自信のある顔をして相手を安心させてあげる。
これがプロとしてのマナーだよ。
勝負は「顔つき」で10割決まる
一人さんは、たまにテレビで格闘技を見ることがある。
K1の試合を見るとね、私はどっちが勝つか、試合が始まる前にわかってしまうことがある。
両者がリングに向かうとき、二人の顔をよく見てみるんだよ。
すると、どちらかが、ちょっと不安げで悲しい顔をする時があるんだ。
この顔をした選手は、必ず試合で負けちゃうんだよね。
弱気な顔をすると、「ビクビクした波動」が出てしまうんです。
勝負の時は、どんな時でも「相手に勝つという顔」を見せなくちゃいけない。
不安な顔を見せたとたん、負けが決定しちゃうの。
仕事だって、真剣勝負だからね。
「ビクビクした波動」を出してはいけないんです。
どういう顔で挑むかで、仕事相手が抱く印象が大きく変わってしまう。
高級レストランのウェイターは、自信満々で料理をテーブルに運ぶよね。
なんとなくこちらも不安になって、美味しく食べられないものなんです。
他にも、タクシーに乗った時、「道がわからないんです」っておどおどしながら運転するドライバーがいるよね。
こんな人に当たったら、不安で仕方がない。
自分の命を預けているんだから、「安全運転で目的地まで送り届けます」っていう安心感がある人のタクシーに乗りたいよね。
あなたも、ビクビクした人と取引はしたくないだろう?
不安げな人と仕事をしたら、松苔が失敗しそうな気がするもの。
自信がない気持ちを態度に表したら負けなんです。
自信がなくても「自信のある顔」をして職場に向かうんだよ。
「ビクビク」してしまうのは、自分の欠点が気になって、その欠点がいけないことだと思ってしまっているからなんだよね。
欠点は才能だから、無理に克服する必要はないんだよ。
それをうまく生かすことを考えたらいい。
そう考えられたら、「自信のある顔」もできるからね。
いい仕事をするには、顔ってすごく大事なの。
もちろん、誰にだって、できないこと、分からないことはあるよ。
でも、「ビクビク」してたら馬鹿にされちゃう。
堂々とした顔で、凛として、相手に向かうんです。
分からないことは、「後ほど、ご報告します」って言えばいい。
知らないことは、「調べてお伝えします」と堂々と言えばいいの。
「何があっても大丈夫です。私に任せてください」
そういう気持ちで、仕事をしてごらん。
堂々とした顔で仕事をするだけで、人から信頼されるようになるんです。
威張っちゃいけない、なめられちゃいけない
偉くなると、すぐに威張る人っているよね。
部下に命令口調で話をしたり、頭ごなしに怒鳴ったり。
一人さんは、そういう人と関わりたくないよね。
いいかい。本当に偉い人はね。絶対威張ったりはしないんだよ。
部下や同僚にだけじゃない。
コンビニの店員さんにも、どんな人にも分け隔てなく、優しいの。
どんな立場の人にも平等に接していると、見ている人は見ているの。
「あの人は誰にでも同じように優しいね」って。
多くの人が評価してくれるんだよ。
偉くなっても、威張っちゃいけない。
もちろん、偉くない人も威張っちゃいけない。
人は誰でも平等で、尊いものだということを忘れないことです。
そして、もう一つ、伝えておきたいのは、どんなに立場が下であっても、相手からなめられちゃいけないということ。
下請けだから、新入社員だから、と泣き寝入りしちゃいけないんです。
優しい人って自分の気持ちを抑えてしまうんだけど、これじゃいけないんだよね。
ある時、居酒屋さんに行ってね、こんな場面に出くわした。
「お前、何やってんだよ。箸が足りないんだよ」
「早く水、持って来いよ。トロイな」
と、立て続けに命令口調で文句を言う、中年のサラリーマンがいたの。
あまりに威張った言い方に、そのお店のアルバイトの子は頭に来たんだろうね。
「箸を持って来て欲しいということですね」
「水を持っていけばいいんですね」
と聞き返していた。
冷静だなって感心していたら、サラリーマンが、
「お前、馬鹿じゃないのか? 生意気だよ」
って大声で怒鳴った。
すると、アルバイトの子は、
「私は馬鹿じゃありません。謝ってください」
と静かに返したんだよね。
文句を言ったサラリーマンは、黙っちゃった。
自分のことを馬鹿にされたら、怒ってもいいんです。
ただ、反論するにしても暴力や暴言ではなく、この子のように、感情的にならず言いたい事だけ伝える。
自分を守れるのは、自分しかないんだから、こういうプライドは持つべきです。
威張っちゃいけない、なめられちゃいけない。
この気持ちを持っていれば、どんな相手でも、堂々と仕事ができる。
弱気になったら、この言葉を思い出すことだよ。
世の中、思った通りにならないこともある。
そういう時、「いばっちゃいけない、なめられちゃいけない」と踏まえて声を出すと、不思議とうまくいくんだよ。
普段こう思ってると、だんだんとなめられないで対処できるようになる。
威張っちゃいけないと思っていれば、威張らない人になる。
練習なんだよね。
自分を守れるのは自分だけ。
馬鹿にされたら、時には怒ってもいいんだよ。
お説教をアドバイスに進化させる法
部下や同僚がミスをした時、あなたならどう注意をするかな?
「何やってるんだよ、馬鹿野郎」
「あーあ、なんてことをしてくれたんだ」
「だから、やめろって言っただろ?」
注意する前に、こんな風に感情をむき出しにするような「枕詞」をつけてないかな?
感情そのまま言葉にしてはいけないよ。
怒られた人は、先に枕詞だけを受け取ってしまう。
すると、次にくる注意した内容なんて頭に入ってこないんだよね。
だからね、部下の間違いを見つけたら、すぐに注意をしないこと。
間違いを直すために、どう伝えたらいいか、よく考えるべきなんです。
そして、その場では注意しない。
注意して相手には、「いい話があるよ」って、後で呼び出すの。
大勢の前で注意して、その人に恥ずかしい思いをさせないようにね。
人前で怒られるって、プライドがズタズタにされるからね。
それに、アドバイスするんだから、「いい話」に違いないよね。
なるべくいい話になるように、話を持って行くんです。
例えば、お客様に商品を渡す時、無雑作に袋を渡したとするよね。
「なんで、きちんと商品を渡せないんだ!この前教えただろ」じゃなくて、「紙袋の取っ手が取りやすいように渡した方が、お客様も取りやすいよね。
今度、やってごらん。お客様も喜ぶよ」って伝える。
上司は、いい方に配慮すべきなんです。
注意するのにも「愛」が必要なの。
一度、怒鳴られると、また怒鳴られるかもと思って、萎縮してしまう。
すると、いい仕事をする余裕が持てなくなるからね。
でも、愛のある言い方をすれば、部下だって「次は直そう」「元お客様のことを考えよう」って気持ちになるでしょ?
素直にアドバイスだけを受け取る得るようにしてあげるのも、上司の役割だよ。
愛のある言い方は、子供に対しても、パートナーに対しても一緒だよ。
「いい話があるよ」と言って、アドバイスする。
それだけで、言いたいことが素直に相手に伝わるからね。
怒りの感情ではなく愛情ある言葉を投げかけると、
相手はアドバイスを受け取れる。
斎藤一人さんの話を纏めました。
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