚れた女性のご両親に頼むはわけだけど、親はどれだけの手間暇かけて、その女性を育てたことか。
もちろん、育児や教育には膨大なお金もかかる。
結婚するってことは、それだけ大切な人をもらうってことなんだよ。
その価値がわかっていれば、4万円のワンピースだって『もう一枚買ってあげたい』って言える。
この女性にはそれだけの価値がある。
そんな女性がついてきた自分にも価値がある。
価値のある者同士が一緒にいる。
結婚って、そういうことだよな」
これは、男性に対しても当てはまると思うのです。
女性は、両親の愛をたっぷり受けて育てられた、大事な息子さんと結婚するのですから。
お互いに「この人には価値がある」ということに気づいて、ともに「愛する人」にお金を使える、豊かな関係を築いていきたいものです。
さて、「愛する人」とは配偶者に限りませんね。
親、子、兄弟、恋人、友人など、様々な関係があります(もちろんあなたにとって「自分」も立派な「愛する人」です)。
その中でも、私が特にお伝えしたいのが、あなたの親御さんがご健在だったら、どうぞ親孝行のためにお金を使ってくださいということです。
よく「親孝行したい時に親はなし」といいますが、この言葉の本当の意味は、どんなに親にしてあげても、親にしてもらった以上のことはできないということなんです。
「お金を払おうとするたびに、『いいから、自分のために使いなさい』って親から言われて、ずっと子供気分が抜けずにいるうちに、二人とも他界してしまいました」
寂しそうに、そうおっしゃったお客様もいました。
大きな金額でなくていいから、できるだけお正月音を親御さんにお年玉をあげてください。
そうすることで、「この子は、お金に困ってないんだ」と安心してもらいます。
私の弟は、実家に帰ると母に車のガソリン代をもらったり、食材を買ってもらったりしていました。
ある年、「少しでいいから、お母さんにお年玉あげなさい」と私が言ったら、弟は母に2000円を包みました。
金額の多い少ないではないんですよね、ポチ袋を受け取った母は泣いてました。
「この子は、お正月おちゃんと暮らせるんだわ」って心から安心したのでしょう。
ここで少し自己弁護をすると、私は両親にもっとあげています。
「出してやっている」ではなく、「出させてもらっている」。
愛する人に使うお金は、そういう気持ちで渡すと楽しくなります。
親が死んだ後で、「もっとああしておけばよかった」とあなたが後悔しないように、親は最後まであなたの人格を育ててくれているのです。
だから、介護だって「親のせい」じゃなくて「親のおかげ」です。
「介護させてもらっている」って思ったら、労力もお金も惜しくなくなることでしょう。
後になって振り返ると、「させてもらっていた」ということが、必ずわかる時が来ます。
人の喜び事を喜べると、豊かさが循環します
「人にやってあげること」と、「人からやってもらうこと」。
人の世は、この二つで成り立っています。
二つの明かりがちょうどつり合った「お互い様」が一番心地いい状態なのに、一方に偏ってしまうことが、ままあります。
すると、人生から豊かさが消え失せ、苦しみに一変してしまいます。
人を助けたり、誰かの役に立ったりするのは、とても素敵なことですね。
でも、自分が食べるものにも困っているのに、ボランティアに一生懸命になりすぎたら、そう遠くない日に、自分がボランティアをしてもらう側に回ることになるでしょう。
反対に、人には絶対にしてあげないのに、「ご馳走してよ」「これやって」が口癖の人に、何かをして喜ばせあげようなんて気持ちはなくなりますよね。
「それ、どういう意味? ちょっと教えてくれないかな」
惜しみなく人に知恵を授ける一人さんは、知らないことがあると、偉ぶらずに何でも人に聞きます。
「人にやってあげること」と、「人にやってもらうこと」のバランスがいつも美しく整っていて、さすがだなあと思います。
以前、カウンセリングにいらしたA子さんが、うんざりした口調でおっしゃいました。
「税金って高いですよね。先日、支払いをつい後回しにしていたら、追徴金が付いたんです。
