「わかるよ。眠れないのって、辛いよね。あんたは、よくがんばってるね」(※「がんばれよ」ではなく、「がんばってるね」というところがポイントですね)
「がんばれよ」ではなく、「がんばっているね」
私の弟は、もう随分と長いこと「精神病(統合失調症)」になっているのですが、この弟が言うことに対して、私は怒ってばかりいたのです。
例えば、
「お姉ちゃん、自分は眠れなくて、とても辛いんだよ。夜になるのが怖いんだ」と弟が言ってきたことがあるんです。
この弟の言葉に対し、私は
「あんた、昼間ずっと寝てるでしょう? だから、夜眠れないの、当たり前じゃない」とか・・・・・・・。
「寝られないなんて、大した問題じゃないでしょう?
だったら、ずっと起きていればいいじゃない」とか、言ってきたんです(我ながら、なんてがさつな対応かと思います)。
ところが、ひとりさんの対応の仕方は、私のものとは全く違いました。
「わかるよ。眠れないのって、辛いよね。あんたは、よくがんばってるね」(※「がんばれよ」ではなく、「がんばってるね」というところがポイントですね)
ひとりさんだったら、こんな風に声をかけるというのです。
そして、弟がよく言うという台詞のひとつに、こういうものがあります。
「ああ、お姉ちゃん。生きてて楽しいことが、何にもない・・・」
この弟の言葉に対し、私は、「あんた、なんでそんなに暗いことばっかり言うの!?
もう、あんたと喋ってると、気持ちが暗くなるから嫌だ。
少しは、明るい言葉でも、言ってみな」と怒鳴っていたんですね。
この私がガサツな対応に対し、ひとりさんの回答は、全然違いました」
「それは、しょうがないよ。あんたは病気なんだから、私があんたと同じだったら、同じことを言うよ」
(※まず「病気だからしょうがないよ」とこちらから先に行ってあげる。そして、「あんたと同じだったら、同じこと言うよ」と共感してあげることで、相手はほっとするそうです)
また、弟が私にお金をせびったことがあるんですね。
その時の私は「あんたにあげるお金なんて、びた一文ないよ! ふざけたこと言ってるんじゃないよ」と凄い剣幕で怒鳴ったんです。
この私の「超感情的な対処」に比べ、ひとりさんの回答は、愛の溢れるものでした。
「あのね、お姉ちゃんも、お金ないんだ。
だけどね(3000円~5000円を出しながら)これだけはあんたにあげる。
これで美味しいものでも食べて元気をつけてね。
お姉ちゃん、あんたのこと、いつも応援しているからね」
本当、ひとりさんの対応って、涙が出てきますよね。
一人さんの深い愛に打たれて、涙が止まらなくなってしまいました。
それと同時に、弟にとって自分が、いかに「冷たくて怖いお姉ちゃん」であったかも、ようやく気づくことができたのです。
「松茸」は買えないけど「しいたけのバター焼き」なら作ってあげるよ
私の弟って、アルバイトとかリハビリ施設に行ったこともあるんですが、そこで誰かと喧嘩になったり、ちょっとしたことで「やる気」がなくなったりして、すぐに辞めてきてしまうんですね。
そして、私にこんなことを言うのです。
「ねえ、お姉ちゃん、働かないで、儲かる方法ってないかな?」
私は、弟がこの言葉を言い終わる前に、「あんた、ふざけたことを言うんじゃないよ。そんなことを言ってる暇があったら、さっさと履歴書の一枚でも書きな」と怒りまくっていたのです。
ところが、ひとりさんの回答は全く違うものでした。
「(働かないで儲かる方法について)
それは、私も考えるよ。そういう方法が、あったらいいよね」
(※そういう風に同意してあげることで相手がホッとするそうです)
また、弟が「お姉ちゃん、金持ちの友達が羨ましい。そういう友達を見ると、働く気がなくなる」と言ったことがあるんです。
この時も私は「キーっ!! 人のことばっかり、羨ましがるな!! 自分が働かないのを、友達のせいにするんじゃないよ」と、ものすごく怒ったんです。
この私の非常に感情的な言葉に対し、一人さんの対応は全く違うものでした。
「(友達が羨ましいということに対して)
それは私だって、羨ましいよ。
そういう気持ちは、私もわかるよ。
でも、働かないと、お姉ちゃんは食べていけないんだよね。
それに、お姉ちゃん働くことって、すごく楽しいから、やめられないんだよね」(※「そうだよね、わかるよ」と同意した後に、働かないと食べていけない事実と、働くことの楽しさを伝える)
そして、私の弟は働かないのですが、そのくせ「高いもの」を欲しがるのです。
例えば、ブランドものを欲しがったり、「ドンペリ」を飲みたがったり、「フカヒレ」とか、「まったけ」とか、グルメなものを食べたがったりするんです。
とにかく、私は弟がこういうことを言い出すと、もう怒りが抑えられなくなってしまうんです。
それで、「私が怒りで床を踏み鳴らし、あんたね、ふざけたこと言うんじゃないよ! 100年早いんだよ。働いてから、そのセリフを吐きな」と怒りまくっていたんです。
しかし、ひとりさんの対応は、愛とユーモアあふれるものでした。
「(弟が『松茸』を食べたいと言ったら)
お姉ちゃん「松茸」は高くて買えないけれど、「しいたけのバター焼き」ぐらいで良かったら作ってあげられるよ。
お姉ちゃんの夢はね、あんたが働くようになったら、あんたにご馳走になることなの。
お姉ちゃん、楽しみに、待っているからね」
私はこのひとりさんの言葉を聞きながら、涙でぐちゃぐちゃになりながら、椅子から転げ落ちるほど笑ってしまいました。
「しいたけのバター焼き」とは、想像も出来ませんでした。
本当に、ひとりさんの回答って、すごいですね。
そして相手の言うことを否定せず、受け入れ、かつユーモアと愛情たっぷりの言葉で返す。
ひとりさんにお話を頂くたびに、毎回、毎回、脱帽なんです。
斎藤一人さんの話を纏めました。
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