これが成功のツヤだよ。
このツヤがないと、何をやってもうまくいかないんだ。
もちろん、男の人も、女の人もだよ
白いジャガーの紳士
私は今、全国8県に拠点を置く会社を経営しています。
お陰様で私の会社は、世間に吹いている不況の風など「どこ吹く風？」と、日々、ユカイツーカイに商いをさせて頂いています。
でも、そんな「現在」があることが、私には考えられないほどの奇跡なんです。
私は元々、東京の某病院で検査技師をしていました。
その仕事にも職場にも何の不満もなかったのですが、私はもっと楽しい事がやりたくて検査技師を辞め、小さな喫茶店を始めました。
ところが、地元で「資産家」と言われる両親のもとに生まれた私には、「お金を儲ける」という意識は一切なし。
私の頭にあったのは、
「大勢の人が集まって、夢を語り合う楽しい場所を作ろう」
というイメージだけでした。
自分のお店に「十夢想家（トムソーヤ）」と名付けたものの、何をやったら大勢のお客さんが集まって、夢を語り合ってもらえるか、ということなど考えたことはありません。
当然、私のお店はとっても暇で、儲かっていませんでした。
ただし、学生時代からの友人達がお店の常連さんになってくれていましたし、店舗も親が所有している物を使わせてもらっていたので、私は切羽詰まった気分にはなれず、毎日、「あること」を想像しては楽しく過ごしていました。
その「あること」とは・・・・・・。
少女漫画の読みすぎだと思われるでしょうが、私は昔から白馬に乗った王子様がお姫様を迎えに来るように、自分にもそういう人が必ずやってくると信じていました。
お店の常連さんたちにその話をして、よく笑われていましたが、私はそれでもよかったのです。
白馬に乗った王子様の姿を頭の中で思い描いているだけで、ハッピーだったのですから。
ところが・・・・・・。
ある時、私のお店に、本当に、白馬の王子様がやってきたのです。
ただし、その人は白馬ではなく、白いジャガーに乗ってやってきました。
その紳士が、実に不思議な人で・・・・・・。
何が不思議かと言うと、その人に質問すると、いつもびっくりするような答えが返ってくるのです。
例えば、ある時、紳士にこんなことを尋ねました。
「私、もっと、もっと、幸せになりたい。なれるかなぁ？」
すると、紳士は、満面の笑みで、こう言ったのです。
「もちろん、なれるよ。
人は誰でも、幸せになれるんだよ。
なぜかと言うと、人は誰でも、幸せになるために生まれてきたのだから」
そのびっくりがものすごく楽しくて、ワクワクするので、私はこの紳士がやってくるのを毎日心待ちにしていました。
また、お店の常連さん達も紳士の話を目当てに行ってくるようになりました。
ものすごくカンタンな道
「幸せになるために生まれてきた」
という話を聞いた私には、一つ疑問がありました。
それは、
「みんな、幸せになるために生まれてきたのに、どうして幸せな人と、そうでない人がいるのかな？」
という疑問でした。
私はこの疑問を、紳士に投げかけてみました。
すると、紳士から思いもしなかった答えが戻ってきました。
「はなちゃん、天の神様は、本当は人間を幸せにしたくてしたくてしょうがないんだよ。
だから、神様は一生懸命、
『こっちへ行けば、幸せになれるよ』
って、教えてるんだけど、ほとんどの人が勝手に違う方向へ行ってしまう」
と。まさしく雲をつかむような話ですよね。
「でも神様が、せっかく教えてくれてても、私には神様の声が聞こえない。どうしたらいいの？」
私は、そう訊ねました。
「かなちゃん、そんなもの聞こえなくったっていいんだよ。
幸せになる方法を知っている人間に聞けばいいだけの話だからね」
「えっ、自分で神様に聞かなくてもいいんですか？ 私に教えてください。知っているんですよね？」
私のお願いに、紳士は、しばらく考え込んでいましたが、
「確かに、私はどっちに行けばいいかを知っているよ。
それも、最短距離で行ける、ものすごく簡単な道を・・・・・・・。でも、大抵の人は、信じない」
「えーっ、私は信じる。すごく興味があるから、教えて、教えて」
私がそう言うと、紳士は優しく頷き、そして、言いました。
「つや子の法則っていうのがあってね。
これをすると絶対に不幸になれない。
それは何ですか？って言ったら、顔のツヤ」
顔のツヤあまりにも唐突すぎる展開に、私はとても驚き、ただ、ただ、呆然としていました。
そんな私に、紳士は、こう言ったのです。