とる時は本当にきっちりなんだから嫌になります。
消費税なんて、なくなればいいのに」
税金が支えている公共の施設や、サービスの恩恵を受けながら「支払うは嫌」という態度でいると、バランスを乱します。
「いざという時に、救急車や消防車やお巡りさんを頼れなくなったら、どうしますか? 考えるだけで怖いですよね。
明日から家庭のゴミの収集を一切してもらえなくなったら、すごく困りませんか?」
私がそう聞くと、「ええ、もちろんですとも」とA子さんは深く頷かれます。
「それらはすべて、税金で賄われているものですよ」
私が続けると、A子さんは「あっ!」という顔をなさいました。
私は、一人さんを見習って多くの税金を収めたいと思っているので、節税対策ができる法人化はせず、個人事業主であり続けています。
納税は、現在、住んでいる東京都ではなく、故郷のいわき市にしていますが、それは「少しでも復興の役に立ちたい」という思いから。
できるなら、ボランティアするのもいいことですよね。
でも、まずはしっかりと働いて、納税することだと私は思っています。
もし、今、私が一億円を稼いだら、6500万円ぐらいは税金で徴収されてしまうけれど、「この税金でみんなが幸せになるといいな」と気持ちよく支払えば、皆さんの喜び事でいただいたお金を、また誰かのために差し上げることになります。
「故郷のいわきに税金をたくさん払いたいから、個人事業者のままでいるんですよ」
私がそうお話すると、A子さんは居心地悪そうにしました。
「考えてみると、私が毎週、楽しみに通っている図書館も、子供達がお世話になった公共の学校も、みんな税金で助けられているんですよね・・・・・・。
最近、夫の給料が下がって、買い物に行ったお店の人にも『1円でもいいから安くして』とか嫌なことばっかり言っていました。
きっと、私の秤は、『人にやってもらうこと』に偏り切ってしまってますね」
しょんぼりした顔でそんなことを言うので、私は明るく、こう言いました。
「大丈夫。
人は、『どれぐらいの豊かさで暮らすか』を、自分で決められるんです。
言葉まで貧しくならないようにしましょう。
『払うのは嫌だな』ではなくて『お祓いになって嬉しい』『バランスが整って楽しい』って思ってみてください。
人の喜び事を喜ぶ人には、自分にも喜びごとがやってくるようになります」
A子さんは、とても真剣な顔で聞いてくれました。
私の母は、弟が実家に行くと、「電球替えて」と上手に頼みます。
自分でも替えられますが、「子供が小さい時は、親は何でもできるスーパーマンでいなくちゃいけないけど、大きくなったら、『できなくなること』も大切だから」と言います。
母に鍛えられた弟は、「人にしてあげること」が自然と身についたようで、一緒に買い物に行くとパッと荷物を持ってくれたり、ドアを押さえてくれたりします。
でも、母に美味しいご飯を作ってもらった、食品や日用品を買ってもらったり、「やってもらうこと」もたくさんあります。
神様は、ちょっとずつ良くなることを望んでいらっしゃいます。
ちょっとずつ学んだことは、とてもよく身につくからです。
まずは、笑顔で気持ちよく払うことから始めてみましょう。
「来月は結婚式が2件もある。ご祝儀貧乏になっちゃう」
「うちはもらうことがないのに、出産祝いやお年玉を出すばっかり。もう嫌」
そんなことばかり言って、気持ちよく払うことができないと、バランスはどんどんおかしくなります。
その後、A子さんは、心の中で「お祓いをお願いします」と言いながら気分良く支払っていたら、ご主人のお給料が元に戻りました。
それだけではありません。
パン作りがとても上手なA子さんは、「講習代を払うから、ぜひ教室を開いて」と、ご近所の方達から頼まれたそうです。
皆さんを楽しませて、お金をいただく機会にも恵まれ、とても生き生きと生活なさっています。
斎藤一人さんの話を纏めました。
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