人様のことを考えない夢なんて、うまくいっこありません。
叶う夢と叶わぬ夢の違い
「こういう夢があります」「ああ言ったことを実現したい」など、夢を語る人は多いものです。
でも、「この人の夢、絶対に敵わないな」と私が思うものがあります。
それは、人様の役に立たない夢。
誰からも感謝されない夢です。
夢というのは、人から「ありがとう」と言われるとか、神様の役に立つとかといった、自分以外の誰かに役に立つものでなくてはならないのです。
自分の勝手な目標は、夢などと言いません。
他人が視野になくて、「こうなりたい」「ああなりたい」というのは、単なる願望と言うか、野心です。
そんな目標には誰も協力しない。
うまくいっても、途中でスッ転んで落ちる。
人様のことを考えない夢なんて、うまくいきっこありません。
そんな夢、自分は嬉しいかもしれないけれど、誰が「ありがとう」と言うの？
大きい仕事になればなるほど、「ありがとう」と大勢から言われなかったら成功できません。
今、様々な法律があるけれど、その法律の間をぬってお金を儲けようと、色んな手段を考える人がいます。
そういう人は、「天網恢恢疎にして漏らさず」という言葉を知っているのでしょうか。
天の網は粗く見えても、一人も逃さない。
それと同じように、自分だけの身勝手な願い事などは通らないのです。
でも、もし通るとどうなるか。
その時、その人にとってこの世が地獄になる。
その人の見ている世界が地獄になるのです。
その人は周囲の信用を失います。
「あいつは金儲けするためなら何でもする」などと言われ、他人から信用をなくすのです。
信用をなくした中で生きていると、間違いなく世間が敵に見えるようになります。
「俺は正しいんだ。法律に触れてない」と、まくし立てて話すようになる。
でも、話している顔を見てみると、必ず怒っている。
口がヘの字に曲がっている。
つまり、不幸なのです。
お金をたくさん持とうが、自家用ジェットを持とうが、不幸を生きることになる。
死ねば、必ず地獄に堕ちる。
どうしてかといえば、天国には怒った顔の人などいないからです。
愚痴や泣き言を言っている人もいない。
それだったら、「ありがとう」とか、「感謝してます」とか人から言われるように、どうしたら他人に喜ばれるだろうと考えていた方がいい。
やっぱり近所の人に好かれて、他人から愛されて生きる道の方がいい。
これは心の考え方。
心のフィルムの問題です。
「ありがとう」「感謝してます」とばかり言っていて、ずっとその場で立ち止まってはいけないのです。
始めたばかりの頃は、いいことがいっぱい起きる。
でも、しばらくしたら言ってもいいことが起こらない、という人がいます。
それは、天からのサインです。
「そろそろあなたは、次の段階に行きなさい。いつまでもありがとうって言ってるだけでは駄目ですよ。次はありがとうって言われる生き方をしなさい」ということです。
「ありがとう」には限界がある
「ありがとう」の話をします。
普段から「ありがとう」と言っているといいことがある。
「感謝してます」と言っていると、同じようにいいことがある。
これは本当です。
「ありがとう」と言っていると、良いことが起こります。
ただ、ある日突然、いいことが起こらなくなります。
例えば、赤ん坊がハイハイする。
それまで寝っ転がっていた子がハイハイすると、親は笑顔で喜びます。
ところが、三十歳になっても、まだハイハイしていたら親は喜びますか？
どちらかといえば、心配するだろうと思います。
それと同じです。
誰かに親切にしてもらったら、「ありがとうね」とか、「感謝してます」とか言う。
これは当たり前です。
ただ、当たり前のことも言えなかった人が、当たり前のことを言うようになったら、それはまわりも喜びます。
親も喜ぶし、神様も喜ぶ。
人としての成長の過程だから。
「ありがとう」と言い始めれば、いいことが立て続けに起こってきます。
それに味をしめて、「ありがとう、ありがとう。感謝してます」とずっと言っていたとします。
そうすると、それはただいただくだけの人生になってしまう。
するとある日、いいことが起こらなくなります。
それはそうです。
もらうばかりの人生では、いいことも起こらなくなる。
「ありがとう」と他人に言っているばかりではだめなのです。
「ありがとう」と他人から言われるような人生を送ることが重要なのです。
それが、次の段階。
そのためにまずできることは、いつも笑顔でいること。