「世の中には、性格があまり良くなくても、お金持ちだったり、社会的に成功している人って、いるよね。
そういう人って、必ず、顔にツヤがあるんだよ。
でも、どんなにいい人でも顔にツヤがないと、なぜか何をやってもうまくいかないし、成功もできないんだよ」
「えーっ、びっくり! 顔のつやね・・・・・・。
だけど、それだけで本当にいいの？」
あまりにも簡単すぎて気が抜けてしまった私は、紳士に向かって訊ねました。
すると、紳士は、こう答えました。
「はなちゃん、幸せになるのに苦労はいらないからね。
がんばっちゃだめだよ。
幸せというのは、苦労して、嫌な思いをして、大変な思いをした、その後に来るものじゃない。
幸せというのは、心が幸せに向かったと同時に行ってくる。
そして、幸せの方へ向かって歩きながら幸せになるものなの」
「向かったと同時に幸せ？」
私には何のことやら、さっぱり分かりませんでしたが、これ以上質問しても理解できないだろうと思い、質問するのはやめにしました。
「つやこ」の法則
「とにかく、ツヤを出せばいいのね。
でも、私の顔、ツヤがないかしら？ ちょっと鏡で見てみよう、っと」
すると、紳士は、
「はなちゃん、テカリとツヤは違うよ。
それともう一つ、自分の見た目と、他人の見た目は違う。
他人の目の方が、意外と正しかったりするんだよ」
と言い、実際に、私の顔を不思議なオイルでツヤツヤにしてくれました。
「うん、これでよし。はなちゃん、鏡を見てごらん」
真摯に促されて鏡を見た私は、自分の顔を見て驚きました。
「ちょっ、ちょっと、すごい! キレイ! 違う顔になってる!」
思わず、そんな歓声をあげてしまったほど、私の顔は輝いていたのです。
「いいかい、これが成功のツヤだよ。
このツヤがないと、何をやってもうまくいかないんだ。
もちろん、男の人も、女の人もだよ」
「一体、どんな魔法を使ったの？」
それなりにメイクを研究してきたという二種がある私にも出せなかったツヤを、ものの数秒で出した。
それが私には魔法のように思えて仕方がなかったのです。
「ハハハ・・・・・・、魔法なんかじゃないよ。
足りないものを足してあげれば、ツヤは出るものだから」
紳士は笑ってそういったあと、こんな話を教えてくれました。
「貧乏勢いというのがあるの、知ってるかい？
貧乏に勢いがついていると、なかなかツヤが出てこないんだよ。
1回塗っただけでツヤの出る人は、貧乏一代目。
5回塗らないとツヤが出ない人は5代前から貧乏。
本当にそうなんだよ。
冗談みたいな話だよね」
私は、思わず吹き出してしまいました。
「笑っちゃう。そんな冗談、誰が考えたの？」
「でもね、はなちゃん。
そういう人でも、良い油分をきちんと補ってやれば、ツヤが出るんだよ。
そして、顔にツヤがあれば、幸せになる。
不幸でいられないんだ」
一番大切なのは「人相」なんだ
正直なことを言うと、私は、その時点では、紳士の言葉に半信半疑でした。
ところが、この直後にお店に行ってきたお客さんから、こう言われたのです。
「はなちゃん、何かいいことあったでしょ。顔にそう書いてある」
私は、顔のツヤ一つで、相手に与える印象が違うことに気づきました。
しかも、そのお客さんは、私にこうも言ってくれたのです。
「そういう顔を見てると、こっちも気が楽だよ。
最近、しけた顔ばっか見てたからさ」
それだけではありません。
この後、奇跡が起きたのです!
いつも常連さんしかいないはずの私のお店に、遠方からのお客さんも行ってきました。
また、
「何の気なしに、パッと、思いつきで入ってしまいました」
という、お客さんも行ってきたのです。
そんな不思議な出来事があったと、いつものように私のお店に親子がやってきました。
「やぁ、はなちゃん、幸せそうな顔をしているね」
紳士にそう言われ、私は自分の身に起きた奇跡を話しました。
「つやを出しただけで、こんなにいいことがあったの。
でも、どうしてなんだろう？」
私がそう言うと、紳士は、あっさりとこう言いました。
「はなちゃん、一番大切なのは、人相なんだよ。
人相が貧相で幸せになることはできないし、福相で不幸になることはできない。
それから、人相というのは、顔の作りやほくろの位置じゃない。
ツヤ、この一点なんだよ」
斎藤一人さんの話を纏めました。
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