
「うちは貧乏だから・・・・・・」
比べる貧しさ
私の祖父の姉は、本家を継いだ祖父の兄と結婚しています。
つまり、祖父と本家の兄、祖母と本家の兄の奥さんはともに兄弟・姉妹同士なのです。
本家に嫁いだ祖父のお姉さんは裕福な暮らしをしていて、しょっちゅう旅行に出かけていました。
それを知るたび祖母は、「姉さんのところはお金持ちだからいいわよね」とひとり愚痴をこぼし、「うちは貧乏だから・・・・・」というのが口癖になっていました。
祖母、両親、そして私と、順調に貧乏三代目を受け継ごうとしていたのです。
苗場に住んでいれば、子供達は当然のようにスキーをします。
私も弟も大好きでした。
特に弟は中学に入ったらスキー部に入りたいと思っていたのですが、スキー部に入って競技に出るためには、競技用のスキー板が必要になります。
例えばスラローム(回転競技)とジャイアントスラローム(大回転競技)の2つの種目に出場するなら、その競技専用の二本のスキー板が必要になります。
当然のように、周りの友達はそれらの専用のスキー板を持っています。
しかも毎年、新しい板を買ってもらっているのです。
貧乏な我が家では、そんなスキー板を買ってもらえるわけがありません。
弟は諦めて私と同じ野球部に入りました。
我が家には「うちは貧乏だから・・・・・・」という意識が染み付いて、見事なくらい地獄言葉(否定的な言葉)にあふれていました。
今から冷静に考えれば、家だけが特に貧乏だったというわけでは決してありませんでした。
近所には旅館経営に失敗して、一家で夜逃げした家もありましたし、全国にはもっと家計が苦しい家もたくさんあったはずです。
私自身は住む家があり、3食ご飯を食べさせてもらい、その後は高校も卒業させてもらって、さらには東京の専門学校に通うために、一人暮らしまでさせてもらっているのです。
しかし当時のは私は、常に周りと比べてうちは貧乏なんだと思い込み、それがいつしか劣等感となって、自分の考え方まで貧しくなっていったのです。

社長たちとの運命的な出会い
そんな私が中学生の時に、毎週末スキーにやってくる元気な若者グループがいました。
その若者とは、後に一人さんのお弟子さんとなる、遠藤忠夫社長、桝岡はなゑ社長、宇野伸行社長、千葉純一社長、そして、まるかん本社の重鎮となる、はなゑ社長のお兄さんでした。
当時はまだ、まるかんのお仕事を始める前で、古くからの友人同士だった5人は、うちの旅館を利用してくれていたのです。
とにかく毎週土曜日の夜になると、わいわいやってくるのです。
ものすごく明るくて、30代半ばにもならない私の母を「おばちゃん」と呼び、「夕飯は焼肉とシチューね」と勝手に決めちゃうのです。
面白いのは普段無口な父が、お弟子さんたちとはいつも楽しそうにお酒を飲んでいたことです。
その後、私は実家から離れた新潟県内の高校へ進学し、お金がないのに下宿生活をしていました。
「お金がないなら働きな」という一人さんの教えを知らない私は、さらに高校卒業後は東京の専門学校に行くことにしました。
貧乏から抜けられないパターンですね。
行く学校は決まったものの、住むところを探さなくてはいけません。
どうしようかと思っていた矢先、またまたお弟子さんたちがスキーに来ていたので、母が私の東京での住まいを相談しました。
すると、「それなら、桝岡荘がいいよ」とすぐに電話をしてくれました。
桝岡荘というのは、はなゑ社長のお父さんが経営するアパートです。
運よく空きが出たばかりで、私はそこに住まわせてもらうことになりました。
お弟子さんたちは引っ越しの時に手伝いに来てくれ、楽しい桝岡荘での暮らしが始まったのです。
私は第一桝岡荘、遠藤社長は第2桝岡荘、しばらくして千葉社長も第1桝岡荘に越してきました。
大家さんである、はなゑ社長のご両親は優しく豪快で、みんなの親って感じです。
みんな、はなゑ社長がいなくても毎日桝岡家に集まっていました。
お弟子さんたちは、なれない東京で一人暮らしは初めてお金のない私のことを気遣って、ご飯をご馳走してくれたり、週末はテニスやいろんな遊びに誘ってくれたりしました。
遊びに行っても、「修は1000円でいいよ」と言ってくれるのです。
お弟子さん達からすれば、私はただの行きつけの旅館の息子です。
逆に私からすれば、いつも家の旅館を利用してくれる上得意のお客様であって、私がお弟子さんたちに感謝しなければならない立場なのです。
それなのにお弟子さんたちは、私のことをいつも気にかけてくれ、いつも優しく接してくれるのです。
お弟さんたちは一人さんに出会う前から優しく、心が本当に豊かだったのだと思うのです。
斎藤一人さんの話を纏めました。
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