それだけで、「あの人、感じがいいね」となります。
お年寄りが荷物を持っていたら、率先して持ってあげる。
レストランに入って、店員が通りずらそうにしていたらイスを少しどけてあげる。
こうしたちょっとしたことで、「ありがとう」と言われます。
今も、私が読者に向けて一生懸命お話ししているのも、この話を聞いた誰かが「ありがとう」と言ってくれると思っているからです。
自分のできる範囲内で、「ありがとう」と言われることをしましょう。
本当に些細なことでいいのです。
そうしたことを繰り返して行なっていると、色んな事がうまくいくようになります。
例えば、会社の上司から認められる、人間関係がうまくいく、商売がうまくいく。
商売人ならば、自分が商売していることによって、他人から「ありがとう」と言われるかどうか考えてください。
そのことが、あなたの人生にとっても、商売にとっても、とても大切なのです。
あなたは、他人から「ありがとう」と言われる人生を送っていますか？
「感謝してます」と言われる人生を送っていますか？
あなたは、他人に「ありがとう」とまず言えるようになった。
そのことはとてもいいこと。
本当に良かった。
だけど、それだけで満足してはいけないのです。
商売にしても、仕事にしても、人から「ありがとう」と言われないようでは、うまくいきません。
大体仕事で繁盛していないお店とは、考え方がケチなのです。
例えば1000円のものが目の前にあるとしましょう。
それを一個売ると、300円の利益になる。
だからといって、300円だけが欲しいという顔をしてこれを打っていたら駄目なのです。
それでは、笑顔だって出ない。
そんな考えでは、お店の掃除もしなくなる。
薄暗いお店とかよくあるでしょう。
お客さんのために電気をつけるのももったいながっているの。
そんなお店は最低で、人も入りたくなくなる。
でも、そういうお店でも、物を買ってくれたお客さんにだけは笑顔を向けたりする場合があります。
お金を払うお客さんが荷物を持っていたら、もってあげようとしたりする。
それは「お金になる」とだけ思っているから、荷物を持とうとするのです。
それが普通かもしれません。
だけど、本当に繁盛しているお店を覗いてみると良い。
お店はきちんと掃除されているし、物を買わないお客さんにも愛想がいい。
買ってくれないお客さんでも荷物を持っていたら、持ってあげる。
お店に愛があるのです。
でも、繁盛していないお店は、愛の出し惜しみをしているのです。
感謝の次にすべきこと
日本というのは、感謝の国です。
だから神社に行った時には、お参りする時間がすごく短い。
極端なことを言うと、10時間かけて伊勢神宮に行っても、1時間も拝んでいる人はまずいません。
これが外国に行くと、何時間も拝んでいる人がいっぱいいる。
これはなぜかといえば、外国の場合は、神様にお願い事をしに行くのです。
だから何時間もかけて、真剣にお願い事をします。
だけど、日本の場合は感謝なのです。
「ありがとうございました」とか、「神様のおかげで幸せに暮らしています」とか、要するに感謝を言いに行くのです。
願い事は長いけれど、感謝は短いでしょう。
簡単に言うと、神様と同じで、人は感謝され、「ありがとう」と言われる生き方をしないといけない。
最近、「ありがとう」という言葉が流行っているようです。
この言葉自体、絶対にいい。
けれど、それを言うことだけ最終目的にしないでほしい。
今まで言えなかったけれど、「ありがとう」「感謝してます」という言葉を、やっと言えるようになった。
それは拍手ものです。
私も拍手するし、「偉いね」と言います。
しかし、それが終着駅ではない。
やっとスタートラインに着いたところ。
マラソンでも、スタートラインで寝ている人はいないでしょう。
スタートラインで「万歳」と言っている人もいない。
ここが魂を成長させるスタート地点なのです。
どうしたら他人から「ありがとう」「感謝してます」と言われるようになるだろうか。
「あなたが生きててくれてよかったよ」とか、「あなたがいてよかった」とか、「この店があって良かった」とか、どうすればそんな風に言われるようになるのかを考えて実行する。
人間の究極の目的は、人から喜ばれるような存在になること、「ありがとう」「感謝してます」と広くたくさんの人から言われるようになることなのです。
斎藤一人さんの話を纏めました。
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